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クエリ検索: "海岸侵食"
1,999件中 1-20の結果を表示しています
  • 土屋 義人
    土木学会論文集
    1987年 1987 巻 387 号 11-23
    発行日: 1987/11/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 山本 吉道, Uba SIRIKAEW, Kornvisith SILAROM
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2016年 72 巻 2 号 I_73-I_78
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/08/30
    ジャーナル フリー
     タイ国では,炭材確保のために自然の消波施設であるとマングローブ林を伐採したことによる
    海岸侵食
    が問題になっていたが,20世紀後半の経済成長に伴う開発行為によって,養殖場確保のためのマングローブ林伐採に加えて,日本と同様な原因による
    海岸侵食
    が無視出来なくなってきた.Khlong Wan海岸では,先進国で多発した防波堤設置による
    海岸侵食
    を避けるために,桟橋形式による沖出し漁港を二か所に建設したが,中途半端に増設してしまった突堤と巨大離岸堤によって,それらの中間地にあるリゾート地で顕著な
    海岸侵食
    が発生した.本研究では,この
    海岸侵食
    機構を再現して,海岸汀線の将来予測を行い,最も危険な箇所の海岸保全施設改良を
    海岸侵食
    と越波の防止の観点から検討し,養浜案が最良であることを明らかにする.
  • 芝野 照夫, 土屋 義人, 須山 洋
    日本土木史研究発表会論文集
    1989年 9 巻 263-270
    発行日: 1989/06/20
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    富山県東部に位置する下新川海岸は、日本でも有数の
    海岸侵食
    の激しいところである。この海岸は黒部川の流送土砂によって形成された扇状地海岸であって、地質時代から現在までの海水準の変動と関連して形成されてきたものである。本論文では、海岸の変形について長期的および短期的な二つのタイムスケールの観点から明らかにする。前者において扇状地形成当時の海岸線の複原と侵食および歴史時代における耕地や住宅地の決壊について述べるが、扇状地形成当時には黒部川の主流路の河口は下新川海岸の東側にあり、扇状地は拡大・発達の時期であった。しかし、主流路が現在の位置に移動すると海岸への漂砂の供給が断たれるとともに扇状地の縮小期に入り、
    海岸侵食
    が生じるようになってきた。この結果、耕地や住宅地の決壊など大きな被害を受け、この事実は口碑伝説として沿岸部に数多く伝えられている。
    海岸侵食
    に伴って、その防止対策として各種の海岸構造物が築造されてきているが、その構造物の種類と築造の変遷および海岸線の変化について明らかにしたものである。
  • *平井 幸弘, グエン フー グー, グエン フック ホア, グエン チー ラン フオン, レ ゴック フオン クイ
    日本地理学会発表要旨集
    2014年 2014s 巻 620
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/31
    会議録・要旨集 フリー
    1.  はじめに
     ベトナム中部のTam Giang Lagoonでは、1999年の大洪水をきっかけに、2カ所の湖口付近で激しい海岸浸食が発生し、現在まで住宅数百戸が移転しさらに数十戸が移転を迫られている。また2カ所の湖口間の海岸でも、最近約50年間に砂浜が幅最大約100m侵食され、既存の集落だけでなく、新しいリゾート施設や重要なチャンパ時代の遺跡、また海岸砂丘上のエビ養殖など、地域の社会や文化に様々な影響が出ている。本研究では、まずタムジャンラグーンの海岸地帯4カ所での
    海岸侵食
    の実態とその影響について紹介し、そしてそれぞれの事例での対応策について、地球温暖化に伴う将来の海面上昇の影響も考慮し、長期的な視点から検討した。
    2.  方法
    1968年、1994年、2002年発行の地形図と、2007年、2009年撮影の衛星画像を利用し、海岸線の変化を明らかにした。そして研究対象地区の各役所の担当者および地域住民に対し、これまでの
    海岸侵食
    の実態と影響、また
    海岸侵食
    への対応について聞き取りを行い、現地調査を実施した。
    3. 
