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クエリ検索: "マクロファージ"
35,788件中 1-20の結果を表示しています
  • 内藤 眞
    日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
    2010年 30 巻 1 号 93-94
    発行日: 2010/09/21
    公開日: 2012/11/07
    ジャーナル フリー
    肉芽腫は刺激物質に対して生体防御機能を発揮するための新しい組織形成であり,
    マクロファージ
    ,リンパ球,好酸球,形質細胞などから構成される.炎症巣には化学遊走因子によって多数の単球が動員され
    マクロファージ
    に分化する.しばしば大型化した
    マクロファージ
    である類上皮細胞や多核巨細胞の出現を伴う.肉芽腫の形成とその維持にはtumor necrosis factor α,interferon-γ,macrophage colony-stimulating factor,granulocyte macrophage colony-stimulating factor,interleukin-1などのサイトカインや増殖因子の作用が重要である.組織内に菌が侵入すると
    マクロファージ
    がそれを取り込むが,菌が増殖すると
    マクロファージ
    も集積して肉芽腫を作り,病変を押さえ込む.炎症が極期を過ぎると
    マクロファージ
    は炎症巣内の老廃・壊死物を除去し,種々増殖因子を介して線維芽細胞の増殖や血管新生を促し,肉芽組織で置き換え,さらに病変を縮小させる.このように肉芽腫中で
    マクロファージ
    は炎症の発生から治癒,線維化の全過程に関与する.
  • 松山 知正, 飯田 貴次, 延東 真
    魚病研究
    1999年 34 巻 2 号 83-84
    発行日: 1999/06/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     テラピアの鰾内に好中球破壊液を接種すると, 通常の刺激より多数の
    マクロファージ
    が誘導され, 鰾内浸出
    マクロファージ
    は破壊液の濃度に依存して増加した。破壊液接種の4日後では浸出細胞の40%以上が
    マクロファージ
    であったが, 好中球も多数含まれていた。接種4日後回収細胞を in vitro で48時間培養すると好中球が死滅し, 培養細胞の97%以上が
    マクロファージ
    であった。この培養
    マクロファージ
    は貪食能を有していた。活性を有した炎症性
    マクロファージ
    を効率的に分離することが可能となった。
  • 香山 雅子
    化学と生物
    2015年 53 巻 9 号 593-599
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー
    ほぼすべての組織には
    マクロファージ
    が恒常的に存在し,これらの組織
    マクロファージ
    は単に免疫細胞として免疫応答に関与するだけではなく,組織における恒常性の維持にも関与すると考えられている.組織
    マクロファージ
    は存在する組織によって機能および形態が異なるが,この組織
    マクロファージ
    の多様性を制御する因子(シグナル)については,不明な点が多い.本稿では,組織
    マクロファージ
    の分化制御機構および機能について,脾臓の
    マクロファージ
    を中心に概説する.
  • 湯浅 光悦, 金沢 武道
    日本胸部疾患学会雑誌
    1995年 33 巻 7 号 715-722
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺疾患における foam cell 化肺胞
    マクロファージ
    の病態とその出現機序を解明するため, 各種肺疾患を対象としてBALF中の foam cell 化
    マクロファージ
    の電顕的観察ならびに白色家兎を用いて実験的検討を行った. 1) 健常者18名, 慢性気管支炎7例, 肺線維症8例, 陳旧性肺結核7例, 肺癌20例, 気管支拡張症5例の計65例についてBALF中の
    マクロファージ
    を電顕にて撮像した. 1例あたり30個以上の
    マクロファージ
    について, 細胞質に対する泡沫の占める割合を, エリアカーブメータを用いて算出し, Type I: 80%以上を占めるもの, Type II: 20~79%を占めるもの, Type III: 20%未満のものに分類した. 陳旧性肺結核, 肺癌ならびに気管支拡張症では, Type Iの
    マクロファージ
    の増加が認められ, 他の肺疾患に比して foam cell 化が進んでいた. 2) 気道閉塞ならびに脱血灌流した白色家兎の実験から, 家兎肺胞
    マクロファージ
    は血液単球に由来する可能性が示唆された.
