複合
現実
Mixed Reality (MR), 拡張
現実
Augmented Reality (AR), 仮想
現実
Virtual Reality (VR) 技術は, 医療画像解析における不可欠な技術として空間認識を改善させ, 画像手術支援に期待される有用なツールである.
医療行為での失敗や危機感を事前に繰り返し体験でき, 患者個別医療や繊細な医療技術の習熟に大きく貢献できる.
【目的】これらの技術を応用して術前患者画像を3Dホログラム化して, 泌尿器科手術におけるナビゲーション手術と手術教育の可能性を検討した.
【対象と方法】ロボットおよび開腹腎部分切除術ならびにロボット前立腺全摘除術を対象とした. 滅菌環境下で直感的なインターフェイス操作が可能な半透明型HMD方式のMRウェアラブルコンピュータHoloLens (Microsoft社) を使用した.
【結果】これまでの手術に比べて, VRならびにMRは腎部分切除術における腫瘍切除時間の短縮と出血量の低減に寄与した. 術者は腫瘍や血管周囲を含めた臓器解剖の距離感を直感的に体感でき, 周辺臓器の空間認識が改善され, 手術支援が大幅に効率化された. また助手やスタッフとイメージを共有でき, さらにHoloLensは術者目線の録画もできるため, 手術教育にも役立った.
【結論】VRならびにMRは手術ナビゲーションだけでなく, シミュレーションや教育にも有用なツールである.
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