    海岸侵食
    の実態と影響

    1)Thuan An湖口西岸での集落の移転
     1999年の大洪水後に、湖口の北西側砂丘の前面と砂州先端部分で急速な
    海岸侵食
    が進み、これまでにそれぞれ54世帯、134世帯が移転した。この急激な侵食は2004年末頃までには落ち着いたが、2007~09年に湖口北西側海岸に2本の突堤が建設されると、その東側砂州部分が急速に侵食され始め、砂州先端部分に残っている集落57世帯は、緊急に移転する必要に迫られている。
     2)リゾートの砂浜の縮小・消滅
      Thuan An 湖口の東側約4kmにあるHoa Duan地区では、先の大洪水時に砂州が決壊し、その後の侵食によって69世帯が移転した。2001年に決壊箇所が閉め切られたが、砂浜の侵食は継続している。この地区はフエ市街地から最も近いビーチリゾートで、フエの人々や観光客にとって貴重な砂浜である。現在海の家と波打ち際との間には比高数mの浜崖ができており、ここに隣接して、2010年12月に開かれた高級リゾート施設の前面の砂浜は急速に縮小し、現在敷地の一部まで侵食が及んで危険な状況である。
    3)砂丘下から発見されたチャム古塔の危機
    ラグーンと外洋を隔てる標高約10mの海岸砂丘の下から、8世紀中頃と推定されるチャンパ王国時代の古い塔が、2001年4月に発見された。ベトナムに現存するチャムの塔としては、最古でかつ最も北に位置する重要な遺跡である。この付近の海岸線は過去50年ほどの間に、50m~最大約100m後退している。遺跡は再び砂に埋もれないように周囲をすり鉢状の防護壁で守られているが、海岸の侵食崖上端と防護壁との距離は、最も狭いところで36mしかない。また塔の基壇の標高は1.8mで、今後遺跡周辺の地下水位が上昇すると、塔の崩壊も懸念される。
     4)砂丘下の地下水の塩水化
      ラグーン南東部Vinh An地区の海岸砂丘上では、2003年以降大規模な集約的エビ養殖が始まった。現在、一辺50~70m四方の養殖池が80、合計42ha拡がっている。養殖では、砂丘地下10~15mからの地下水(淡水)と海水を取水して使っているが、2010年に最も海岸寄りにある井戸の地下水の塩分濃度が5~10‰に上昇し、それ以降使用できなくなった。この付近の海岸線は、過去約40年間に40m~最大約100m後退しており、砂丘下に存在する淡水レンズが縮小している可能性がある。
     4.  対応策についての考察
    研究対象地域では、今後の地球温暖化による海面上昇などによって、さらに
    海岸侵食
    が進むことが予想される。また、気候変動の影響によって、再び1999年のような大洪水発生の可能性もある。  ラグーンの湖口周辺数kmの範囲は、洪水や
    海岸侵食
    によって過去に海岸線が大きく変動してきた。その様な不安定な場所では、ハードな土木工事で
    海岸侵食
    を防ぐのは困難である。1999年の大洪水後の対応として、被災住民を近接する湖岸に緊急的に避難させているが、今後は、将来の
    海岸侵食
    や洪水で被害を受けると予測される地区の住民を、移転先の土地条件を整備した上で計画的に移住(撤退)させることが肝要と考える。 湖口から離れた海岸でも、過去数十年間継続的に海岸線が後退している。現在、海岸線から200m以内は居住禁止であるが、リゾート開発やエビ養殖事業においても、長期的な将来の地形変化を予測し、観光資源である砂浜や養殖に不可欠な地下水への、
    海岸侵食
    の影響評価を的確に行う必要がある。場合によっては、海岸地帯の重要な遺跡の移転や、地下水の利用に頼らない養殖、また現在地下水を利用している地区での水道整備なども検討しなければならない。
  • 佐藤 愼司, 渡邊 恵璃加, 八尾 直輝
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2011年 67 巻 2 号 I_1230-I_1235
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/08
    ジャーナル フリー
     突堤やみなとの防波堤などの大規模沿岸構造物周辺の砂礫海岸では侵食が急激かつ広域に拡大することが多い.本研究では大規模沿岸構造物周辺の
    海岸侵食
    現象に対して,宮崎海岸での現地調査に基づき大規模な浜崖侵食の実態を解明するとともに,サンドパックを用いた対策の有効性を水路実験で検討する.さらに,波向きが交互に変化する条件で平面水槽における移動床実験を実施し,構造物背後への過剰な土砂捕捉とそれに伴って生じる
    海岸侵食
    に対する有効な対策を検討する.