  • 笠井 慎治, 森 哲夫, 小宮山 淳, 伊藤 信夫, 重松 秀一
    日本小児腎臓病学会雑誌
    1994年 7 巻 2 号 137-141
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
     糸球体
    マクロファージ
    は,増殖性腎炎で重要な働きをしていることが,形態学的,免疫学的に,さらに近年では分子生物学的に解明されてきた。しかし,メサンギウム細胞の増殖の乏しい腎炎でも,
    マクロファージ
    は浸潤している。われわれがラット血清病腎炎のモデルを用いた実験で,メサンギウム細胞増殖に対する糸球体内の
    マクロファージ
    の作用は,腎炎の経過中に一過性の抑制から促進へと変化することがわかった。これは,糸球体内の
    マクロファージ
    の質と量の両方の変化に起因していると考えられた。さらに,主に
    マクロファージ
    が接着したメサンギウム細胞に増殖が認められる傾向があり,ICAM-1が,部分的に介在することが証明された。以上から,腎炎においては,糸球体
    マクロファージ
    は,メサンギウム細胞増殖に対して制御作用を持ち,それは,両細胞が接着することによって有効に伝達されることが考えられた。
  • 佐藤 荘
    日本臨床免疫学会会誌
    2014年 37 巻 4 号 285
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/07
    ジャーナル フリー
      
    マクロファージ
    は,自然免疫において中心的な役割を果たしている.病原体の感染の際に活性化する細胞をM1
    マクロファージ
    ,一方でアレルギー,メタボリックシンドローム及び癌のような多くの疾患に関与する細胞をM2
    マクロファージ
    と呼称している.しかしながら,今までの研究では多くの疾患に関わるこのM2
    マクロファージ
    が,実際にどのようにして生まれ,どのように生体内で働いているのかについては殆ど分かっていなかった.そこで,このM2
    マクロファージ
    と疾患との関係性に焦点を当てて研究を行った.
      最初に,M2
    マクロファージ
    分化とアレルギー応答との関係性に焦点をあてた研究を行った結果,エピジェネティックな遺伝子制御に関わるJmjd3が,IRF4の発現を制御し,アレルギー応答の際に活性化するM2
    マクロファージ
    の分化に必須である事を解明した.
      また,私達の研究からJmjd3非依存的な経路で分化するM2
    マクロファージ
    も存在していることが明らかとなった.この新規M2
    マクロファージ
    を探索した結果,脂肪組織の様な抹消組織にTrib1によって分化の制御をうけるM2
    マクロファージ
    が存在しており,この細胞が脂肪組織等のメンテナンスを行っていることを突き止めた.また,興味深い事にこのTrib1−/−マウスは,高脂肪食下ではメタボリックシンドロームを発症した.
      以上の結果から,我々の体内には病気ごとの“疾患特異的M2
    マクロファージ
    ”が存在していることが推測される.したがって,これらの病気ごとのM2
    マクロファージ
    の研究が,様々な疾患に対する効果的な治療薬の開発に繋がると考えられる.
