高大接続改革において,CBTの導入に向けて議論が進められているが,わが国におけるCBTによる教科・科目型の評価問題の実践事例は非常に少ない。本研究では従来のPBTでは評価が難しい能力を測定することを目標に,実験映像や実験シミュレーションを用いた化学のCBTを試作した。さらにそれらを,タブレット端末を使用する電子問題冊子にし,高校生を対象とした調査を行った。その結果,問題作成において検討を要する課題も明らかになってきた。
本研究ではPBT で評価することが難しい部分に焦点をあて,映像や動的オブジェクトを埋め込 めるというデジタル技術の特性に着目したCBT の問題の開発を進めている。化学実験映像を用いた問題を作成,実施,分析といった一連の作業を行い,化学実験映像による問題の効果を部分的に確認することもできたが,今後,検討を要する課題も具体的に明らかとなった。
昨年3月に,「高大接続システム改革会議」の最終報告が出された。その中で大学入学者選抜改革としていくつかの提言がなされ,「高等学校基礎学力テスト」および「大学入学希望者基礎学力テスト」(現在のセンター試験に代わるもの)の実施が示された。これは高大一体となった大規模な教育改革についての提言であり,今年度の化学教育フォーラムは,そこに焦点を当てて開催された。
昨年に引き続き,化学実験映像や動的オブジェクトによる化学実験シミュレーションを用いた問題の試作を行い, 高校生を対象としたモニター調査を実施した。その結果,シミュレーション問題においては,有意なデータを得られるようにシミュレーションを実行することが解答に有効にはたらく可能性が示唆された。一方で,いずれの問題も依然として難易度が高く,易化に向けた工夫が必要であるという,検討を要する課題も新たに分かってきた。
昨年に引き続き,化学実験映像や動的オブジェクトによる化学実験シミュレーションを用いた問題の試作を行い, 高校生を対象としたモニター調査を実施した。その結果,映像問題においては,従来のPBT ベースでの学力調査では評価することが難しかった,実験経験に基づく観察力・判断力に関して評価できる問題が作成可能であると示唆された。
本報では,タブレット使用型試験開発のため,実験を中心に映像やシミュレーションを用いた問題を試 作し予備調査を実施した。質問紙調査から,映像時間の短縮が必要であることが見いだされた。
昨年に引き続き,タブレット使用型試験開発のため,実験を中心に映像やシミュレーションを用いた問題を作成しモニター調査を実施した。今回の質問紙の結果から,実施に向けての見通しは立ってきたが,対象学校・学年が異なり課題改善の効果が認められずさらなる検討の必要性が示唆された。
高大接続改革において,CBTの導入に向けての議論がなされているが,CBT における特性を活かした 教科・科目ベースの問題がどのようであるべきか,またそれによってどのようなことが評価できるのかについての実証的研究はほとんどなされていない。そこで本研究では,PBTでは評価が難しい能力に焦点をあて,映像や動的オブジェクトを埋め込めるというデジタル技術の特性に着目し,数学と化学の問題を試作した。さらに,それを用いて予備調査を行った結果,問題開発において検討を要する課題が明らかになってきた。
本研究はPBT で評価することが難しい部分に焦点をあて,映像や動的オブジェクトを埋め込め るというデジタル技術の特性に着目して,化学実験映像や実験シミュレーションを用いた問題の試作を行った。さらに,開発した問題を用いて予備調査を実施した。その結果,タブレット端末の特性を活かした問題作成による効果を部分的に確認することもできたが,検討を要する課題も具体的に明らかとなった。
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