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クエリ検索: "林克樹"
85件中 1-20の結果を表示しています
  • 倫理学研究
    2017年 47 巻 37-
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 近藤 修啓, 甲野 裕之, 池松 真也, 戸谷 一英, 尾形 慎
    応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
    2021年 11 巻 1 号 50-55
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/06/01
    ジャーナル フリー

    伊藤忠製糖㈱では黒酵母β-グルカンに水熱処理を施すことでその粘度を下げ,素材としてのハンドリングを向上させることに成功した.現在,粉末品の商業ベースでの販売に至っている(商品名:KBG,クルルのβグル).本稿ではKBGの特徴,立体構造,アプリケーション例,機能性について紹介する.立体構造解析ではNMRにてKBG一次構造を解析し,β-(1,3)-主鎖6残基毎に4残基のβ-(1,6)-グルコース残基が規則的に分岐した構造であり,比較的分岐度が高い(67%)ことが明らかとなった.またKBGは水中では三重螺旋構造を,DMSO中ではランダムコイル構造を形成していることを確認し,この構造転移現象はDMSOの濃度依存的に可逆的に起こっていることも明らかとなった.KBGの用途開発の例として酵素分解法によるゲンチオビオースの生産を検討し,最終的に基質重量の40%のゲンチオビオースを得ることができ,さらには活性炭クロマトグラフィーによる高純度分離を可能にした.生理活性試験では,in vitro での試験系においてKBGがLPSによる炎症反応を抑制することを確認し,さらには水熱処理の時間延長よって炎症抑制効果も依存的に増強されることを明らかにした.

  • 坂井 伸朗, 林 克樹, 古場 友貴, 渕 雅子
    日本ロボット学会誌
    2023年 41 巻 4 号 364-371
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル フリー
  • 小林 克樹, 笠原 裕一, 高野 琢, 田口 康二郎, 岩佐 義宏
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.2.3 巻 28aRG-2
    発行日: 2009/08/18
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 笠原 裕一, 小林 克樹, 高野 琢, 田口 康二郎, 岩佐 義宏
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.2.3 巻 28aRG-1
    発行日: 2009/08/18
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 吉岡 英生
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.2.3 巻 27pYC-6
    発行日: 2009/08/18
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 平石 雅俊, 門野 良典, 宮崎 正範, 竹下 聡史, 幸田 章宏, 田口 康二郎, 笠原 裕一, 高野 琢, 岸梅 工, 岩佐 義宏
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.1.3 巻 30pTD-4
    発行日: 2009/03/03
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 岩佐 義宏, 笠原 裕一, 岸梅 工, 高野 琢, 小林 克樹, 田口 康二郎
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.1.3 巻 30pTD-3
    発行日: 2009/03/03
