1973年, 我々は71歳の頸胸部にまたがる進行食道癌で術中食道穿孔を造り, 思案の末非開胸食道翻転抜去を強行, 抜去に成功した. 文献上前例がなく, 本法を“喰道スト
リッピング
法”と命名した. 爾来16年間に各領域の食道癌68例に本法を適応した. ストリピッング法施行症例は食道癌68例, 良性パレット食道2例, 計70例である. 直死率11.7%, 71歳以上37例, 52.9%と高齢者が多かった. 癌占拠部位はCe 3, CeIu 3, Iu 3, Im 20, ImEi 10, Ei 13, E+C 14, その他2であった. 再建法は胃管62例, 回結腸再建7例, 非再建1例で, 手術時間は4時間以内40例と手術時間は大幅に短縮された. 術後の長期予後は5生率スト
リッピング
法30%, 開胸群10%であった. 標準術式を紹介し, 本法は手技が簡単で術後出血量並びに術後合併症が少なく, 推奨に値する術式で手術適応が大幅に拡大された.
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