  • 春山 成子, 室岡 瑞恵
    地図
    2004年 42 巻 1 号 21-28
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
  • 野口 賢二, 加藤 史訓, 小林 豪毅, 高木 利光, 竹内 由衣, 花田 昌幸
    土木学会論文集B2(海岸工学)
    2021年 77 巻 2 号 I_625-I_630
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/04
    ジャーナル フリー

     汀線位置が局所的かつ短時間で大きく後退する「極端な

    海岸侵食
    」は,十分な砂浜幅があれば海岸管理上問題にならないが,砂浜幅が狭い場合には,砂浜の機能が損なわれるので回復が必要である.しかし,早計に対策工を設置すると新たな侵食原因となる可能性がある.その対策の必要性を判断するためには,極端な
    海岸侵食
    の発生過程とその後の回復過程を明らかにする必要がある.そこで,極端な
    海岸侵食
    の事例を整理した上で,その発生過程および回復過程を3次元海浜変形モデルにより再現し,さらに,その回復を早める効果的な早期回復策を明らかにした.

  • 西 隆一郎, 金子 有理, 福永 和久, 鶴成 悦久
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2020年 76 巻 2 号 I_941-I_946
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/28
    ジャーナル フリー

     2014年10月に来襲した台風1418号と1419号により,鹿児島県奄美大島の南南東側で太平洋に面する瀬戸内町嘉徳集落前の嘉徳海岸で顕著な侵食被害が生じた.この時,後浜の侵食に加えて,嘉徳集落の墓地や民家の数m近くまで海岸砂丘が侵食され,砂丘としては20m程度後退した.台風銀座とも呼ばれる地域でもあり,台風は毎年来襲する可能性が高い.加えて,海岸砂丘上にある集落を護るために海岸保全の要望が地域住民からあった.一方,海岸保全だけでなく,絶滅危惧種オカヤドカリを含む海岸生態系への影響や景観および世界自然遺産登録への影響を考慮する必要性のある海岸でもあった.そこで,本論文では,台風1418号と1419号に伴う本海岸の

    海岸侵食
    機構の解明と,経年的な海岸過程について明らかにし,その後,海岸保全,環境保全,海岸利用が適切に調和した海岸保全の方向性に関し検討することにした.

  • *吉河 秀郎, 根元 謙次
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2008年 2008 巻 P-79
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 香川 拓輝, 山本 浩一, Muhammad HAIDAR, 神野 有生, 赤松 良久, 鈴木 素之, Sigit Sutikno, Noerdin BASIR, 関根 雅彦
    土木学会論文集G(環境)
    2017年 73 巻 7 号 III_213-III_219
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー
     インドネシア共和国リアウ州ブンカリス島の北岸では
    海岸侵食
    が進行している.侵食が進行している土地は主に泥炭地であり,侵食が大きい北岸部では,ボグバーストと呼ばれる泥炭地崩壊の跡が発見された.ランサン島や近隣島嶼域でもボグバーストのような泥炭地崩壊が見られ,ブンカリス島と同様の泥炭地崩壊が進行していると考えられた.LANDSAT画像の解析により,リアウ州では年間約160haの土地が
    海岸侵食
    により失われていることがわかった.マングローブが存在しない場所では存在する場所に比較して侵食速度が大きいことがわかった.ブンカリス島の北岸においてはボグバーストだけで2010年時点で11万tの泥炭由来の炭素が海洋に流出していると推定された.