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 笠原 裕一, 岸梅 工, 高野 琢, 小林 克樹, 田口 康二郎, 岩佐 義宏
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.1.3 巻 30pTD-2
    発行日: 2009/03/03
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 黒木 和彦
    日本物理学会講演概要集
    2009年 64.1.3 巻 30pTD-1
    発行日: 2009/03/03
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー
  • *新谷 毅
    日本地球化学会年会要旨集
    2013年 60 巻 1P21
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    代替水源として重要な役割を果たす地下水の保全が必要である。対象地域である宮城県の地下水及び河川水の水質を分析し、無機成分による汚染状況を調べた。また、仙台平野の地下水の水源と涵養域及び流動経路を推定するため、酸素と水素の安定同位体比を分析した。SF6濃度、CFCs濃度を測定し、涵養年代を推定した。以上の結果からトレーサーコンターマップを作成して流動経路を推定した。その結果、津波による水質の影響がみられ、また地下水の涵養域、流動域及び涵養年代が明らかになった。
  • *益田 晴恵, 前田 俊介, 岡林 克樹, 三田村 宗樹, 中屋 眞司, 森川 徳敏
    日本地球化学会年会要旨集
    2011年 58 巻 3A15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    バングラデシュ・ショナルガオのヒ素汚染地下水出現地域の活発な地下水涵養域の地下水の年代測定をヘリウム同位体とCFC類を用いて行った。その結果,もっとも高濃度(1.2mg/L)のヒ素を含む地下水の年代がもっとも若く1980年代前半であった。1970年代より以前に涵養された地下水のヒ素濃度は低い傾向がある。また,高濃度のヒ素汚染地域の地下には,不透水層である粘土層が欠如しており,ヒ素汚染された完新世の帯水層と下位の更新世の帯水層が直接接している。これらの結果から,この地域のヒ素汚染地下水は,更新世の帯水層からの揚水が増加した1980年代以降にほぼ鉛直に浸透した地下水の流動に伴って好気的な環境で発生したものと考えられる。ただし,ヒ素濃度の高い地下水が集中する地区の地下水は,古くてもヒ素濃度が高いことから,ヒ素の溶出には地域的な規制も受けていると判断された。
  • *岡林 克樹, 益田 晴恵, 篠田 圭司, 三田村 宗樹, 前田 俊介, 岡崎 香生里, 下中 智美, 高橋 嘉夫
    日本地球化学会年会要旨集
    2011年 58 巻 3A13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    堆積物に固定されているヒ素の地下水中への溶出過程を追跡するためにヒ素を含む鉱物の特定とヒ素の形態別分析手法の検討を行なった.試料としてヒ素汚染地下水の出現地域であるパキスタン・パンジャブ地方から得られた黄鉄鉱を含まない堆積物を用いた. 堆積物試料をHClとNaOHでpHを段階的に調整した溶液とともに,テフロン遠沈管に入れ,振とうしてヒ素を溶出させた.ろ過した上澄み液をHNO3で酸性に調整した後に,ICP-MSを用いて総ヒ素溶出量を標準添加法で測定した.Hを変えると特定の鉱物に含まれるヒ素を選択的に取り出せると判断した.
  • *益田 晴恵, 松井 敬介, 岡林 克樹, 前田 俊介, 吉岡 秀憲
    日本地球化学会年会要旨集
    2010年 57 巻 1D13 12-13
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/30
    会議録・要旨集 フリー
