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クエリ検索: "江藤誠一"
62件中 1-20の結果を表示しています
  • 小林 亜也子, 岸野 真衣子, 久礼 里江, 日向 有紀子, 山本 浩隆, 中村 真一, 徳重 克年
    Progress of Digestive Endoscopy
    2017年 91 巻 1 号 140-141
    発行日: 2017/12/08
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー

    A 52-year-old woman was diagnosed with esophageal perforation, sepsis and infective endocarditis (IE) , and she was hospitalized for more than half a year. As oral ingestion proved difficult, intestinal nutrition via naso-gastric tube was initiated. Two days later, she developed hematemesis. Esophagogastroendoscopy revealed mucosal congestion, edema and multiple erosive lesions in the posterior gastric wall. Gas in the gastric wall and wall thickening, accompanied by hepatic portal venous gas, were demonstrated by enhanced CT scan. Based on these findings, the patient was diagnosed with emphysematous gastritis with hepatic portal venous gas. E.coli, gas-producing bacteria, developed in the patient’s gastric juice. It was thought that mucosal damage was caused by the tube. Her clinical symptoms improved with the administration of antibiotics.
    Gastric tube placement is one of the risks of emphysematous gastritis, and early diagnosis and treatment appear to be crucial when this disease is suspected.

  • 江藤 誠一郎, 藤岡 秀一, 諏訪 勝仁, 岡本 友好, 矢永 勝彦
    日本外科系連合学会誌
    2017年 42 巻 2 号 203-206
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル フリー

    症例は30歳,女性.増悪する間欠的右下腹部痛と嘔気を主訴に来院した.来院時理学所見では右下腹部に腫瘤を触知し,同部の著明な圧痛と筋性防御を認めた.腹部造影CT検査では上行結腸内に回盲部が重積している所見を認め,成人腸重積の診断で緊急手術を施行した.開腹時,重積は解除されており,重積の先進部となるような明らかな器質的病変は認めず,可動性に富んだ移動盲腸が起因となった特発性腸重積と考えられた.成人腸重積の中で特発性腸重積は稀であるため,文献的考察を加えて報告する.

  • 江藤 誠一郎, 小村 伸朗, 島田 哲也, 瀧島 輝幸, 竹内 秀之, 松本 倫, 平林 剛, 河原 秀次郎
    日本外科系連合学会誌
    2021年 46 巻 4 号 483-488
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    血便に伴う出血性ショックを契機に発見されて腹腔鏡下手術にて切除し,診断された直腸神経内分泌癌の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は71歳,男性.血便に伴う出血性ショックの病態で当院へ救急搬送となった.直腸RSに20mm大の2型腫瘤を認め,活動性出血を伴う露出血管を認めた.内視鏡下に止血後,待機的に手術施行した.腹腔鏡下高位前方切除術,2群リンパ節郭清を施行した.術後経過良好で術後第14病日に退院となった.病理学的診断として直腸神経内分泌癌pT2N2aM0 fStage ⅢBと診断されたが,患者背景を考慮した上で術後補助療法は施行しない方針となった.術後9カ月の時点で多発肺転移,左内腸骨リンパ節転移を認めたため,在宅緩和医療の方針となった.術後11カ月現在も在宅緩和医療継続中である.

  • 江藤 誠一郎, 藤原 佑樹, 野秋 朗多, 中林 幸夫, 矢永 勝彦
    日本外科系連合学会誌
    2017年 42 巻 5 号 868-873
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/30
    ジャーナル フリー

    症例は40歳代,男性.摂食時のつかえ感,左腹部のしこりを主訴に当院を受診した.造影CTでは左上腹部に8cm大の腫瘤を認め,腫瘤は小腸壁に連続して造影効果を伴っていた.消化管造影検査では小腸内粘膜内病変は認めなかった.壁外発育性GISTの疑いにて診断・加療目的に手術の方針となり,腫瘤摘出術を施行した.病理組織学検査では境界明瞭,紡錘形細胞の束状増殖,拡張血管のstaghorn状の形態が認められ,免疫染色ではc-kit(-),CD34+,S100(-),Desmin(-)であった.形態および免疫染色からGISTには合致せず,solitary fibrous tumor(孤立性線維性腫瘍:以下SFT)と診断された.術後第4病日に軽快退院となり,術後1年9カ月現在,再発所見はない.SFTは大部分が胸膜に発生し,胸膜外発生は稀である.治療は外科的切除が第一選択であり,SFTの12~37%が悪性,また良性でも再発した症例が報告されており,完全切除となるように注意が必要である.今回,術前画像にて壁外発育性GISTと鑑別が困難であった腸間膜原発SFTの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

