透析膜を介する溶質移動は, 拡散とconvectionの両機序により起こるが, 今回, 我々は, 拡散による移動量は透析器全体の平均濃度差に比例し, convectionによる移動量は透析器全体の平均濃度と限外ろ過量に比例すると仮定した近似計算式を考案し, 検討した。即ち, Qbi・Cbi-Qbo・Cbo=hA・△Cbd+Scm・UFR・Cbd
即に我々が報告した詳細な計算法と比較すると, 広い条件範囲では平均濃度差△Cbdに
対数平均
〔L〕を, 平均濃度Cbdに算術平均〔M〕を用いた〔L+M〕法が最も良い一致を示し,hAが小さい時は〔M+M〕法も良い一致を示した。in vitro実際データより, hA, Scmを求める際にも〔L+M〕法は計算が簡単であり, 誤差も小さく, 充分実用になることが判明した。本計算法を用いた検討の結果, S1, S2を定数として, 一次式Cbo=S1・Cbi+S2・Cdiが成り立つことが示された。
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