    大阪府枚方市・交野市・四條畷市の3市で地下水中の水銀の分布を調査した。その結果,環境基準値(0.0005mg/L)を超える水銀を含む井戸は52カ所中の1点のみであったが,検出下限値(0.00005mg/L)を超える井戸は18地点あった。これらの井戸は,活動的な生駒断層系の断層直上か,断層に沿って西側に分布していた。また,断層を横切る側線での土壌ガス中の水銀は,断層近傍で検出された。これらのことから,水銀は断層に沿って地下深部から上昇し,断層あるいは撓曲帯に分布する不圧地下水中に混入していることが疑われる。
  • 武末 卓, 坂井 伸朗, 林 克樹, 深堀 栄一, 澤江 義則, 小野山 薫, 村上 輝夫
    バイオエンジニアリング講演会講演論文集
    2010年 2009.22 巻 0917
    発行日: 2010/01/08
    公開日: 2017/06/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 木下 義博, 宮崎 恭宏, 林 克樹, 渕 雅子, 西並 佳代子, 浅海 岩生
    理学療法学Supplement
    1994年 1994.21.2 巻
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2017/07/24
    会議録・要旨集 フリー
  • 上肢治療用ロボットを用いて
    涌野 広行, 山中 晶子, 松田 貴郁, 古場 友貴, 林 克樹, 小野山 薫, 坂井 伸朗, 村上 輝夫
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P1-A-0227
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年,到達把持動作は上肢の運動だけでなく,肩甲骨,体幹,股関節を含めた協調運動として捉えることが重要であると考えられている。しかし,脳卒中片麻痺患者における到達把持動作時の上肢と肩甲骨,体幹,股関節運動との関連性について分析した研究は少ない。そこで,我々は九州大学と共同で開発をしている上肢治療用ロボット装具を用いた,健常人の到達把持動作の分析結果を基に,今回は脳卒中患者の到達把持動作時の肩甲骨,体幹,股関節運動を測定し,健常人と比較したので報告する。【方法】対象は,本研究への参加に同意した脳卒中患者と健常人,各1名とした。右被殻梗塞を呈した脳卒中患者は上肢到達把持動作と自立独歩を獲得した59歳女性で,発症から70日目と173日目に測定を実施した。測定時の上肢機能は1回目,上肢Fugl-Meyer scale(以下,上肢FMA)50点,簡易上肢機能検査(以下,STEF)87点,2回目,上肢FMA 63点,STEF98点であった。また,健常人は60歳女性を測定した。使用したロボットは,肩関節(屈曲・伸展),肩甲骨上方回旋,体幹(屈曲・伸展,回旋,側屈),股関節(屈曲・伸展)が可能な運動軸を有し,各運動軸にサーボモーター(Maxon社およびYasukawa社)と力センサー(共和)を設置し,上腕には電子式ゴニオメーター(Biometrics社)を取り付け,殿部・足底には床反力計(Nintendo社)を設置した。これらをコンピューター(Interface社)制御により被験者の動きに対し追従制御,重量免荷制御をおこない,到達把持動作時の各関節の運動角度を定量的に測定した。到達把持課題は4.5cmの立方体を,あらかじめセットした身体前方の平面パネル(大腿上面の高さ)上にランダムに33カ所提示し,到達把持動作を実施した。座標は両膝の中心から前方延長軸をY軸,Y軸と垂直に交わる左右空間をX軸とし,膝の5cm前方を中心点(X=0,Y=0)とした(右側,前方をプラス)。目標物の提示位置は-40cm≦X≦10cm,20cm≦Y≦30cmとした。運動開始姿勢は自然座位,左上肢下垂位とした。運動の開始は立方体に埋め込んだLEDライトの光刺激を合図とし,運動終了は加速度センサーにて記録した。目標物へ到達把持した際の各関節角度を抽出し比較した。また,各関節運動間の比較をピアソンの相関にて分析した。【結果】患者の到達把持動作は健常人と比較して,到達把持までの時間が長く,肩甲骨上方回旋が大きく(患者:34.9±3.7°,健常人:11.5±2.7°),体幹屈曲は小さい値を示した(患者:3.1±1.6°,健常人:6.0±5.5°)。また,左側の領域における到達把持では,体幹の左側屈が確認され,健常人と比較してわずかに小さく(患者:3.7±2.4°,健常人:4.0±2.5°),体幹の回旋は健常人よりも右回旋が大きかった(患者:9.8±4.2°,健常人:6.3±1.1°)。