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クエリ検索: "宮下裕子"
48件中 1-20の結果を表示しています
  • 堤 久, 熊川 寿郎, 平井 真希子, 菊川 昌幸, 有江 由依子, 森 眞由美, 幸道 秀樹, 中村 典子, 村井 善郎, 水谷 良子
    日本老年医学会雑誌
    1995年 32 巻 3 号 190-194
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    高齢者急性骨髄性白血病, 骨髄異形成症候群におけるAra-C皮下注療法 (Ara-C 10mg/m2/12hr s. c. 14~21日間), Ara-C持続点滴静注療法 (Ara-C 20mg/m2/day 24hr d. i. v. 14日間), SPAC内服療法 (SPAC 100~300mg/body/day p. o. 14日間) 時の血漿Ara-C濃度を追跡した. Ara-C皮下注療法時のAra-C最高血漿濃度 Cmax は, 103.2±60.4ng/ml (平均±SD, n=7), 最高血漿濃度到達時間Tmaxは, 14.6±2.2min, (平均±SD, n=7), 第1相半減期T1/2αは, 25.0±13.1min (平均±SD, n=7) であり, 皮下注を繰り返しても蓄積による血漿Ara-C濃度の増加は認められなかった. SPAC経口療法時の血漿Ara-C濃度は, SPAC内服3~5日目に3~8ng/mlまで上昇し, 投与期間中はその濃度が持続し, 最も長い症例では投与中止15日後まで血漿Ara-C濃度は0.32ng/ml以上を保っていた. Ara-C持続点滴静注療法時, 投与7~14日において, Ara-Cは4~7ng/mlの濃度で血漿中に検出された. 化学療法の種類を問わず, 全ての症例で加療後に骨髄抑制が認められたが, Ara-C皮下注療法とSPAC経口療法の間で, 血算最低値に有意差は認められなかった.
  • VEPA療法とML-Y1療法の比較
    田辺 寿一, 金森 平和, 松崎 道男, 本村 茂樹, 毛利 博, 大久保 隆男, 丸田 壱郎, 児玉 文雄
    日本老年医学会雑誌
    1994年 31 巻 2 号 135-141
    発行日: 1994/02/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    初診時年齢65歳以上の高齢者非ホジキンリンパ腫32例に対して, VEPA療法を16例に, また当科で考察した多剤交替併用療法であるML-Y1療法を16例に施行し, その治療効果を比較検討した. 症例は年齢65~77歳 (中央値70歳) であり, 男性19例, 女性13例であり, 治療成績はVEPA群, ML-Y1群で完全寛解はそれぞれ6例 (37.5%) および5例 (31.2%), 50%生在期間は20カ月および13カ月で有意差を認めなかった. 主な副作用として, 骨髄抑制, 脱毛, 悪心・嘔吐, 口内炎, 末梢神経障害が両群で同様に認められ, また, 間質性肺炎の合併は有意差はないもののML-L1群で高頻度に認められた. 高齢者に対してのVEPA療法の治療成績は良好といい難く, またML-Y1群においても, 骨髄抑制によるreceived dose intensity の低下や, 間質性肺炎等の重篤な合併症により治療成績がVEPA群と同程度に留まったと考えられ, 新たな治療法を考案していく必要があると思われた.
  • 宮下 裕子, 浜口 雅史, 谷口 隆雄
    中国四国支部総会・講演会 講演論文集
    2007年 2007.45 巻 819
    発行日: 2007/03/07
    公開日: 2017/06/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 深山 牧子, 稲松 孝思, 森 真由美, 三輪 哲義
    感染症学雑誌
    1988年 62 巻 8 号 734-738
    発行日: 1988/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    白血病の治療中に発症したTrichosporon beigeliiによる全身感染症を経験したので報告する. 症例は74歳男性, 1980年多発ニューロパチーのため入院中, 末梢血, 骨髄所見から骨髄異形成症候群と診断された. 1984年4月末梢血へ芽球が出現し急性白血病に移行したため抗白血病療法を施行した. 1984年12月, 口内炎多発, 骨髄抑制による好中球減少期に高熱がみられ, 血液培養でCandida albicansT. beigeliiが検出され死亡した. 剖検では肝, 脾, 心, 腎, 副腎, 肺, 甲状腺, 中枢神経に多数の真菌性病巣を認め, 免疫組織化学的にT. beigelii感染症と診断した.