  • *吉河 秀郎, 根元 謙次, 秋山 幸秀
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2007年 2007 巻 O-111
    発行日: 2007年
    公開日: 2009/01/30
    会議録・要旨集 フリー
  • 茂木 昭夫, 土出 昌一, 福島 資介
    地理学評論
    1980年 53 巻 7 号 449-462
    発行日: 1980/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    1973年9月に誕生した西之島新島について,誕生の初期から約5年の間, YS-11機により10回に及ぶ航空写真測量を実:施し,新島の変化を追跡してきた.その結果,島が最も拡大した1974年8月以後,新島は南側で激しい
    海岸侵食
    に見舞われ,全体的に縮小化に向かった.南部海岸の後退には二つの時期があり,その時期は台風と一致する.
    海岸侵食
    は周りの海底地形に著しく支配され,新島を構成する地質の硬軟の度合が,侵食地形に鮮かに現われた.
    海岸侵食
    のあとには,海食平坦面が形成され,これは波浪による侵食限界水深を示すものとして注目される.
  • 大矢 雅彦, 松原 彰子, 久保 純子, 小寺 浩二
    地図
    1991年 29 巻 4 号 23-26
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
  • 平井 幸弘, Nguen V.L., Ta T.K-O.
    日本地理学会発表要旨集
    2002年 2002a 巻
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/02/25
    会議録・要旨集 フリー
    ラグーンを抱える海岸低地では、海面上昇によって低地の水没や
    海岸侵食
    、洪水位の上昇、湛水期間の長期化などに加え、ラグーン内での塩分濃度の上昇や湖岸低地での地下水の塩水化といった変化が予測され、それに伴って地域の人々の生活や生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがある。本地域では1999年11月にフオン川による大洪水が発生し、湖水位は最高4mに達した。海面上昇の影響を予測し評価する場合、まず各地域における自然および社会·経済的な現状を十分把握し、それぞれの地域が抱えている外的·内的ストレス、またその土地固有の特質を十分に考慮することが重要である。これらの情報を、海面上昇ハザードマップあるいはリスクマップとして地図化し、とくに洪水、
    海岸侵食
    、ラグーンおよび湖岸低地での塩分濃度·生態系変化に対して、撤退、順応、防御の3つの視点から対応策を提言する。
  • 中郡 俊文, 田林 雄, 桑原 祐史, 齋藤 修, 安原 一哉
    土木学会論文集F3(土木情報学)
    2012年 68 巻 2 号 II_1-II_7
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/29
    ジャーナル フリー
     気候変動に伴い,主として低平地では現在生じている台風等風水害の危険性が高まることが想定される.これらの影響による被害の低減を目的とした適応策を考える上で,都市生活圏の災害ハザード,脆弱性等を統合したリスク評価は重要となる.本研究では,低平地であるベトナム国Hai Hau海岸近傍を対象とした土地被覆分析および河川氾濫シミュレーションを行った.この地域は河川氾濫に脆弱な地形を形成していると共に,海岸線の後退が顕著であることが確認されており,内水と海岸双方からの災害を受けている.結論として,河川氾濫と
    海岸侵食
    双方の水災害による脆弱性評価に特化した地理情報を生成した.
  • 宇多 高明, 小澤 宏樹, 星上 幸良, 清水 達也, 野志 保仁
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2012年 68 巻 2 号 I_678-I_683
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/18
    ジャーナル フリー
     伊豆大島の間伏海岸は,長さ650mのポケットビーチである.この海岸では過去侵食が起きたが,その原因は明らかではなかった.本研究では,過去の空中写真を判読し,また深浅データを分析して海浜変形について調べるとともに,2011年2月4日には現地踏査を行って侵食原因について考察した.この結果,間伏海岸では過去に行われた海砂利採取の影響で海浜土砂量が減少したが,近年はほぼ平衡状態に達していることが分かった.
