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片桐 美和, 炭山 嘉伸, 柁原 宏久, 中村 光彦, 碓井 貞仁, 若山 恵
日本臨床外科学会雑誌
2003年
64 巻
10 号
2569-2573
発行日: 2003/10/25
公開日: 2009/03/31
ジャーナル
フリー
症例は33歳,男性.生下時よりvon Recklinghausen病を罹患していた.全身倦怠感,黄疸を主訴に入院.両葉の肝内胆管の拡張と,門脈臍部を中心とした腫瘤を認め,減黄目的にendoscopic naso biliary duct (以下ENBD), percutaneous transhepatic colangiodranage (以下PTCD)を行った.しかし皮膚に多発する神経線維腫のため右葉肝内胆管へのPTCD挿入は不可能であった.精査の結果,胆管細胞癌stage IVと診断し,根治術は望めなくもQOLの向上, tube free, volume reductionを目的に左右門脈分岐部の部分切除を含む肝左葉切除術を施行した.胆管癌症例に対するvolume reductionは,本例の様な体外ドレナージの困難な場合に一考を要する治療法であると考えた.
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原田 幸雄, 山口 貴司, 吉村 敬三, 杉浦 敏文, 木村 元彦, 水品 静夫
人工臓器
1986年
15 巻
2 号
852-855
発行日: 1986/04/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
試作した温度センサ内蔵型ペースメーカを房室ブロック犬に装着しトレッドミルによる6km/hr, 3分間までの運動負荷を加えた。正常犬では運動開始直後で血液温の変化しないうちに心拍数, 心拍出量は急速に増加し10秒後にはそれぞれ1.69倍, 1.76倍に達しその後一時下降し開始32.8秒後から再び血液温の上昇と共に増加した。運動終了後も血液温は僅かに上昇したが心拍数, 心拍出量は急速に減少した後徐々に減少した。ペーシング犬では常にレートは血液温と共に変化し運動中には、両者とも徐々に増加し運動終了後に最高値に達したが、レートはその間に1.12倍に上昇したに過ぎなかつた。正常犬の運動初期にみられる急激な心拍数の上昇は自主的な運動では僅かで、精神的な要因によると考えられ、ペーシングレートの設定を改良すれば、正常犬の変化のうち精神的な変化を除き代謝の充進に伴う部分により近似してレートを上昇させることが可能である。
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原田 幸雄, 鈴木 一也, 金井 宏之, 竹下 力, 大久保 忠俊, 河原崎 秀雄, 橋本 大定, 山口 貴司, 吉村 敬三
日本心臓血管外科学会雑誌
1985年
14 巻
4 号
210-212
発行日: 1985/02/04
公開日: 2009/04/28
ジャーナル
フリー
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福島 均
日本放射線技術学会雑誌
1999年
55 巻
4 号
335-341
発行日: 1999/04/20
公開日: 2017/06/30
ジャーナル
フリー
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白方 秀二, 鴻巣 寛, 沢辺 保範, 吉井 一博, 矢野 裕太郎
日本心臓血管外科学会雑誌
1997年
26 巻
6 号
376-379
発行日: 1997/11/15
公開日: 2009/04/28
ジャーナル
フリー
腹痛を伴うショック症状で来院した破裂1例を含む. 脾動脈瘤の3例を報告する. 3例とも女性で, 3例中2例は腹部大動脈瘤と胆石をそれぞれ合併し他疾患精査中偶然に発見され同時手術を行った. Delayed ruptured phenomenon を呈した破裂例は, 2日目に緊急手術を行い救命することができた. 3例とも脾動脈再建は行わず脾摘を行ったが, 組織学的にはすべて動脈硬化性であった. 脾動脈瘤は小さくても破裂の危険があり積極的に手術すべきである.
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川人 宏次, 井上 淳, 久保 琢自, 出川 寿一, 高木 淳彦, 坂本 昌義, 丸山 雄二
日本消化器外科学会雑誌
1991年
24 巻
9 号
2457-2460
発行日: 1991年
公開日: 2011/06/08
ジャーナル
フリー
膵のsolid and cystic tumorの1例を経験したので報告する.症例は15歳の女性で, 主訴は左上腹部痛である.入院時臨床検査所見では異常を認めなかったが, 腹部超音波検査, CT, 血管造影検査より膵体尾部腫瘍と診断した.入院3日目から上腹部の激痛, 嘔吐などの急性腹症を呈し緊急に膵体尾部切除術を行った.腫瘍はよく被包化され, 12×9×6cm大で内部には出血壊死が著明であった.病理組織所見では腫瘍組織は充実性および乳頭状に増殖しており, 免疫組織化学的検査ではα
1-antitrypsinが陽性であった.電顕上zymogen様顆粒は認められなかった.以上によりsolid and cystic tumor of the pancreasと診断した.術後4年の現在再発なく健在である.