2回目の測定では,1回目と比較して体幹の右回旋が17.2±2.2°に増加,左側の領域への到達把持で肩関節屈曲は69.6±8.8°が80.7±13.4°と増加し,肩甲骨上方回旋が24.0±3.4°,股関節屈曲が29.2±4.4°と減少し健常人に近づいた。しかし,2回目の肩甲骨の上方回旋角度は健常人と比較して大きい値であった。また,患者の1回目の測定では肩関節運動と他の関節運動間に0.7以上の高い相関を示したが,2回目の計測では体幹の屈曲のみ相関係数-0.13と相関が認められず,健常人と同様の結果となった。【考察】今回,ロボット装具を用い,回復過程にある脳卒中患者の到達把持動作を測定した。脳卒中患者は回復初期では健常人と比較し到達把持時間が遅延し,肩関節,体幹,股関節運動の協調運動パターンが異なること,回復に伴い健常人に近づくことが確認できた。中でも回復初期では肩甲骨上方回旋,股関節屈曲運動が過剰に大きく,回復後期で軽減することが確認できた。これは代償運動の変化であると考えた。これらのことから到達把持動作における肩甲骨,体幹,股関節との協調した運動の特徴を捉えることができ,その重要性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究は脳卒中患者の到達把持動作時の肩甲骨・体幹・股関節の協調した運動の重要性と臨床の治療の視点を指し示した。また,今後の上肢治療用ロボットの開発と臨床への応用につながる。その為,本研究を通して理学療法においても到達把持動作時の体幹運動制御の検証は新たな知見をもたらすと期待される。
  • ―上肢到達把持動作に伴う肩甲骨・体幹・股関節との関連性について―
    涌野 広行, 山中 晶子, 松田 貴郁, 林 克樹, 小野山 薫, 坂井 伸朗, 村上 輝夫
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 0845
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】脳卒中患者の上肢治療用ロボットの開発において,我々は上肢と体幹の協調した運動制御が重要と考えている。しかし,上肢と体幹の協調した運動制御を有した上肢治療用ロボットの研究・開発は極めて少ない。我々は,これまで単一方向への到達把持動作時の体幹運動の研究を基に,今回,自作したロボット装具を装着し到達が可能であった77カ所の平面空間における到達把持動作時の肩関節,肩甲骨,体幹,股関節の各運動を測定し,被験者間の比較,分析結果から上肢治療用ロボット開発の手がかりが得られたので報告する。【方法】対象は,本研究への参加に同意した健常成人男性A,Bの2名(年齢35歳,38歳)とした。使用したロボット装具は,肩関節(屈曲・伸展),肩甲骨上方回旋,体幹(屈曲・伸展,回旋,側屈),股関節(屈曲・伸展)が可能な運動軸を有し,各運動軸にサーボモーター(Maxon社およびYasukawa社)と力センサー(共和)を設置し,上腕には電子式ゴニオメーター(Biometrics社)を取り付け,殿部・足底には床反力計(Nintendo社)を設置した。これらをコンピューター(Interface社)制御により被験者の動きに対し追従制御,重量免荷制御をおこない,到達把持動作時の各関節の運動角度を定量的に計測した。到達把持課題は4.5cmの立方体を,あらかじめセットした身体前方の平面パネル(大腿上面の高さ)上にランダムに77カ所提示し,到達把持動作を実施した。座標は両膝の中心から前方延長軸をY軸,Y軸と垂直に交わる左右空間をX軸とし,膝の5cm前方を中心点(X=0,Y=0)とした(右側,前方をプラス)。目標物の提示位置は-35cm≦X≦15cm,0cm≦Y≦30cmとした。運動開始姿勢は自然座位,左上肢下垂位とした。運動の開始は立方体に埋め込んだLEDライトの光刺激を合図とし,運動終了は加速度センサーにて記録した。各関節運動間,両被験者間の比較はピアソンの相関を用い分析した。【倫理的配慮,説明と同意】被験者には研究目的,実施時間・内容,リスクとしての身体に加わるモータートルクの安全性について説明し書面にて同意を得た。なお本研究の実施には九州大学大学院及び当院の実験倫理委員会の承認を得た。