  • 安藤 正幸, 堀尾 直, 安藤 正幸, 杉本 峯晴, 樋口 定信, 菅 守隆, 田中 不二穂, 徳臣 晴比古, 杉本 峯晴, 安藤 正幸, 島津 和泰, 堀尾 直, 菅 守隆, 徳臣 晴比古, 福嶋 和文, 森口 博基, 大串 文隆, 土居 裕幸, 中山 耕二, 石見 寿康, 中山 正, 河野 知弘, 安岡 劭, 螺良 英郎, 川田 博, 工藤 律, 滝沢 敬夫, 河野 知弘, 大串 文隆, 土居 裕幸, 中山 正, 石見 寿康, 安岡 劭, 螺良 英郎
    日本胸部疾患学会雑誌
    1982年 20 巻 Supplement 号 61-63
    発行日: 1982/03/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 螺良 英郎, 堀尾 直, 安藤 正幸, 杉本 峯晴, 徳臣 晴比古, 島田 久夫, 中山 正, 石見 寿康, 河野 知弘, 桝田 勝仁, 尾崎 敏夫, 安岡 劭, 富岡 元明, 永岡 百合子, 志村 早苗, 佐藤 茂, 滝島 任, 二宮 ひふみ, 飛梅 耕一
    日本胸部疾患学会雑誌
    1980年 18 巻 Supplement 号 135-136
    発行日: 1980/03/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 大島 駿作, 島田 久夫, 大串 文隆, 中山 正, 土居 裕幸, 久野 梧郎, 安岡 劭, 螺良 英郎, 寺田 弘, 杉本 峯晴, 安藤 正幸, 千場 博, 徳臣 晴比古, 菅 守隆, 岡田 慶夫, 川田 博, 永井 厚志, 川上 雅彦, 滝沢 敬夫, 中島 真樹, 薗 潤, 藤村 昌樹, 南 一明, 並河 尚二, 肥後 昌五郎, 森 渥視, 岡田 慶夫, 土屋 和之, 林 和宏, 石井 信義, 松本 章一, 上田 真太郎, 石井 信義, 林 和宏, 松本 章一, 上田 真太郎
    日本胸部疾患学会雑誌
    1979年 17 巻 Supplement 号 105-108
    発行日: 1979/03/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 大島 駿作, 津田 富康, 島田 久夫, 安藤 正幸
    日本胸部疾患学会雑誌
    1978年 16 巻 Supplement 号 75-76
    発行日: 1978/03/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 杉本 峰晴, 萩原 照久, 岩田 仁
    日本胸部疾患学会雑誌
    1978年 16 巻 Supplement 号 216-217
    発行日: 1978/03/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 稲川 裕之, 河内 千恵, 杣 源一郎, 松本 真, 山下 修司, 寺田 弘, 牧野 公子
    Drug Delivery System
    2008年 23 巻 4 号 474-480
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/07
    ジャーナル フリー
    エイズ,結核,マラリアは世界3大難治性感染症である.エイズはHIVウイルス,結核は結核菌,マラリアはマラリア原虫に感染して引き起こされる.本稿では,結核治療のためのDDSについて概説する.結核菌は生体内に侵入後,
    マクロファージ
    に貪食されるが,消化されずに
    マクロファージ
    内部で増殖する.筆者らは,病原菌が寄生した
    マクロファージに容易に認識貪食されることによってマクロファージ
    内部に充分量の薬物を送達し,
    マクロファージ
    を活性化するDDSを検討している.
  • 安藤 めぐみ, 小山 隆太
    ファルマシア
    2022年 58 巻 9 号 843-847
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/01
    ジャーナル フリー
    マクロファージ
    は、死細胞やその破片などの不要物を貪食して取り除くことで臓器の恒常性を維持する。脳や脊髄の実質においては、常在性
    マクロファージ
    であるミクログリアが主に貪食機能を発揮する。しかしながら、疾患や傷害が生じた場合には、末梢から実質へと浸潤した
    マクロファージ
    もまた貪食機能を示すことが明らかとなってきた。本稿では、ミクログリアと浸潤
    マクロファージ
    の中枢神経系における貪食の役割分担を、分子メカニズムに着目しながら考察する。
  • 樗木 俊聡
    日本臨床免疫学会会誌
    2017年 40 巻 4 号 273a
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/25
    ジャーナル フリー

      1892年,Metchnikoffは,ヒトデの幼生ビピンナリアをはじめとする無脊椎動物さらには脊椎動物の組織に異物を食べて消化する大型の細胞(貪食細胞)を発見し

    マクロファージ
    と名付けた.1968年,FurthやCohnにより単核球系貪食細胞システム(Mononuclear phagocyte system, MPS)が提唱され,単球と
    マクロファージ
    をまとめて単核球系貪食細胞と命名,すべての組織常在性
    マクロファージ
    の起源は骨髄単球であると主張した.1989年,高橋潔・内藤眞博士らは,単球が発生する前の卵黄嚢・胎児肝に
    マクロファージ
    が出現・存在することを報告し,MPSの矛盾を指摘した.21世紀に入り,組織
    マクロファージ
    の大部分が,実は胎生期(卵黄嚢あるいは胎児肝)由来であることがfate-tracing技術を駆使して示された.機能的にも,胎生期由来
    マクロファージ
    は自己複製能を有し長寿命で定常状態における組織恒常性の維持を担うこと,一方,骨髄単球を起源とする
    マクロファージ
    は短寿命で,さまざまな炎症反応に積極的に関与すると言われている.本講演では,
    マクロファージ
    研究の歴史を紹介し,さらに,最近ヒトで報告が相次いでいる樹状細胞や
    マクロファージ
    の前駆細胞に関する知見を,我々の研究成果を中心に紹介したい.

