長期観察中(平均観察期間4.3年)のHBs抗原キャリアー832例中79例(9.5%)に,HBs抗原力価の低下(RPHA:2
6>:陰性化傾向例)を認めた.
陰性化傾向例のピークは,person yearの手法によると,40~44歳であり,HBs抗原陰性化例が,45歳以降,加齢と共に増加することから,陰性化傾向は,HBs抗原陰性化の前段階であろうと推測された.
これらの症例は,e抗体陽性のASCまたはCPHであり,安定した病態を示していた.
したがって,HBs抗原力価が減少する症例では,病状が安定し,遂には抗原が陰性化して,キャリアー状態が消退するものと期待できる.
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