【結果】両被験者ともに,肩関節屈曲運動に伴いほぼ全領域で計測した全ての関節に協調した運動が確認された。被験者Aの肩関節屈曲との他関節の相関は,肩甲骨:R=0.96±0.05,体幹屈曲:R=0.75±0.18,体幹側屈:R=0.95±0.06,体幹回旋:R=0.79±0.09,股関節屈曲:R=0.88±0.33,被験者Bは肩甲骨:R=0.98±0.01,体幹屈曲:R=0.55±0.30,体幹側屈:R=0.90±0.17,体幹回旋:R=0.96±0.07,股関節屈曲:R=0.99±0.01となり,被験者Bの体幹屈曲を除いて高い相関を示した。また,体幹回旋は到達把持の際に全領域において右回旋運動を示した。体幹側屈は身体正中線より右側で右側屈が,左側で左側屈が確認された。体幹屈曲は目標物の提示位置により屈曲運動のみと動作中に屈曲から伸展に切り替わる二相性を示した。また,両被験者間の各関節運動の比較では,肩関節屈曲,肩甲骨上方回旋,体幹回旋,股関節屈曲において同様の運動パターンを示し相関が高かった(肩関節:R=0.98±0.02,肩甲骨上方回旋:R=0.96±0.07,体幹回旋:R=0.96±0.14,股関節:R=0.99±0.01,体幹側屈:R=0.56±0.71,体幹屈曲R=0.46±0.48)。体幹側屈は-30cm≦X≦0cmの領域で被験者間の運動方向が異なる結果となった。体幹屈曲は全領域において運動パターンに統一性がみられなかった。【考察】身体前方の平面空間への到達把持動作は,肩関節屈曲に伴い肩甲骨上方回旋,体幹屈曲・側屈・回旋,股関節屈曲の協調した運動を伴うことが分かった。また,左上肢による到達把持動作では,体幹の右回旋を伴うことや体幹側屈運動の方向が身体正中線周囲で切り替わることが示唆された。また,両被験者間の比較から目標物の位置が肩関節屈曲,肩甲骨上方回旋,体幹回旋,股関節屈曲を決定していること,体幹屈曲と側屈の運動パターンには個人差があることが示唆された。これは到達把持動作が共通した運動と個人差を伴う体幹の運動パターンが混在しており,個人による身体の特性(身長や四肢長など)や把持様式の違いが体幹の屈曲・側屈運動に影響するのではないかと考える。今後は体幹側屈のように被験者によって運動方向が切り替わる領域や,体幹屈曲運動の役割について検討していく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】到達把持動作時の肩甲骨,体幹,股関節を含めた動作パターンを分析することは,今後の上肢治療用ロボットの開発と臨床への応用につながる。その為,本研究を通しての到達把持動作時の体幹運動制御の検証は理学療法学においても新たな知見をもたらすと期待される。
  • 浅海 岩生, 松林 義人, 佐々木 理恵子, 小川 洋介, 林 克樹, 高野 美智子, 武末 和彦, 井林 雪郎
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 臨床で使用される反応時間測定は、多くがコンピュータ・ディスプレーよりの視覚刺激に対する動作開始時間(以下、視覚RT)を測定するものであるが、振動刺激に対する反応時間(以下、振動RT)を測定した例は少ない。そこでパソコンより振動刺激をコントロールできるWiiリモコン(任天堂社製)を使用し振動RTと従来型の視覚RTが測定可能なシステムを開発しその信頼性を検証すると共に視覚RTとの関連性について検討した。【方法】 今回開発した振動RT測定装置は、振動子と反応応答スイッチはWiiリモコン内のものを利用し作成した。このリモコンはパソコンより独自に開発した制御プログラムで反応時間を測定した。また測定プログラムはコンピュータ・ディスプレー上に表示される直径2cmの白色光点の表示後、素早く応答スイッチを押すまでの時間(視覚RT)も測定可能とした。このプログラムの精度はリモコンのスイッチおよび振動子より電気的変化を導出しA/Dコンバーターを通し別コンピュータで測定し実際の反応時間を導いた。この値と反応時間測定プログラムの算出値との誤差を出し精度を検証した。また振動子の振動特性はデジタル表示式振動計(昭和計測製MODEL1332B)を使用し測定した。さらに振動RTの正常域を調査するため健常者34名(平均28.7±SD7.5歳)により足底の反応時間を測定した。