  • 田中 仁, Nguyen Trung VIET, Vo Cong HOANG, Duy Dinh VAN
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2015年 71 巻 2 号 I_449-I_454
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/04
    ジャーナル フリー
     ベトナム中部に位置するクアダイ海岸においては近年砂浜海岸の侵食が著しく,砂浜が消失したことによりビーチリゾートホテルが閉鎖に追い込まれるなど,当地の観光産業に対して大きなダメージとなっている.そこで,現地の地形変化を撮影したGoogle画像の詳細な解析を行うことにより現地の侵食の実態を明らかにするとともに,現地調査,現地ヒアリングの結果などをもとに,
    海岸侵食
    機構の推定を行った.その結果,河口部近傍の侵食域が徐々により遠方に拡大しており,このことから河川からの流出土砂の減少が
    海岸侵食
    の要因であると推測された.同様な現象は我が国においても,例えば天竜川河口部に位置する遠州灘においても観察されており,類似の現象によりクアダイ海岸の侵食が顕在化したものと考えられる.
  • 磯部 一洋
    応用地質
    1985年 26 巻 1 号 29-34
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • *小玉 芳敬, 小西 立碁, 菊池 顕宏, 景山 龍也, 三村 清, 谷口 聡, 頼正 浩
    日本地理学会発表要旨集
    2003年 2003f 巻
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/04/01
    会議録・要旨集 フリー
     伯耆大山の主峰(標高1,729m)は,巨大な溶岩円頂丘でデイサイト(石英安山岩)から構成されている.主峰の南側斜面と北側斜面は大規模な崩壊地となり,ここから供給された土砂は渓流を流れ下る.標高1,000m付近を通る環状道路では,毎年豪雨時に渓流から土砂が流出して道を塞ぐ.また山麓部に広がる火砕流台地の縁には,多くの崩壊が発生し,渓流に土砂を供給している.一方,日野川の河口付近から境港市までのびる弓ヶ浜半島の海岸では,現在も東側で
    海岸侵食
    が進行し,逆に西側では海岸線の前進が顕著である.砂浜の侵食は,堆積物の不足を意味する.伯耆大山中腹などで観察される多量の土砂供給との関連性はどのように理解されるのであろうか?「伯耆大山に展開している砂防施設により,日野川への土砂の供給量が減少し,このことが弓ヶ浜の
    海岸侵食
    に大きな影響を及ぼしている」といった声がしばしば聞かれる. 本発表では,弓ヶ浜半島外浜の構成材料が,大山起源の堆積物ではないこと,大山から供給される多量の砂礫は,大部分が運搬過程で細粒化し,濁り成分(シルト以細)となり,そのため日野川の掃流物質や弓ヶ浜海岸の砂浜へ与える影響は極めて小さいと考えられること,の2点について述べる. 鳥取県立博物館が所有する1968年以降5年おきに撮影された空中写真を比較検討することで,弓ヶ浜海岸の汀線変化を明らかにした.年次を追うに従って東側で侵食が進行し,西側では1978年に竹ノ内工業団地の埋め立てが開始されてから,この埋め立て地の東隣で着実に堆積域が拡大している. 弓ヶ浜の
    海岸侵食