  • 高田 優
    アレルギー
    1977年 26 巻 9 号 631-639,672
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
    in vitro での抗体産生における
    マクロファージ
    の役割, 特に
    マクロファージ
    から遊離すると考えられる可溶性因子の性状を知るため実験を試みた.一定数のリンパ球に種々の数の抗原を取り込んだ
    マクロファージ
    を加えると, その数に従って抗体産生の大きさは変動した.この変動は
    マクロファージ
    に取り込まれた抗原の量によって支配されているのでなく,
    マクロファージ
    の持つなんらかの生物活性に依存していることが示唆された.この活性は抗原非特異的であり, チオグリコレート刺激の
    マクロファージ
    の培養上清により置き換えうるが, 非刺激の
    マクロファージ
    の培養上清にはこのような活性はなかった.チオグリコレート刺激の
    マクロファージ
    に抗原を加えて得た上清には非特異因子の活性とともに, 抗原に対して特異性を持つ因子の活性がみられた.非特異因子は非免疫リンパ球のみならず, 免疫リンパ球にも有効に作用し, その活性は組織適合性にかかわりなく同種異系のリンパ球にも有効であった.抗原特異因子の活性は, 同種系の免疫リンパ球に対してはみられなかった.
  • 宮澤 忠蔵
    口腔衛生学会雑誌
    1984年 34 巻 1 号 52-63
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    マクロファージ
    を骨粉末の存在下で培養すると, 骨の溶解が観察される。
    マクロファージ
    の骨溶解に関する条件は, 生細胞が硬組織に直接作用することであるが, その詳しい溶解機序は解明されていない, そこで,
    マクロファージ
    の骨溶解性は,
    マクロファージ
    の貪食作用によって, まず骨粉末が細胞内に取り込まれてから, 培養上清にカルシウムが溶出するのか, または
    マクロファージ
    と骨組織の接触面で直接骨の溶解を生じさせているかについて検索した.
    骨材料は, 20μm以下および25-44μmに粉砕したマウス長管骨粉末と幅1mm, 長さ6mmの長管骨片とした。骨溶解性の観察は, ペプトンで誘発したマウス腹腔
    マクロファージ
    に, 所定量の骨材料を加え, 10mM HEPES・5%牛胎児血清加のHam's mediumで培養して行った。一方,
    マクロファージ
    の貪食能をサイトカラシンDで抑制した場合の各種骨材料の溶解性も観察した。
    マクロファージ
    による骨溶解性の測定は, ICP発光分光分析法で培養上清に溶出したカルシウムを定量して行った。また, 未溶解で残留する骨粉末を比濁分析法で濁度として測定した。
    その結果, 20μm以下の骨粉末は,
    マクロファージ
    によって容易に溶解した。貪食が困難な25~44μmの骨粉末, さらに骨片も
    マクロファージ
    により溶解した。しかし, その溶解量は, 20μm以下の材料に比べ少かった。サイトカラシンDの影響は, 20μm以下の骨粉末の溶解で著明に認められたが, 25~44μmの骨粉末では認められなかった。
    マクロファージ
    の骨溶解性は, 骨粉末を微小化することにより増大するが, 貪食困難な大きさの骨をも溶解することから,
    マクロファージ
    と骨の接触面でも骨溶解が起こりうることが示唆された
  • 田口 聖, 上 勝也, 仙波 恵美子
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 0852
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】末梢神経損傷により発症する神経障害性疼痛は長期間持続する難治性の痛みであり,NSAIDsやオピオイドなどの効果は低いとされている。最近,理学療法の一つである運動療法が,神経障害性疼痛を軽減させることが動物実験において示され,注目されている。しかし,そのメカニズムの詳細は不明である。神経障害性疼痛の発症には,末梢神経損傷に伴い
    マクロファージ
    などにより産生された炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-1β)が関与すると考えられている。活性化
