NADP依存性Isocitrate Dehydrogenase (ICDH) の等電点を異にする2つのIsozymeの構造と生理的機能の関係を解析する目的で, Cytosol由来の等電点の低いICDHを牛耳下腺から単離し, その
活性部位
を構成しているアミノ酸残基について検討した。アミノ酸残基の修飾は, Methylene blue (M. B) を増感剤とした光酸化と, Muhlrad9) らその他の方法に準じた, Diethylpyrocarbonate (DEPC) によるAcyl化の方法を使って測定した。その結果, 1) M. Bに よる光酸化では, His. 残基のpH依存性パターンと類似性を示した。2) DEPCでAcyl化されたHis. 残基は, ICDH1分子当り4ケ, 光酸化で失活したICDHでは2ケだけであった。3) NADPは, 光酸化, DEPC処理, 何れの場合にもICDH活性をprotectするが, 基質ではその効果が認められなかった。以上のことから, このICDHの
活性部位
としてNADPを結合する部位は, 基質結合部位とは別の所に位置し, 活性発現に必須のものとして, 1分子当り, 少なくとも2ケのHis.残基を含んでいると考えられる。
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