最近6年間で内視鏡的に切除された4,211個の大腸ポリープの中で非
上皮性腫瘍
は120個で2.8%を占めた.その内訳はlymphoid nodule35個,カルチノイド腫瘍25個,リンパ管腫20個,平滑筋腫19個,脂肪腫18個,血管腫2個,リンパ腫1個であった.大きさ別にみると,5mm以下にlymphoid noduleが,6mm以上にリンパ管腫,脂肪腫が数多く認められ,平滑筋腫はほぼ半数であった.カルチノイド腫瘍は全例直腸にみられ,血管腫の2個も直腸であった.lymphoid nodule35個も多くは直腸に存在したが(26個,74.3%),右側結腸にも6個存在した.平滑筋腫,脂肪腫やリンパ管腫は大腸各部位に認められた.120個中95個,79.2%と大部分が無茎性であり,次いで亜有茎性の21個,17.5%であった.有茎性を呈したのはわずか3個,2.5%で,扁平隆起は1個,0.8%にすぎなかった.内視鏡的切除に関しては,広く深い焼灼後潰瘍を来しやすい.そのためburnning effectを最大限に利用した「80%切除法」を紹介した.非
上皮性腫瘍
といえども通常の大腸ポリープと同様に内視鏡的切除は可能であり,確定診断と治療を同時に解決してしまう非開腹的手術手技である.従って非
上皮性腫瘍
に対しても積極的に内視鏡的切除が試みられるべきであろう.
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