  • 武井 理子, 磯山 恵一, 山田 耕一郎, 石川 昭
    日本小児血液学会雑誌
    1991年 5 巻 5 号 473-476
    発行日: 1991/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    化学療法が発達するにつれ, 小児悪性腫瘍患児を治療していくうえで, 敗血症は重要な合併症の一つとして注目されている.今回我々は, 1985年から1989年の問に, 昭和大学藤が丘病院小児科に入院となった小児悪性腫瘍患児48例を対象とし, 敗血症の起因菌について検討した.血液培養の陽性率は14%であり, 敗血症は特に再寛解導入療法中の患児で高率にみられた (25.6%).検出された菌は, グラム陽性球菌63%, グラム陽性桿菌5%, グラム陰性桿菌32%であった.このうちS.viridansが最も多く58.3%を占めた.さらに今回の結果を当院における前回の調査結果 (1981~1984) と比較した.前回はグラム陰性桿菌が最も多く検出され, 検出菌に変遷がみられた.
  • 金原 美奈, 小谷 敦志, 辻 裕美子, 平野 豊, 中村 元, 生田 新一郎, 筑後 孝章, 辰巳 陽一, 金丸 昭久, 石川 欽司
    超音波医学
    2007年 34 巻 1 号 65-68
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/27
    ジャーナル 認証あり
    症例は36歳, 男性. 2004年5月急性リンパ性白血病を再発した. 入院後持続的な抗菌・抗真菌剤の投与にもかかわらず38度を超える発熱を認めたため心エコー検査を施行した. 左心室内の僧帽弁腱索に付着する多房性で可動性を有する疣贅様エコーを多数認めた. 病理解剖の結果, 疣贅はアスペルギルスによる菌塊で心内膜はアスペルギルスで一様に覆われていた. アスペルギルスは一般的に心筋膿瘍を作り, 疣贅性心内膜炎を呈することは少ないとされている. 左心室内にアスペルギルスによって形成された巨大な疣贅を心エコー検査にて描出し得たので報告する.
  • 井上 哲郎, 松尾 収二, 種田 和清, 浅野 博, 島川 宏一
    環境感染
    2004年 19 巻 3 号 373-377
    発行日: 2004/08/10
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    目的: 当院の院内感染対策委員会では職員のインフルエンザワクチン (以下ワクチン) 接種を毎年推奨しているが, 当院職員のワクチンに対する意識調査を行い, ワクチン接種の現状と課題について検討し, その結果を接種率向上のために役立てること.
    方法: 2002年4月にワクチン接種に関するアンケートを当院全職員に各部署毎無記名で行った.
    結果: 2001年度のワクチン接種率は56.7% (839/1486人) で職種により7-100%と異なった. 接種者のアンケート回収率は78.7%で, 接種理由は自ら希望81.5%, 上司のすすめ20.2%, 同僚のすすめ2.3%. 来シーズンのワクチンの希望は, する96.1%, しない2.3%であった. 一方, 非接種者の回収率は70.0%で, 非接種の理由は必要性を感じない39.3%, 希望したが日の都合があわず19.0%, 有効性への疑問18.8%, 副反応の危惧15.5%, 知らなかった8.4%, 当日の体調不良4.6%, 基礎疾患あり4.0%, 注射嫌い2.4%, 卵鶏肉アレルギー1.8%であった.来シーズンのワクチンの希望は, する33.8%, 有効性や副反応の情報が増えれば希望32.5%, しない28.9%であった.
    考察: 職員のワクチン接種率向上のためには, 接種の周知を一層図ること, 接種日を増やすこと, 有効性や副反応に関する啓蒙活動をとくに接種率の低い部署に対して行うこと, などに工夫が必要と思われた.
