本稿の目的は,正
看護婦の指示業務が病院での看護
サービスの生産に与えている影響について分析することにある。
看護
要員(正
看護
婦・准
看護
婦・
看護
業務補助者)はそれぞれ患者のケアに関わるが,正
看護婦と准看護
婦・
看護
業務補助者の明らかな違いは,正
看護婦だけがほかの看護
要員に対してケア業務に関して指示することができる点にある。反対に,准
看護婦や看護
業務補助者がケア業務を実施するためには,正
看護
婦の指示が必要になる。したがって,指示業務は
看護
サービスを生産するためのモニタリングとみなすことができる。
われわれは正
看護
婦の指示業務に着目し,病院の費用最小化モデルから次の結論をえた。准
看護婦や看護
業務補助者を雇用するためには正
看護
婦の労働時間の一部を指示業務に振り分けなければならない。准
看護婦や看護
業務補助者が多くなると指示業務時間も長くなる。これは准
看護婦や看護
業務補助者の労働コストを引き上げることになるから,准
看護婦や看護
業務補助者は過小に雇用され,反対に正
看護
婦は過剰に雇用される。さらに,指示業務の増加は准
看護婦や看護
業務補助者の労働コストを引き上げるから,病院は准
看護婦や看護
業務補助者の雇用を減少させ,正
看護
婦の雇用を増加させる。もっとも指示業務に振り分けられる時間は,患者の状態や,
看護
要員の能力などにも依存する。また,このモデルをつかって基準
看護
の選択を分析することも可能である。
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