  • 和田 豊人 他
    青森市民病院医誌
    2019年 22 巻 19-
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/07
    ジャーナル フリー
     症例は、70代男性。冠動脈バイパス術後、摂取不良となり、胃管挿入されていた。挿入された胃管より血液が出てきたとのことで紹介。CTで気腫性胃炎の診断。致命的疾患であったが、胃管を抜去、抗菌薬を投与し、保存的に軽快した。
  • 江藤 誠一郎, 小村 伸朗, 瀧島 輝幸, 竹内 秀之, 松本 倫, 平林 剛, 河原 秀次郎
    日本外科系連合学会誌
    2021年 46 巻 4 号 470-475
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    症例は18歳,女性.腹痛,嘔気,嘔吐を主訴に前医を受診し,小腸イレウスの疑いで当院へ転院搬送となった.腹部造影CT検査で,遠位回腸に腸管重積所見を認め,小腸ポリープなどの器質的疾患に伴う小腸腸重積の診断のもと,同日緊急手術の方針となった.術中所見にて回腸末端から160cm口側腸管に約30cmにわたる腸管重積を認めた.腹腔鏡補助下での重積解除後に小腸部分切除を施行した.摘出検体の病理組織像もあわせて最終的にPeutz-Jeghers症候群と診断した.今回,われわれはPeutz-Jeghers型ポリープによる腸重積に対し腹腔鏡補助下手術を施行した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

  • 江藤 誠一郎, 小村 伸朗, 河原 秀次郎, 松本 倫, 平林 剛, 矢永 勝彦
    日本外科系連合学会誌
    2019年 44 巻 5 号 1021-1027
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    腹腔鏡下手術にて良好な治療結果が得られた横行結腸脱出を伴うupside-down stomachに対する腹腔鏡下手術例を経験したので報告する.症例は72歳の女性,身長150cm,体重52kg,BMI 23.1kg/m2.既往歴に腰椎圧迫骨折がある.白内障の手術目的に胸部レントゲンを撮影したところ,縦隔内に胃泡を認め,食道裂孔ヘルニア疑いにて消化器内科へ紹介となった.胸腹部CT検査では,全胃と横行結腸の一部の縦隔内脱出を認めた.上部消化管エックス線造影検査では,食道は左側へ大きく変位し,長軸捻転を伴うupside-down stomachの所見であった.上部消化管内視鏡検査ではびらん性食道炎は認めなかった.食道裂孔ヘルニアや胃食道逆流症に伴う症状はほとんど呈さなかったものの,絞扼,出血,穿孔などのリスクを考慮し手術適応と判断した.手術は腹腔鏡下にアプローチし胃と横行結腸を腹腔内に還納後,食道裂孔ヘルニア修復術ならびにToupet法による胃食道逆流防止手術を併施した.食道裂孔は著明に開大していたため,裂孔縫縮後にメッシュによる裂孔補強を追加した.手術時間は217分,術中合併症なく出血量も少量で輸血は施行しなかった.術後経過は良好で,術後第2病日より食事を開始し,第7病日に軽快退院となった.術後3カ月目に施行した上部消化管エックス線造影検査では,食道裂孔ヘルニアは修復され再発を認めなかった.また食道から胃への造影剤の流出も良好で,つかえ感などの症状もなかった.

  • 堀江 博司, 西原 政好, 松村 敏信
    日本腹部救急医学会雑誌
    2020年 40 巻 7 号 845-848
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2021/05/31
    ジャーナル フリー

    症例は77歳,女性。糖尿病,自己免疫性肝炎が既往にありプレドニゾロン5mg内服中であった。クモ膜下出血に対してコイル塞栓術が施行され,当院脳神経外科に入院となっていた。経管栄養が開始された6日後,発熱,嘔吐,心窩部痛が出現し腹部CTを施行したところ,胃壁内気腫を認め,気腫性胃炎と診断した。緊急上部消化管内視鏡検査を施行し,胃体部から前庭部にかけて一部壊死を伴う高度の粘膜障害を認めた。緊急手術を施行したが,胃壁の全層壊死を認めなかったため胃切除は施行せず,胃瘻を造設のうえ,広域抗菌薬を中心とした内科的治療の方針とした。その後全身状態は安定し退院となった。術中所見で胃切除不要と判断し内科的治療が奏効した気腫性胃炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