  • 角田 卓也, 谷村 弘, 青木 洋三, 山上 裕機, 岩橋 誠, 落合 実
    日本臨床外科医学会雑誌
    1990年 51 巻 4 号 677-681
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    最近,消化器外科領域でも真菌感染症が増加し,重要な問題となっている.われわれはDegos病,肝癌,胃癌,直腸癌,結腸癌の症例に併発した真菌感染症5例に対しAmphotericin B (AMPH)を経口大量投与し,臨床効果を検討した.1例はDegos病にて加療中,消化管穿孔を併発した腹膜炎術後の敗血症で1例はTPN長期施行によるカテーテル敗血症で,いずれもC. albicans, C. glabrataが検出され,AMPH経口剤900mg~4,800mg/日を5~10日間投与し菌の陰性化,解熱,CRPの改善,白血球数の正常化など著効を得た.しかし,術前のTPN長期施行に原因した真菌性眼内炎にはAMPH4,800mg/日,7日間の投与では尿中からCandidaは消失したが,視力眼底所見は改善せず,この治療には他剤に変更した.すでにわれわれが行ったAMPHの血中および肝,脾などの臓器内濃度の結果と併せて,消化器外科領域の手術に際して発生する真菌症に対してはAMPHの経口大量投与は安全で有効な治療法の1つであるといえる.
  • 藤沢 信, 丸田 壱郎, 小川 浩司, 酒井 リカ, 田口 淳, 富田 直人, 児玉 文雄, 佐々木 津, 府川 仁哉, 村田 興, 橋本 佳巳, 原野 浩, 加藤 治子, 野口 太平, 金森 平和, 宮下 裕子, 松崎 道男, 本村 茂樹, 毛利 博, 大久保 隆男
    臨床血液
    1995年 36 巻 2 号 91-97
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/04/25
    ジャーナル 認証あり
    高齢者急性非リンパ性白血病(ANLL)患者49名の病態,治療成績についてretrospectiveに検討した。症例は男性34名,女性15名であり年齢は65∼69歳(15例),70∼74歳(18例),75∼79歳(12例),80歳以上(4例)に分け中央値は73歳であった。治療法はAra-C少量療法(LDAC)かBHAC-DMP療法を主治医の判断により選択した。完全寛解率は65歳以上全体で43%, 65∼69歳43%, 70∼74歳44%, 75∼79歳42%, 80歳以上33%であった。生存期間の中央値では65歳以上全体で263日,65∼69歳298日,70∼74歳260日,75∼79歳168.5日,80歳以上38.5日であった。多変量解析により寛解導入に関わる因子として染色体異常を認めないこと,GOT≤30 mu/mlかつGPT≤40 mu/mlに有意差を認め,また生存期間に関する予後因子としては完全寛解導入のみに有意差を認めた。治療開始前の肝機能の良否が治療成績に反映する重要な因子の一つと考えられた。
  • 本村 茂樹, 府川 仁哉, 藤沢 信, 加藤 治子, 野口 太平, 児玉 文雄, 田辺 寿一, 藤田 浩之, 松崎 道男, 大久保 隆男
    CHEMOTHERAPY
    1992年 40 巻 11 号 1336-1342
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    悪性血液疾患に合併した感染症47例に対してisepamicin 400mg, ceftriaxone 2gの1日1回投与が有効であるかを検討した。全47例の臨床効果は著効3例, 有効20例, やや有効6例, 無効16例, 判定不能2例であり, 有効率は49%であった。感染症では敗血症または敗血症疑いが40例を占め, その有効率は45%であった。臨床効果と好中球数との関係では, 投与前好中球数500/μl以上の症例が有効率60%と最も良い結果であったが, 500/μl未満の症例でも44%と良好であった。また, 有効例の投与終了時の好中球数は23例中14例が500/μl未満であり, 好中球減少期においても十分効果のあることが示された。細菌学的効果は47例中44例が不明で十分に解析できず, 血液疾患の化学療法期敗血症に対する細菌検索の難しさが痛感された。副作用は発疹が2例, 肝機能異常が2例であり, 重篤なものは認めなかった。Isepamicin, ceftriaxone1日1回投与は血液疾患に合併した感染症においても十分に有効であり, 今後試みる価値のあるものと思われた。
  • 松田 武久, 城戸 隆行, 大西 誠人, 木村 元彦, Naoki FUJISAWA
    人工臓器
    1998年 27 巻 4 号 S61-S63
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 窪田 良次, 大西 宏明, 村田 道夫, 永井 雅巳, 池出 和真, 田中 輝和, 入野 昭三
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1991年 44 巻 3 号 317-323
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器悪性腫瘍患者38名に合併した重症感染症60例に対してPiperacillin (PIPC) を含む抗生物質併用療法を行い, その有効性と安全性について検討した.