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川辺 昭浩, 大久保 忠俊, 小林 利彦, 小里 俊幸, 坂元 隆一, 佐野 佳彦, 森山龍 太郎
腹部救急診療の進歩
1989年
9 巻
5 号
857-859
発行日: 1989/10/31
公開日: 2011/09/05
ジャーナル
フリー
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宮本 康二, 山本 哲也, 清水 幸雄, 林 照恵, 池田 庸子, 牧本 和生
日本臨床外科医学会雑誌
1997年
58 巻
1 号
135-138
発行日: 1997/01/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル
フリー
比較的稀とされる回腸異所性膵による乳児の腸重積症を経験したので報告する.症例は1歳6カ月の女児で主訴は嘔吐であった.腹部腫瘤を触知したため腸重積症を考え,バリウムによる高圧浣腸を施行し整復したが2日後に再発,整復困難であったため手術を施行した.開腹すると回腸-回腸の腸重積を認め整復したが腸管内にポリープを触知したため腸管を切開してこれを摘出した.摘出標本の病理組織検査ではポリープはLangerhans島を欠く異所性膵でありHeinrich II型と考えられた.乳幼児の腸重積症は一般的に特発性が多いが本症例のように原因となる病変が存在する例もあり診療にあたる際,十分に考慮すべきである.
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横井 佳博, 堀場 公寿, 坂元 隆一, 佐野 佳彦, 大久保 忠俊
腹部救急診療の進歩
1987年
7 巻
4 号
873-875
発行日: 1987/11/30
公開日: 2011/09/05
ジャーナル
フリー
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小山 富雄, 小嶋 康則, 北原 敏行, 駿河 敬次郎
日本小児外科学会雑誌
1980年
16 巻
3 号
415-
発行日: 1980/05/20
公開日: 2017/01/01
ジャーナル
フリー
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河原崎 秀雄, 堀 哲夫, 上山 武郎, 吉村 敬三, 原田 幸雄, 宮原 透, 山口 貴司, 馬場 国男, 脇 正志, 大久保 忠俊, Peth Say
日本小児外科学会雑誌
1980年
16 巻
3 号
415-
発行日: 1980/05/20
公開日: 2017/01/01
ジャーナル
フリー
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丸山 敬二, 吉川 清次, 橋本 光孝, 竹本 寛, 井上 章, 杉谷 章, 新井 冨生, 喜納 勇, 椙村 春彦
日本消化器外科学会雑誌
1993年
26 巻
11 号
2658-2662
発行日: 1993年
公開日: 2011/08/23
ジャーナル
フリー
経口避妊薬 (ノルゲストレル+エチニルエストラジオール) を約5年間継続して内服していた26歳の日本人女性が発熱と右季肋部痛を訴え来院. 精査の結果肝右葉に多発性腫瘍を認め, このうち出血性壊死性腫瘍のみを切除し病理組織学的に検討した結果, 腫瘍はほとんどすべてが出血ないしは壊死に陥っているが, ghost状のtrabecular pattemを認識しうる部分が存在し, 腫瘍細胞は正常肝細胞に類似した異型性の乏しい細胞であることがうかがえた. また腫瘍内にはportal triadを認めなかった. 腫瘍周囲の肝組織は正常で炎症や線維化を認めず, 以上より病理組織学的に肝細胞腺腫が最も考えられた. 本症例では残存腫瘍は経口避妊薬服用の中止により大きさ・数ともに減少してきており, 良性の経過をたどっているがまれに悪性化する症例も報告されているので厳重なfollow-upが必要と考える.