    は,海岸線の平面形態が美保湾の入射波浪条件に釣り合うまで進行すると考えられる.外浜の平面形態は東側で奥行きが広く西側へと急減し,いわば「くさび形」を呈する.一方,内浜や中浜ではそれぞれ当時の海岸線はほぼ平行し,奥行きの東西変化も少ない.内浜や中浜の海岸線が美保湾の入射波に対して釣り合いがとれた状態と言えよう.すると外浜の海岸線も,内浜や中浜の海岸線と平行になれば,安定すると思われる.つまり外浜の海岸線は現在,動的平衡状態を目指して東側から西側へと砂の移動が生じている過程にあると認識すべきである. 弓ヶ浜とその東隣の淀江では,海岸堆積物が一見して異なる.つまり,弓ヶ浜海岸は石英粒や長石粒を主体として白色の粗砂や中砂から構成されているのに対して,淀江海岸はデイサイトの岩片を半分以上含んだ灰色の細砂からなる.これらの違いを海岸堆積物の粒度分析から明らかにした.また平野表層の堆積物も含めて,磁性岩片含有率の分布を調べ,含有率が高い淀江平野の特徴を明らかにした.磁性岩片のキュリー温度は,弓ヶ浜と日野川上流部では570℃であるのに対して,淀江海岸とここに流入する佐陀川の上流部では500℃を示した.つまり,弓ヶ浜の構成材料は日野川が中国山地から運搬してきた花崗岩質の堆積物からなり,淀江の構成材料は佐陀川が運搬してきた大山起源の堆積物からなることを示している. 伯耆大山南麓の三ノ沢における調査から,渓床にあるデイサイトの礫同士は,豪雨時の掃流過程で互いに摩滅しあいシルトを生産し,シルトは濁り水とともに流亡する様子が想像された.渓床に立つ樹木の年輪解析からは,樹皮を傷つけるような土砂移動頻度は渓流の上流側ほど高く,下流に急減することが明らかになった.逆に渓床堆積物に含まれる細粒岩屑の量は,下流方向に増加している.伯耆大山の「渓流_-_河川」沿いの河谷地形は,いずれもその幅が上流側で広く,下流方向に減少している.このことは掃流砂礫量が下流に減少することの表われと捉えられる.つまり,デイサイトの掃流礫は,運搬過程で破砕摩耗されてシルトとなり,浮流物質へと変化するためである.シルト以細となった物質は,出水時に日野川の濁り水として一気に美保湾の海底にまで運ばれていくのであろう. 流域単位での土砂流出環境を読むには,上流部で供給された土砂礫の特性(岩質・風化度合い・粒度組成など)や,さらにそれらが運搬過程で被る細粒化特性の把握が大切である.これらの特性に応じて,下流の地形に与える影響が異なるためである.伯耆大山中腹にみられる激しい土砂移動と,その麓の弓ヶ浜で進行する
    海岸侵食
    といったパラドックスの理解には,これらの視点が不可欠であろう.
  • 金子 有理, 西 隆一郎, 鶴成 悦久
    土木学会論文集B3(海洋開発)
    2020年 76 巻 2 号 I_294-I_299
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/28
    ジャーナル フリー

     

    海岸侵食
    抑制のためには,河口,湖口(インレット),漁港,港湾,そして,突堤周辺における砂のバイパス現象の解明が必要である.漂砂下手側の
    海岸侵食
    を低減するため,人工構造物を使い沿岸漂砂の上手から下手側に強制的に砂を迂回させるサンドバイパス工法が用いられる場合がある.宮崎海岸では大規模な
    海岸侵食
    が進行しており,海岸保全構造物の設置と養浜が継続的に行われている.しかし,現在でも年間20万から30万m3の土砂が宮崎港側に流出している.一方,沿岸漂砂上手側の一ツ瀬川河口には,砕波帯を超える長さの導流堤(築造時)が設置され,導流堤建設前に生じていた砂のバイパス量と比べて十分なバイパス量が確保されていない可能性がある.そこで,本研究では,
    海岸侵食
    に悩む宮崎海岸の中・長期的な海岸保全を検討するために,宮崎海岸北端に位置し河口部に導流堤が築造されている一ツ瀬川河口部付近における砂のバイパス現象の解明と,漂砂下手側海浜の海岸保全に関し,現地調査ならびに空撮画像や数値モデルに基づき考察を行うことにした.

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