1. アコヤガイの濾過水量をキモグラフ上に描写させ, その週期性を調べた (図1, 2)。
2. 実験中の水温差が4℃以上の場合および同1個体を4日以上使用した場合の実験結果は異常なものと考えて除外し, それ以外の実験結果を検討した。
3. アコヤガイの濾過水量は日没後多くなり, 前半夜, 特に18-21時頃最大に達し, 後半夜次第に減少する (図2, 3, 表1)。
4. 濾過水量は昼間に減少する。 しかし, 最小となる時刻は一定せず, これはアコヤガイの閉殻時刻および閉殻持続時間が一定しないことに起因すると考えられる (図3, 4, 表1)。
5. 濾過水量の日週性は, 潮の干満や水温・比重などの日変化とは無関係であり, 日週現象を引き起す最重要環境要因は光であると思われる。
6. 濾過水量の日週性は, 水温・比重などの環境要因の激変や貝の衰弱によってくずされ, これらは真珠の形成にも同様に悪影響を与えるものと考えられる。
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