また視覚RT測定も合わせて実施した。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は新潟リハビリテーション大学倫理審査委員会および誠愛リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認を得て行った。被験者に実験内容を十分説明した上で研究参加同意書に署名を頂き実験を実施した。【結果】 (1)振動RT測定機の特性と精度;振動子の特性測定は振動板上に振動計のセンサーを固定し測定した。加速度振動量は10.3m/sec、速度振動量は6.2mm/sec、変位振動量は0.02mmまた周波数は191.4Hzであった。また反応時間の精度は電気的信号より得たものとプログラムにより算出した値との誤差で相関係数を求めると振動刺激で誤差0.38±5.5msec(n=94)、相関係数r=0.996(p<0.01)、視覚刺激で誤差0.39±6.5msec(n=98)、r=0.995(p<0.01)であった。(2)反応時間の正常域と特性;利き足振動RTは317±37msec、非利き足は314±32msec、視覚RTは278±24msecであった。また利き足と非利き足の振動RT間に有意差は認められなかったが(p=0.334)、視覚RTは振動RTに比較し小さかった(p<0.01)。また各変量の相関を分析すると年齢と両反応時間とも相関を示さなかった。また利き足・非利き足間ではr=0.83(p<0.01)と強い相関を示した。視覚刺激と非利き足の振動RTではr=0.34(p<0.05)とごく弱い相関を認めたが利き足では相関はなかった。【考察】 今回開発した振動刺激による反応時間測定装置は、安定した出力が得られ測定精度も誤差0.38±5.5msecと過去我々が研究してきた視覚RTと殆ど変りない誤差を示したことより充分使用できるものと思われる。また健常被験者の振動RTでは利き足と非利き足では差は認められなかった。これは反応の求心路と処理系に左右差がないことを示す。また今回は反応スイッチを利き手のみで操作したのでさらに差が出にくかったと考えられる。視覚RTが振動RTより小さかった理由に関しては、一般的には体性感覚刺激の反応速度の方が視覚刺激より速いと言われているが、本実験では振動RTの求心路は足底より脳までと長いため視覚RTと差が出たものと考えられた。相関分析で年齢とRTとの間に相関を示さなかったのは本測定では年齢層が20~30歳代が中心であり年齢層の偏りがあったためと思われた。振動RTが利き足・非利き足間で強い相関を示したものの、視覚RTと振動RTでは相関が少なかったことは、前者については両足の反応時間に差がなかったことより個々の被験者の情報処理速度が反映したもので、後者については刺激の種類により個体内でも処理時間にばらつきがあることを示すものと考えられた。【理学療法学研究としての意義】 今回の研究は振動RTを測定する装置を開発し、その信頼性を機械面と従来用いてきた視覚RTとの間で比較検討した。立位歩行においては、視覚よりのフィードバク制御と共に体性感覚よりの情報も重要となってくる。その中で皮膚からの情報の変化を捉え運動に至る速度を評価することも重要と考え本装置の開発に至った。本研究では装置の信頼性を検証し視覚RTと同様に使用できることが確認できた。
  • ―空間的到達把持動作が体幹制御に及ぼす影響―
    涌野 広行, 安谷屋 晶子, 林 克樹, 小野山 薫, 坂井 伸朗, 村上 輝夫
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 脳卒中患者の上肢と手の機能回復の要望は高い。我々は上肢の様々な空間での到達把持動作には、体幹と上肢の協調した機能が重要であると考えている。しかし、上肢と体幹の協調制御を伴ったロボット研究は極めて少ない。そこで我々は平成17年より九州大学大学院と協同で肩甲骨・体幹の制御を伴った上肢治療用ロボットの開発をおこない、到達把持動作時の体幹制御について本学会で報告してきた。今回は、垂直空間における到達把持動作と体幹制御の関連性についてモーター、力センサー、床反力計を設置したロボット装具を用い分析をおこなったので報告する。【方法】 対象は、本研究参加に同意した健常成人男性1名(年齢36歳)。測定は、自作した肩甲骨機構・体幹ロボット装具と殿部・足底に床反力計(Nintendo社)を設置した台に座り実施した。