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中村 利夫, 土屋 泰夫, 長渡 裕子, 梅原 靖彦, 坂元 隆一, 佐野 佳彦, 大久保 忠俊, 森山 龍太郎
日本臨床外科医学会雑誌
1996年
57 巻
2 号
393-396
発行日: 1996/02/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル
フリー
小腸の悪性リンパ腫は比較的まれだが,特異的症状に乏しく,発見時には進行している例が多い.最近われわれは小腸悪性リンパ腫が鼠径ヘルニアに嵌頓した1例を経験したので報告する.症例は39歳男性.主訴は右下腹部腫瘤である.平成6年4月より腫瘤に気付き, 9月には食欲不振と嘔気が出現, 11月近医受診し当科を紹介され11月14日に入院となる.現症は腹部平坦で軟,右鼠径部に鶏卵大の腫瘤を触知する.貧血黄疸なく表在リンパ節は触知しない. CTおよび小腸造影にて回腸壁が嵌頓したRichter's herniaと診断し, 11月24日手術施行.開腹すると回腸末端より約5cmで回腸が内鼠径輪に嵌頓しており,回盲部切除およびヘルニア孔を腹腔側より修復して手術を終了した.嵌頓した腸管壁の病理組織検査より小腸悪性リンパ腫と診断され,術後CHOP療法を行い現在外来通院中である.
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小里 俊幸, 大久 保忠俊, 佐野 佳彦, 坂元 隆一, 小林 利彦, 古川 憲一, 森山 龍太郎
腹部救急診療の進歩
1991年
11 巻
4 号
553-556
発行日: 1991/08/31
公開日: 2011/09/05
ジャーナル
フリー
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正村 裕紀, 中野 詩朗, 赤羽 弘充, 稲垣 光裕, 柳田 尚之, 折居 裕
日本臨床外科学会雑誌
2011年
72 巻
7 号
1799-1804
発行日: 2011年
公開日: 2012/01/25
ジャーナル
フリー
内臓悪性腫瘍の皮膚・皮下転移は比較的稀であり,中でも結腸癌原発例の報告は少ない.われわれは皮膚・皮下転移を契機に発見されたS状結腸癌の2例を経験した.症例1は50歳代女性で左背部皮下腫瘤を主訴に当院整形外科を受診した.MRIで周囲組織への浸潤があり,血中CEA高値とあわせ転移性皮膚腫瘍を疑い全身精査を施行したところ,S状結腸癌,皮下転移と診断した.S状結腸切除D2郭清を施行し術後補助化学療法を施行していたが術後1年で右副腎転移・下大静脈進展出現し術後1年8カ月で原病死した.症例2は70歳代女性で右大腿部に増大する発赤と硬結を認め,近医にて生検したところ転移性腺癌の結果であった.全身精査でS状結腸癌,皮膚・肝転移と診断した.腸管狭窄に対しステントを留置し緩和治療を行ったが,診断時より2カ月で原病死した.
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杉浦 敏文, 水品 静夫, 木村 元彦, 福井 美仁, 石神 直之, 原田 幸雄
人工臓器
1990年
19 巻
1 号
406-409
発行日: 1990/02/15
公開日: 2011/10/07
ジャーナル
フリー
雑種犬(・6頭、平均体重11.8±1.97Kg)に代謝促進物質を経口的に投与して発熱させ、呼吸数と体温の2つを指標とするペーシングを行い、その際の心拍出量及び酸素消費量の変化の様子に付いて検討した。体温は全例に於いて42℃以上にまで上昇し、その間にペーシングレートは1.34~1.60倍(1.47±0.09倍)に、心拍出量は1.71~2.16倍(2.01±0.18倍)に、酸素消費量は6.6~10.92倍(7.85±1.93倍)にそれぞれ増加した。酸素消費量の伸び率とペーシングレート及び心拍出量の伸び率の間の相関係数はそれぞれ0.91、0.71であった。呼吸数を指標として加えたことにより代謝亢進の初期に於いて比較的速いレートの応答が得られ、37℃付近から41℃以上にかけての広い範囲に於いて良好な心拍出量を得る事ができ、本方法は特に発熱下に於けるレート制御方法の一つとして有効であると考えられる。
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塚越 浩志, 岩崎 茂, 堤 裕史, 倉林 誠, 竹吉 泉
北関東医学
2012年
62 巻
2 号
147-151
発行日: 2012/05/01
公開日: 2012/06/22
ジャーナル
フリー
症例は68歳, 女性. 平成21年2月, S状結腸癌の診断でS状結腸切除術 (D3) を施行した. 病理診断はmoderately differentiated tubular adenocarcinoma, ss, ly1, v1, n1, stageIIIaであった. 術後半年間capecitabineによる補助化学療法を行った. 同年12月 (術後10ヶ月), 肛門部違和感を訴え外来受診. 肛門部3時方向に突出した2 cm大の腫瘤を認めた. 生検を施行したところ, 上皮下に中分化型腺癌がみられ転移が疑われた. informed concentを行い局所切除術を施行し, 病理学的には原発巣と類似する中分化型腺癌で転移と判断された. 同時期に肝転移, 鼠径リンパ節転移を認めたため, 化学療法を開始し現在も継続中である. S状結腸癌術後に極めて稀な異時性肛門転移を認めた1例を経験した. 転移機序として, 脈管を介した転移の可能性が推察された.