  • 仲野 宏, 遠藤 英成, 松石 彬, 金澤 匡司
    日本農村医学会雑誌
    2022年 71 巻 4 号 332-336
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/16
    ジャーナル フリー
     症例は85歳女性。嘔気,腹痛を主訴に近医を受診し,症状が強く精査加療目的に当院へ搬送された。上腹部に強い圧痛があり,胸腹部CT検査で縦隔内に胃と横行結腸が脱出しており,複合型(Ⅳ型)食道裂孔ヘルニアと診断した。横行結腸に急峻な狭窄と壁の造影効果不良があり,ヘルニア嚢内,骨盤底に腹水を認めたため,絞扼による虚血,壊死を疑い緊急開腹手術を施行した。食道裂孔に嵌頓した胃と横行結腸を腹腔内に還納したところ,横行結腸は40cm長に渡り壊死しており,切除・吻合した。食道裂孔の縫縮を施行したのちに,逆流防止・噴門形成術としてToupet法も併施した。術後に逆流や通過障害は認めず術後63日目に退院した。現在外来通院中であるが食道裂孔ヘルニアの再発なく経過している。
     複合型食道裂孔ヘルニアで腸管壊死を来した症例は稀であり,文献的考察を加えて報告する。
  • 岩下 幸平, 山本 訓史, 茂内 康友
    日本外科系連合学会誌
    2022年 47 巻 5 号 643-647
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル フリー

    症例は79歳,女性.2日間,継続する下血を主訴に来院した.来院時,患者の拒否で造影の同意が得られず,腹部単純CTのみ施行した.骨盤内に10cm大の腫瘤性病変を認めたが,卵巣腫瘍の診断であった.下部消化管内視鏡検査にて活動性出血は認めなかったが,上行結腸に憩室と同部位に付着する血餅を認めたため上行結腸憩室出血の診断で絶食保存加療開始となった.しかしその後下血を繰り返し,第16病日に大量下血を契機に出血性ショックとなった.出血源同定のため,同日緊急血管造影検査を施行すると,小腸枝から栄養される骨盤内の類円形濃染像を認め,小腸腫瘍の疑いで緊急開腹手術を施行した.開腹すると,小腸に12×10cmの壁外性発育型腫瘍を認め,小腸部分切除を施行した.病理組織所見ではhigh risk groupのGISTと診断した.術後4年の現在,再発なく経過している.

  • 松下 公治, 多賀谷 信美, 鈴木 淳平, 吉村 雪野, 鈴木 淳一
    日本腹部救急医学会雑誌
    2020年 40 巻 3 号 495-498
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/10/08
    ジャーナル フリー

    症例は18歳,女性。来院前日から右下腹部痛が増悪し受診した。腹膜刺激症状があり,腹部CT検査で回盲部の腸重積と診断し,緊急手術を施行した。腹腔鏡下に観察すると,回腸,盲腸,虫垂が上行結腸に重積しており,Hutchinson手技で整復した。術中所見では,明らかな腫瘍性病変はなく,移動盲腸による腸重積と診断した。原因先進部がなく,腸管虚血所見も認めなかったため,腸管切除は行わず盲腸固定術を行った。その後症状の再燃はなく,大腸内視鏡検査や腹部CT検査で異常所見は認めなかった。術後10ヵ月が経過し,再発はない。成人腸重積は腫瘍などの器質的疾患が原因であることが多く,腸管を切除するのが一般的である。今回われわれは成人腸重積に対して腹腔鏡下に整復し,その原因が移動盲腸と判明したことで,より低侵襲な盲腸固定術で治癒し得た1例を経験したので報告する。

  • 日本臨床外科学会雑誌
    2016年 77 巻 5 号 1277-1280
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー
  • 桒田 亜希, 内藤 浩之, 平野 利典, 海氣 勇気
    日本腹部救急医学会雑誌
    2017年 37 巻 3 号 511-514
    発行日: 2017/03/31
    公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    患者は83歳,男性。朝,下痢あり。夕方になり激しい嘔吐が出現した。改善しないため救急要請し当院に搬送された。CTで胃壁内気腫,門脈内ガスを認めた。腹膜刺激症状なく,全身状態は安定していたため,同日入院とし保存的治療を施行した。翌日のCTでは胃壁内気腫および門脈ガスは消失した。上部消化管内視鏡で胃大弯に発赤,白苔の付着を認めた。胃粘膜培養は陰性であった。経過は良好で,第5病日より食事を開始し,第10病日に退院となった。今回われわれは保存的治療で軽快した門脈ガス血症を伴う胃壁内気腫の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する。

  • 中村 学, 石坂 克彦
    日本腹部救急医学会雑誌
    2019年 39 巻 7 号 1255-1258
    発行日: 2019/11/30
    公開日: 2020/08/29
    ジャーナル フリー