肩甲骨機構・体幹ロボット装具は肩甲骨運動、体幹運動(屈曲・伸展、回旋、側屈)、股関節運動(屈曲・伸展)が可能な構造で、各運動軸にサーボモーター(Maxon社およびYasukawa社)と力センサー(共和)を、上腕と肩甲骨機構に電子式ゴニオメーター(Biometrics社)を取り付けておこなった。これらをコンピューター(Interface社)により被験者の動きへの追従制御、重量免荷制御をおこない、到達把持動作時の各関節の運動角度を定量的に計測した。関節角度は装置装着での自然座位、左上肢下垂位を0°とした。目標物の配置は身体部位を基準とし、膝より前方22.5cmの垂直平面上で、縦軸は自己身体の中心軸(Center axis:以下CEN)、CENより左側へ25cmの軸(以下L25)、左側へ50cmの軸(以下L50)、右側へ25cmの軸(以下R25)とした。横軸は、肩峰の高さ104.5cm(以下SHO)を中心とし、SHOより上方20cm(以下U20)、下方35cm(以下D35)、下方55cm(以下D55)の計16箇所とした。運動課題は、目標物(直径7cmのボール)への到達把持動作とし、左上肢下垂位から目標物を把持するまでの動作をおこなった。目標物にはLEDライトを埋め込み、光刺激を合図に動作を開始し、動作中の関節角度、殿部・足底の床反力・COPの計測し、運動方向の違いが体幹運動に及ぼす影響を分析した。【倫理的配慮、説明と同意】 被験者には研究目的と内容・リスク面を説明し同意を得た。リスク面は短時間の実施時間とし、モータートルクは健常者の筋力を大きく下回る値に設定。リスク回避は実験者の任意で停止が可能とした。なお本研究を実施には九州大学大学院の実験倫理委員会の承認を得た。【結果】 配置された16箇所全ての目標物への到達把持動作が可能であった。体幹側屈は高さによる違いは小さいものの、左右空間の違いが角度に及ぼす影響が大きかった(L50:-5.9°、L25:-2°、CEN:1.2°、R25:7.2°)。特にR25への到達把持、L50、L25のD35、D55への到達把持動作時の運動が大きかった。体幹回旋も側屈と類似しており左右空間の違いが影響を及ぼし、左側が軽度左側屈、右側に向かって右回旋の角度が大きくなった。特にR25への動作時に角度が大きかった(L50:-2.4°、L25:2°、CEN:6.8°、R25:17.2°)。体幹の屈曲・伸展は、上下空間の位置の違いが影響を及ぼした(U20が-4.7°、SHOが-0.6、D35が6.7°、D55が14.8°)。肩甲骨及び肩関節は上下空間の違いの影響が大きく、U20(肩甲骨29.2°、肩関節120.3°)で最も大きく、次いで、SHO、D55、D35の順であった。股関節の屈曲は上下空間においてはD55が19.8°、U20が15.2°と大きく、左右空間においてはR25が17°、L50が16.2°と大きかった。COPは到達把持動作と協調して前方へ移動したが、殿部でD55を除くCEN、L25のU20、L50のU20、足底でL25のD55、L50のD55が目標物とは反対側へ移動した。【考察】 体幹の側屈・回旋は左右空間、特に右側への到達把持動作において運動範囲が大きかったが、上下空間での違いはほとんどみられなかった。また、肩甲骨、肩関節、体幹屈曲・伸展は上下空間の違いにておいて運動範囲に影響があった。股関節の運動においては、上下・左右空間の両方の影響があると考えられる。今回、平面空間における目標物の位置の違いにより異なった体幹制御が必要性であることが示唆された。また、体幹運動に伴ったCOPの軌跡が確認できたが、目標物とは反対側へ移動することもありさらなる分析が必要である。今後は立体空間における研究も進めていきたい。【理学療法学研究としての意義】 肩甲骨、体幹と股関節の制御が可能な上肢機能回復のためのロボット開発は、世界に類を見ないものである。本ロボットは、肩甲骨・体幹の様々な運動制御に加え床反力の計測が同時に可能であり、全身の協調した運動を分析することが可能である。また、本研究のような能動的な運動制御の検証は装着型ロボットによって初めて検討できる試みであり、理学療法学的にも新たな知見を与えることが期待される。
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