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中村 利夫, 土屋 泰夫, 梅原 靖彦, 佐野 佳彦, 大久保 忠俊
日本臨床外科医学会雑誌
1996年
57 巻
9 号
2250-2253
発行日: 1996/09/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル
フリー
肝膿瘍の治療中に大腸癌が発見され,大腸癌が肝膿瘍の原因と考えられた1例を経験したので報告する.症例56歳,男性,平成5年5月3日,発熱と上腹部痛を主訴として入院した. CT,超音波検査により肝膿瘍と診断され,経皮経肝的にドレナージ施行することにより解熱し,画像上膿瘍も消失した.その後外来にて経過観察中, 7カ月後に再び肝膿瘍の再燃をまたため治療および精査のため再入院となり,注腸検査にてS字結腸にapple core signを認め, S字結腸癌と診断された.平成6年2月8日, S字結腸切除術を施行,手術所見はH0P0N0SS, Stage IIであり,組織学的所見はss, n0, v1, ly0であり,腫瘍近傍に微小な膿瘍の形成を認めた.術後経過は良好で現在までに大腸癌の再発および肝膿瘍の再燃は認めていない.
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梅原 靖彦, 大久保 忠俊, 佐野 佳彦, 坂元 隆一, 中村 利夫, 土屋 泰夫, 長渡 裕子, 森山 龍太郎
日本臨床外科医学会雑誌
1995年
56 巻
4 号
816-819
発行日: 1995/04/25
公開日: 2009/01/22
ジャーナル
フリー
成因が異なる脾動脈瘤を2例経験した.症例1は48歳,男性.左上腹部痛を主訴に来院した.腹部CTで膵体部背側に6×4.8cmの内腔に造影剤の貯留を伴う腫瘤を認め,腹部血管造影検査では脾動脈幹に2.2×1.9cmの動脈瘤が認められた.手術は脾動脈瘤を含む膵体尾部切除,脾摘術を施行した.病理組織所見は動脈硬化に起因し膵内に破裂した仮性動脈瘤であった.症例2は37歳,女性.他院にて嚢胞腎の精査中,腹部血管造影検査にて脾動脈幹と脾門部にそれぞれ0.8×0.7cm, 2×1.7cmの動脈瘤を認めた.手術は脾動脈切除及び脾摘術を行った.病理組織所見は動脈硬化を伴わない真性動脈瘤であった.左上腹部痛を伴う疾患の鑑別診断の際,本症も考慮すべきであり,治療方針の決定には腹部血管造影検査が有用である.
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宮澤 秀彰, 安藤 秀明, 伊藤 正直, 小棚木 均, 小山 研二
日本臨床外科学会雑誌
2002年
63 巻
1 号
219-222
発行日: 2002/01/25
公開日: 2009/01/22
ジャーナル
フリー
Mesh plug法後の再発鼠径ヘルニア2例に対し,腹腔鏡補助下に腹腔内からヘルニアの状態を観察しながら,前方からのアプローチでヘルニア修復術を施行. Meshを除去することなくヘルニア門に新たなmesh plugを挿入し修復した. 2例とも術後再発はなく,経過良好である.
成人鼠径ヘルニアに対し当科では,局所麻酔下mesh plug法によるヘルニア修復術を標準術式としているが, mesh plug法後の再発鼠径ヘルニアに対しては,腹腔鏡補助下に行うことでヘルニア嚢を容易にかつ確実に識別できる.それにより,鼠径管内の不必要な剥離を行わず,ヘルニア門にmesh plugを挿入することで最少限の侵襲で確実に施行できる.今後もmesh plug法後の再発例に対しては,腹腔鏡補助下ヘルニア修復術を行っていく方針である.
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