    1.全体での有効率は46.7%であった.又, 感染症別の有効率は, 肺炎30%, 敗血症60%, 起炎菌不明な敗血症疑い症例50%であった.
    2.起炎菌別の有効率は, グラム陰性桿菌44.4%, そのうち緑膿菌50%, グラム陽性球菌22.2% であった.
    3.PIPC投与前の好中球数別の有効率は100/μl以下で33.3%, 100-500/μlで60%, 500/μl以上で66.7%であり, 好中球数とPIPCの有効性との間に相関性が認められた.
    4.副作用は, 2例で軽度トランスアミナーゼ値の上昇が認められただけであった.
    以上から, PIPCは造血器悪性腫瘍患者に合併した重症感染症に対して有効な抗生物質の一つである.
  • 小池 道明, 石山 泰二郎, 阿部 総太郎, 堀江 誠一, 菅谷 直樹, 杉本 正邦, 橋本 真生, 住吉 順子, 斉藤 潔, 大沢 秀樹, 若林 芳久, 廣瀬 俊一
    日本医真菌学会雑誌
    1990年 31 巻 3 号 237-242
    発行日: 1990/07/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    1985年から1988年までの間に白血病患者で,真菌症を合併して死亡した10例を経験した.10例のうち5例がAspergillosis,5例がCandidiasisに罹患し,7例は全身,3例は限局して感染していた.真菌症発症の条件として,白血球3,000/μl以下の日数と38.0℃以上の発熱の出現する日数がほぼ一致し,白血球数の最低値は9例が400/μl以下であった.真菌症の診断としての培養では死亡直前に陽性となることが多く,胸部X線上異常所見が出現したのは7例であったが,出現してから死亡までの日数は10日から20日と短かった.
    治療については,ミコナゾール,アムホテリシンBの経口投与は比較的長期間投与されているが,アムホテリシンBの経静脈投与は死亡直前に施行されることが多かった.
    剖検では,10例すべてが肺に真菌が感染し,脾,肝,腎への浸潤例も多かったため,今後腹部超音波や腹部CTによる真菌症の診断も重要になってくるものと考えられる.
  • 内山 敏男
    日本血栓止血学会誌
    1990年 1 巻 6 号 475-481
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    The effect of daunorubicin (DNR) on von Willebrand factor (vWF) in plasma was studied. Ristocetin induced-platelet aggregation (RIPA) in five acute myeloid leukemia (AML) patients was decreased after administration of DNR (p<0.05). And then plasma vWF antigen (vWF: Ag) and ristocetin cofactor (RCof) in seven AML patients were measured. After administration of DNR, vWF: Ag was increased (p<0.05), whereas RCof was decreased (p<0.01). RCof was decreased significantly (p<0.005) in the DNR-treated plasma (DTP) of normal subjects, in which DNR was added and incubated at 37°C for 30min, in comparison with the control in which DNR was not added. Further more, RCof was decreased significantly (p<0.01) even in the DTP from which DNR was removed by gel filtration. Change of the multimeric composition of vWF were investigated by crossed immunoelectrophoresis (CIE) and SDS-agarose gel electrophoresis. In the plasma of AML patients after administration of DNR and DTP, the components corresponding to the small multimer increased. These results suggested that DNR could induce the molecular abnormality of vWF.
  • 伊藤 健, 遠藤 勝弘, 海野 智, 増田 元三郎, 藤田 浄秀
    日本口腔外科学会雑誌
    1990年 36 巻 12 号 2830-2834
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/07/25
    ジャーナル フリー
    A case of teeth extraction in a patient with von Willebrand's disease was reported. The patient, a 19-year-old female, complaning of toothache of the mandibular right third molar visited our clinic. Twenty units of commercial heated factor VIII concentrates (Confact F®) per kg body weight was infused preoperatively. Then teeth extraction of the mandibular right third molar, left second premolar, and second molar was performed. No secondary bleeding was noticed after operation. Confact F®, including intermediate multimers of von Willebrand factor, was effective to correct abnormal hemostasis in the patient with von Willebrand's disease.
