本論文は, 同じカテゴリ(例えば椅子, ランプ)に属する複数の
物体
のさまざまな方向から見た2次元画像(ビュー)からそれらの3次元
物体
のプロトタイプを自動学習する方法を提案し, それを用いて未知の情景からそのカテゴリに属する
物体
を認識する方法を示したもので, 5章よりなる.第1章の「Introdution」に続き, 第2章「Learning of Prototypes」では, プロトタイプの学習について述べた.学習するには,
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の構造に着目する.まず, 各ビューに対して, 領域分割を行う.役割結果の中の領域は
物体
を構成する部品と見られ, 部品間の隣接関係に基づいて, 隣接グラフで
物体
を記述する.この記述に基づいて, ビューをグループに分ける.各グループにおいて, 代表画像を作る.代表画像の構造も隣接グラフで表せる.同一カテゴリに属する異なる
物体
に対して, 観察範囲が近い代表画像によって生成した隣接グラフ間のマッチングを行って, 異なる
物体
に共通する部品を抽出し, その
物体
に対するプロトタイプを生成する.第3章「Prototype-based Recognition」では, 学習したプロトタイプを用いて, 実際のシーンから
物体
認識実験を行って, 結果および問題点を報告した.同一のカテゴリに属する
物体
でも, 一つのプロトタイプでその全てを表すことはできない.そこで, どの範囲の
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を一つのプロトタイプで代表させるべきかどうか問題が生ずる.第4章「Clustering views of multiple objects」では, 学習
物体
に対して, クラスタリングを行って, 得られた各クラスタが構造が似ている
物体
の集まりであるように, 学習
物体
の集合を分割する.各クラスタ内のビューに基づいて, プロトタイプを生成することができる.第5章は「Conclution and Feature Works」で, 研究成果を取りまとめ, 今後の課題を論じている.
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