    既往に認知症を認める91歳女性が,嘔吐と腹痛を主訴に救急搬送された。バイタルサインは安定し,腹部診察と血液検査では重篤な腹腔内感染症を示唆する所見に乏しかった。腹部CTでは著明な門脈内ガスを認め,胃から十二指腸下行部および近位空腸には泡状壁内気腫像を認めた。CTでは気腫性胃炎に特徴的な気泡像を認めたが,臨床所見から嘔吐に伴う胃壁内気腫症を疑い抗生剤投与による保存的治療を開始した。翌日の腹部CTでは門脈内および腸管壁ガス像の改善と同腸管の壁肥厚を認めた。入院時の血性胃液の培養では,数種類のガス産生腸内菌が検出された。細菌検査や第7病日の上部消化管内視鏡検査の所見および家人の情報から,最終的に認知症に伴う不潔行動を起因とする気腫性胃炎と診断した。保存的治療で症状は改善した。自験例は,気腫性胃炎の起炎菌であるガス産生菌の感染経路において興味ある症例と考えられた。

  • 大津 宏康, 見掛 信一郎, 井尻 裕二, 坂井 一雄
    建設マネジメント研究論文集
    2006年 13 巻 101-114
    発行日: 2006/12/05
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    亀裂性岩盤中でのトンネル掘削においては, 断層破砕帯等の不良地山の出現や突発湧水の発生等により, 多大なコストオーバーランおよび, 長期にわたる工期延長を余儀なくされた事例が数多く報告されている. そのため本研究では, 筆者らがこれまでに示してきた地盤統計学を用いて推定する掘削コストに, 破砕帯の出現あるいは突発湧水等の発生に対する対策工の施工に要するコストを加えた建設コストを推定する手法を提案することを目的とする. 建設コスト評価手法においては, 金融工学分野で用いられるリスクという概念を導入し, リスクカーブや, バリューアットリスクといった評価手法を用いる. 具体的には, 健岩部については岩盤等級分類に基づいて, 支保工を選択し掘削コストを算出する手法をとる. 対策工の施工を要する破砕帯の出現あるいは突発湧水等が発生する可能性の評価については, 不連続性亀裂岩盤における地下水解析に用いられる亀裂ネットワークモデルを適用する. さらに建設コスト評価手法を, 実際の岩盤データを用いて検証し, 掘削コストおよび対策工の施工コストからなるトンネル建設コストの評価結果について示した.
  • 大熊 誠尚, 小菅 誠, 高田 直樹, 山澤 海人, 岡本 敦子, 中野 貴文, 今泉 佑太, 江藤 誠一郎, 菅野 宏, 武田 泰裕, 衛藤 謙
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2022年 75 巻 8 号 403-408
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/28
    ジャーナル フリー

    症例は70歳代,男性.既往歴に2型糖尿病,左脳梗塞,高血圧症,脂質異常症があり前医通院中に血便を認めた.下部消化管内視鏡検査にて,直腸S状部癌と診断された.術前精査目的で施行したCT検査で腹部大動脈の閉塞を認めたことからLeriche症候群と診断され,精査加療目的で当院紹介となった.

    当院にて行った精査にて骨盤内臓器や下肢にsystemic-systemic pathwayやvisceral-visceral pathwayと呼ばれる腹壁や体幹の側副血行路を介した血流を認めた.これらの側副血行路を損傷した際には腸管虚血や下肢虚血といった重大な術後合併症が起こることが予想された.今回,われわれは術前,術中に詳細な血流評価を行うことで,側副血行路を損傷することなく直腸S状部癌に対して安全に腹腔鏡下Hartmann手術を施行可能であったので文献的考察を加え報告する.

  • 關口 奈緒子, 上田 正射, 太田 勝也, 谷田 司, 池永 雅一, 山田 晃正
    日本臨床外科学会雑誌
    2020年 81 巻 12 号 2494-2499
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor; 以下 SFT)は比較的まれな疾患であり,主に胸膜より発生する.近年,胸膜外発生SFTの報告が散見され,直腸間膜原発のSFTはまれである.今回われわれは,完全切除しえた直腸間膜原発SFTを経験したので報告する.症例は64歳,男性.胃癌術後経過観察目的に施行されたCTで,直腸間膜内に30mm大の造影される表面平滑な腫瘍を認めた.下部消化管内視鏡検査で同部位に粘膜病変は認めず,同時に切除したS状結腸病変がSM浸潤癌であったために追加切除の方針とし,直腸間膜内腫瘤を含めて切除することとした.腹腔鏡下で観察すると境界明瞭な白色結節を直腸間膜内に認め,腫瘍摘出を施行した.続いて,S状結腸切除術を施行した.病理組織学的所見では硝子化を伴った膠原線維の豊富な間質内に核異型の乏しい紡錘形の腫瘍細胞が増生しており,CD34(+)/c-kit(-)/STAT6(+)であり,孤立性線維性腫瘍と診断した.術後4年現在,無再発生存中である.