  • 金子 保, 野田 和正, 佐野 文彦, 野村 郁男, 亀田 陽一, 飯田 萬一
    日本胸部疾患学会雑誌
    1989年 27 巻 12 号 1534-1539
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は76歳, 男性, 検診で胸部異常陰影を発見された. 両側肺に多発の結節影を認め, 気管支鏡での擦過洗浄液からクリプトコックスを検出した. 基礎疾患がなく, 肺以外に病巣を認めないことから原発性肺クリプトコックス症と診断し, 全身的にはミコナゾールの点滴静注を, 最大の病巣に対してはアムホテリシンBの経気管支注入 (TBI: Transbronchial Injection) を施行した. 加療25日後の胸部断層写真では, TBIを施行した病巣だけが著明に縮小し, 他の病巣の改善は認められなかった. TBIは, 手技も簡便で侵襲も少なく, 吸入に比べてより確実に高い病巣濃度が得られ, 短期間に効果の判定ができるなどの利点があり, 今後検討する価値のある治療法と考えられた.
  • 島田 馨他
    CHEMOTHERAPY
    1988年 36 巻 Supplement7 号 17-29
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1985年6月に発足したピペラシリン研究会 (座長, 上田泰東京慈恵会医科大学) として, 造血器腫瘍や癌に合併した感染症に対するpiperacillin (PIPC) 治療の実態調査を兼ね, その有効性・安全性についてmulticenter studyによる臨床試験をおこなった。
    1) 造血器悪性腫瘍例ではPIPC単独使用例は少なく, 大多数の症例で併用が行われ, 中でもアミノ配糖体薬との併用が最も多く, 二剤, 三剤併用を含めると56.9%(140/246) であった。癌症例ではPIPC単独使用例が76.0%(24/34) と多かった。
    2) 感染症別の有効率は呼吸器感染症61.0%, 敗血症58.0%, 敗血症疑い50.6%, その他の感染症44.0%であった。全体として314例中53.8%の有効率であった。
    3) 治療前後の顆粒球数の有効率の関係をみると, 治療後の顆粒球数が≦100/mm3では39%, >100~<500/mm3の例では57.4%, ≧500/mm3の例では60.3%の成績を得, 治療終了時の顆粒球数が≦100/mm3の例で有効率が低かった。
  • 金森 平和, 田辺 寿一, 岡本 理英, 田村 智彦, 藤田 浩之, 村田 興, 橋本 佳巳, 府川 仁哉, 原野 浩, 松崎 道男, 本村 茂樹, 毛利 博, 藤沢 信, 加藤 治子, 宮下 裕子, 野口 太平, 小川 浩司, 丸田 壱郎, 児玉 文雄, 大久保 隆男
    臨床血液
    1993年 34 巻 6 号 697-704
    発行日: 1993年
    公開日: 2009/04/25
    ジャーナル 認証あり
    1981年から1990年の間に当科を受診した,65歳未満の初回治療非ホジキンリンパ腫のうち,VEPA療法あるいはACOMEP-BD療法を行った66症例について臨床的検討を行った。年齢は22∼64歳(中央値47.5歳),男性43例,女性23例。臨床病期はI期1例,II期6例,III期27例,IV期32例で,VEPA療法は27例にACOMEP-BD療法は39例に行った。予後因子としてACOMEP-BD療法ではPSおよびLDH値,VEPA療法ではPSおよび骨髄浸潤が重要であった。ACOMEP-BD療法およびVEPA療法における寛解率,再発率,寛解期間,無再発生存率(3年),生存率(4年)はそれぞれ54%, 29%, 2∼34カ月(中央値22カ月),71%, 62%および48%, 77%, 2∼74カ月(中央値16カ月),38%, 26%であった。寛解導入療法として行ったACOMP-BD療法,VEPA療法のreceived dose intensityはそれぞれ0.85, 0.41で,強力な治療法によって再発率は有意に減少したが現在まで生存率に統計学的有意差はみられなかった。
  • 藤井 康彦, 井上 康, 広重 幸雄, 加来 浩平, 兼子 俊男
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1993年 46 巻 3 号 259-268