    マクロファージ
    はそれらの機能に基づきM1とM2に分類され,M1
    マクロファージ
    は炎症性サイトカインを産生して炎症を促進するのに対して,M2
    マクロファージ
    は抗炎症性サイトカインの産生やM1
    マクロファージ
    の機能抑制を介して組織修復に貢献する。これらの結果は,神経損傷部における
    マクロファージ
    の極性の変化は神経障害性疼痛に影響を及ぼすことを示唆している。本研究は,神経障害性疼痛モデルマウスの損傷坐骨神経におけるM1とM2
    マクロファージ
    の分布を特徴づけ,走運動によるそれらの変化と疼痛との関係を検討した。【方法】神経障害性疼痛モデルマウスは,坐骨神経部分損傷(PSL)により作製した。マウスはPSL術後に走運動を負荷する「ランナー群(R群)」(PSL術後2日目から6日目までの5日間,7m/minの走速度で60分間の走運動)に加えて,PSLだけを施し走運動を負荷しない「コントロール群(C群)」とPSL術も走運動も行わない「ナイーブ群(N群)」を設けた。機械的アロディニアは「von Freyテスト」により,熱痛覚過敏は「Plantarテスト」により評価した。各群のマウスはPSL術後7日目に4%パラフォルムアルデヒド-0.1MPBSによる潅流固定後に坐骨神経を摘出し分析に供した。損傷坐骨神経における
    マクロファージ
    ・サブタイプの変化は免疫組織化学染色により検出し,坐骨神経の結紮部から中枢側と末梢側に区分し,それぞれ1mm以内(さらに250μmごとに4区画に分割)に認められた
    マクロファージ
    をイメージ分析により定量化した。【倫理的配慮,説明と同意】全ての動物実験は和歌山県立医科大学動物実験規程を遵守し,動物の個体数や苦痛は最小限にとどめ,和歌山県立医科大学動物実験委員会の承認のもとで行った(承認番号:642)【結果】走運動が神経障害性疼痛の主症状である機械的アロディニアと熱痛覚過敏を軽減するかどうかについて検討した。R群の機械的アロディニアと熱痛覚過敏を示す閾値は,PSL術後の走運動により有意に上昇したのに対し,C群の閾値は低値を維持し疼痛の持続が観察された。坐骨神経の
    マクロファージ
    の分布は,F4/80抗体を用いて検討し,C群,R群ともに結紮部周辺の中枢側に多い傾向を示した。さらに走運動が損傷坐骨神経における
    マクロファージ
    ・サブタイプに及ぼす影響について
    マクロファージ
    をM1(CD68+),M2(CD206+),M1/M2(CD68+/CD206+)に分類し検討した。N群の坐骨神経に検出された
    マクロファージ
    のほとんどはM1/M2(93%)であったが,C群では中枢側及び末梢側のM1/M2
    マクロファージ
    が減少し,その代わりM1
    マクロファージ
    の増加が認められた。R群は結紮部周辺の中枢側でのM2
    マクロファージ
    数(4 x 104μm2当たり約12個)がC群と比較して有意な増加を示したが,末梢側ではC群と比較してM1/M2
    マクロファージ
    が減少し,M1
    マクロファージ
    は増加する傾向を示した。【考察】IL-1βやTNF-α遺伝子欠損マウスを用いた研究において,神経障害性疼痛が緩和されることが明らかにされていることから,M1
    マクロファージ
    が産生するIL-1βやTNF-αなどの炎症性サイトカインは神経障害性疼痛を悪化させると考えられる。従って,正常坐骨神経においてM1/M2型を示した
    マクロファージ
    は,神経損傷に伴いその極性をM1型に移行させて神経障害性疼痛を増強させると考えられる。一方,運動を負荷したR群では損傷坐骨神経の中枢側においてM2
    マクロファージ
    の有意な増加が観察されたが,末梢側では大きな極性の変化は見られなかった。これらの結果から損傷部より中枢側でのM2
    マクロファージ
    の増加が神経障害性疼痛の緩和に関与している可能性が示唆された。そのメカニズムは不明であるが,例えば運動により筋細胞のIL-4の産生が増加することが明らかにされていることから,運動がIL-4からSTAT6を介した経路を活性化させ,M1
    マクロファージ
    の機能の抑制とM2
    マクロファージ
    への極性変化を介して,神経障害性疼痛の緩和に貢献するという可能性などが考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究は,走運動が損傷坐骨神経における
    マクロファージ