  • 仕垣 隆浩, 赤木 由人, 大地 貴史, 高橋 宏樹, 白土 一太郎, 田中 裕穂
    日本臨床外科学会雑誌
    2017年 78 巻 10 号 2277-2283
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/30
    ジャーナル フリー
    S状結腸軸捻に続発した門脈ガス血症を伴う胃壁内気腫症となった症例を経験した.
    症例は84歳の男性で,主訴は腹痛・嘔吐・腹部膨満感である.腹部CTで胃は著明に拡張し,胃壁内と門脈本幹に少量のガス像を認めた.また,S状結腸の拡張とその周囲脂肪織混濁も認めた.上部消化管内視鏡検査で胃体上部大弯側から後壁にかけて粘膜のびらんを認めた.
    胃壁内気腫症による胃壊死とS状結腸炎と診断し,緊急開腹手術を施行した.開腹所見では胃壊死はなく,S状結腸軸捻による腸管壊死を認めた.Hartmann手術を行い,胃壁内気腫像,門脈ガス血症は第4病日に消失し,胃壁のびらんは第22病日の上部消化管内視鏡検査で改善傾向であった.
    消化管の壁内気腫は消化管壊死を示唆する重要な所見であり,緊急手術を要する場合がある.自験例は,S状結腸軸捻による腸管壊死とそれに伴う麻痺性イレウスが原因で胃壁内気腫と門脈ガス血症を発症したと考えられる.
  • 林 秀行, 大平 正典, 鳥海 史樹, 遠藤 髙志, 原田 裕久
    日本臨床外科学会雑誌
    2022年 83 巻 2 号 358-364
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    症例は66歳,男性.2014年に血尿精査目的に他院で施行したCTで,偶発的に250mm径の巨大腹腔内腫瘍を指摘された.2015年に開腹腫瘍切除術を施行し,術中所見にてS状結腸間膜原発と診断した.病理検査にて腫瘍は紡錘形細胞で構成され,免疫染色ではCD34およびSTAT6が陽性であったため,胸膜外孤立性線維性腫瘍と診断した.再発高リスクと判断し,長期外来フォローを継続していたところ,2021年に腹部超音波検査で肝S6に42×38mmの高エコー腫瘤を認めた.胸膜外孤立性線維性腫瘍の術後再発が疑われ,同年肝亜区域切除術を施行した.免疫染色でCD34およびSTAT6陽性であり,胸膜外孤立性線維性腫瘍の再発と診断した.胸膜外孤立性線維性腫瘍は比較的稀な疾患であり,さらに異時性に肝転移再発した報告は少ない.巨大腫瘍で再発リスクが高いと判断し長期経過観察が奏効した1例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 瀧島 輝幸, 江藤 誠一郎, 竹内 秀之, 松本 倫, 平林 剛, 河原 秀次郎, 小村 伸朗
    日本外科系連合学会誌
    2021年 46 巻 6 号 662-668
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/12/31
    ジャーナル フリー

    術前に卵巣腫瘍と鑑別が困難であった小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)の手術症例を経験したので報告する.症例は67歳の女性.健診にて貧血を指摘され,近医で上下部消化管内視鏡検査を施行するも,異常所見なく,婦人科疾患の精査目的に当院産婦人科を紹介受診となった.骨盤部造影CT検査にて右卵巣に一致して内部造影不良域を伴う長径51mmの境界明瞭な腫瘤を認め,骨盤部造影MRI検査では子宮右側に53×38×48mm大の内部非造影領域と辺縁造影効果を伴う腫瘤を認めた.右卵巣腫瘍の診断で開腹子宮全摘,両側付属器切除術の予定となったが,開腹所見にて腫瘍は子宮や両側付属器と連続しておらず,小腸原発腫瘍と判明したため,術中に当科紹介となった.腫瘍の肉眼所見は壁外発育性のGIST様で小腸リンパ節の明らかな腫大を認めなかったため,小腸部分切除術を施行した.手術時間は1時間54分,出血は少量であった.術後経過は良好で術後第7病日に軽快退院となった.骨盤内に落ち込んだ小腸原発性腫瘍と卵巣腫瘍などの婦人科系腫瘍性疾患は鑑別が難しく,今回術前卵巣腫瘍と鑑別困難であった小腸GISTの手術症例を経験したため,文献的考察を交えて報告する.

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