    発行日: 1993/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    主として造血器悪性腫瘍を基礎疾患に持っ重症感染症で先行抗生剤が無効であった症例を中心として30例に対しImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS, チエナム®) による治療を行い, 臨床効果及び副作用について検討した。
    1. 臨床効果は著効6例, 有効10例, やや有効10例, 無効2例, 不明2例で, 有効率は57.1%であった。
    2. 単独投与例では有効率は33% (1例/3例)で, 併用例では有効率は60% (15例/25例) であった。
    3. 先行剤が無効例での有効率は53.8% (14例/26例) で, 初めからIPM/CSを投与した2例では100%であった。
    4. 投与開始時の好中球数が100/mm3以下の群, 好中球数101~500/mm3の群, 好中球数1,001/mm3以上の群で有効率に有意の差を認めなかった。IPM開始前の好中球数が100/mm3以下の症例中, 投与終了時までに好中球が101/mm3以上に増加した症例のほうが有効率が高い傾向がみられた。
    5. 細菌学的効果としては効果判定対象28症例中20症例において合計23株の菌が分離同定され, 消失率は65.2% (15株/23株) であった。
    6. 血中濃度を2例において測定した。血中半減期はCreatinine clearance低下例で延長した。
    7. 副作用としては2例に悪心嘔吐を認め投与を中止した。1例に痙攀を認めたが, 因果関係は不明であった。又, 軽度の肝障害を2例に, 腎障害を1例に認めた。他の症例では臨床上特に問題とすべき副作用はみられなかった。
    血液疾患に伴う重症感染症において, IPM/CSは先行剤無効例に対しても臨床的効果が高く, 安全性も高いことから, 有用な抗生剤であると考えられた。
  • 小川 浩司, 松崎 道男, 宮下 裕子, 本村 茂樹, 伊藤 章, 大久保 隆男, 丸田 壱郎, 児玉 文雄
    CHEMOTHERAPY
    1987年 35 巻 5 号 398-410
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    白血病治癒の主要薬剤であるDaunorubicin (DNR) の代謝, 分布, 排泄を知るために, 白血病患者にDNR 40 mgを3分間で静注し, 血中濃度 (血漿中, 赤血球中濃度), 尿中排泄を高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いて測定した。 同時に3コンバートメントオープンモデルを用いて血中濃度の薬物動力学的解析を行ない, 以下のような結果を得た。
    1. DNRの血漿中, 赤血球中濃度のピーク値は5分後にあり, 各々228.00±204.00ng/ml, 237.00±111.00ng/gであった。 血中濃度曲線は, α, β, γの3相を呈した。 血漿DNRの半減期は, α相0.0351±0.0157 hr (約2分), β相1.83±2.01 hr, γ相15.8±8.4 hrであった。
    2. DNRの主要代謝物は, Daunorubicinol (DNR-OL) であり, その血漿中, 赤血球中濃度のピーク値は, 96.50±62.90 ng/ml, 205.00±115.00 ng/gであった。 2時間値で, DNRの血漿中濃度は20.00±15.80 ng/ml, DNR-OL 41.40±27.20 ng/mlで, 赤血球中濃度は40.00±19.50 ng/g, 40.20±13.60 ng/gであり, 2時間以後では, DNRよりDNR-OLの濃度が高値となることが示された。
    3. 3コンパートメントオープンモデルの解析結果では, DNRの体循環コンパートメントから組織コンパートメントIIおよびIIIに対する移行速度定数K12, K13は大きく, 逆に組織II, IIIから体循環コンパートメントへの移行速度定数K21, K31は小さく, DNRは速やかに組織に移行し, 組織に高濃度に保持され, 放出は緩やかであることが考えられた。 また, 体循環コンパートメント分布容量V1は, 組織コンパートメント分布容量V2+V3に比べ極めて小さく, 投与されたDNRの多くが組織に分布することが示唆された。
    4. 尿中排泄率は, 24時間においてDNR 6.33±2.93%, DNR-OL 5.30±2.48%で, 総排泄率は, 11.8±5.1%で尿中への排泄は少ないことが示された。
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