    の極性をM2へ変化させ,神経障害性疼痛を緩和することができる可能性を示唆した。これらの成果は,理学療法学研究における痛みの運動療法の発展に貢献できると考えられる。
  • 三河 須美子, Sakuma Tsutomu, 佐藤  孝
    岩手医学雑誌
    2021年 72 巻 Supplement 号 261-270
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/10
    ジャーナル オープンアクセス
    ラット脾臓を用いて,
    マクロファージ
    に対する 4 種類のモノクローナル抗体, RSM-1, RSM-2, RSM-3, RSM-4 を作製した.これらの抗体を用いて,脾臓を含めたリンパ組織における
    マクロファージ
    の分布や局在様式について免疫組織学的に検討した.RSM-1, RSM-2 は
    マクロファージ
    全般にわたり膜表面に発現する共通抗原を認識しているのに対して,RSM-3, RSM-4 は特定の
    マクロファージ
    に発現する抗原を認識した.リンパ組織における
    マクロファージ
    の分布様式やその機能にはheterogeneity が認められる.今回作製した RSM-1,RSM-2,RSM-3,RSM-4 は,
    マクロファージ
    の分布様式や多様な機能の解析に応用できると思われた.
  • マクロファージ誘発法と諸種硬組織の溶解性との関連性について
    橋本 勝一, 奥村 晴一, 宮澤 忠蔵, 清水 秋雄
    歯科基礎医学会雑誌
    1982年 24 巻 4 号 905-912
    発行日: 1982/12/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    マクロファージ
    が骨吸収作用を示し, 歯周炎の歯肉組織に顕著に増加することから, 歯周疾患関連細菌などを用いて誘発したマウス腹腔
    マクロファージ
    による骨組織の溶解性を調べることを目的とした。すなわち, 本
    マクロファージ
    の培養系に長管骨, 歯槽骨, 人工エナメル質および合成ハイドロキシアパタイト粉末を加え,
    マクロファージ
    による硬組織成分の溶出をCa溶出量で測定した。その結果, 硬組織からのCa溶出は,
    マクロファージ
    濃度に影響を受けるが, peptoneおよびActinomyces visosus ATCC 15987株の死菌体によって誘発した
    マクロファージ
    間にCa溶出能の差異は認められなかった。各種硬組織材料別における比較検討では, 上記2種類の方法で誘発した
    マクロファージ
    によって, いずれも同程度のCa溶出が認められた。すなわち,
    マクロファージ
    の誘発法に関わりなく,
    マクロファージ
    は生体硬組織の溶解性に広く作用する能力を有していることが明らかとなった。
  • 原 悦子, 石島 早苗, 越智 尚子, 大隅 正子, 安部 茂, 山口 英世
    日本医真菌学会雑誌
    1998年 39 巻 1 号 17-25
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    マウス好中球の抗Candida活性に対するイトラコナゾール(ITCZ)処理
    マクロファージ
    培養上清の効果について検討し,以下の成績を得た.(1)腸球菌製剤FK-23の刺激によりマウス腹腔
    マクロファージ
    から腫瘍壊死因子TNFが産生される.そのTNF産生はITCZの添加によって増強した.(2)FK-23とITCZ共存下で培養した
    マクロファージ
    から得られる培養上清(活性化
    マクロファージ
    培養上清)は,好中球のCandida発育阻止作用を増強する効果を示した.(3)その増強活性は,活性化
    マクロファージ
    培養上清を,予め抗TNF抗体で処理すると消失した.(4)活性化
    マクロファージ
    培養上清を添加し,好中球と培養したC.albicansでは仮性菌糸表面に対照群にはみられない凹凸が走査電子顕微鏡下で観察された.同様の形態変化は培養上清の代わりにマウスTNFを添加した場合にも認められた.以上の結果から,ITCZは
    マクロファージ
    のTNF産生増強を介して好中球の抗Candida作用を増強することが示唆される.
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