本研究の目的は，シークバーによって引き出される児童のインフォーマルな知識を活かした，割合の素地形成のための学習指導を開発することである。本稿では，第3 学年の児童を対象とし，児童が日常的に目にしているシークバーから，全体が異なる数量を同じ長さで表す図を想起し，割合が1/2 にあたる数量，割合が3/4 にあたる数量を求める問題解決を構想し，実践を行った。授業のプロトコルとワークシートと事後の評価問題を考察した結果，対象児童全てが，全体が異なる数量を同じ長さで表す図において，分数で示された割合が同じとき，同じ割合であっても割合にあたる数量が異なることを把握することができていた。そして，事後調査によって，8 割を超える児童が，「全体の数量も分数で表された割合も異なる場面」でも，割合にあたる数量を求め，その大小判断をすることができていた。以上のことから，本研究で開発したシークバーを用いた割合分数の指導が，割合の素地形成に資することが明らかになった。

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三角ブロックモデルを提案し、そのモデルに基づく問題構造の組み立て演習支援環境を実装した。さらに、この環境を用いた実践を複数演算を用いて文章題を解決する小学４年生を対象として行った。

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As social change became rapidly since the second half of the 20th century, the way of education has also changed. In this paper, based on the sustainable and democratic society, competencies on the mathematical scientific problem solving, its educational significance, and mathematics curriculum and classroom lessons focused on the competencies, were discussed from the standpoint of a researcher on mathematics education. At first, 'Mathematical Science' - Mathematics, Statistics, and Industrial and applied mathematics - proposed by the Science Council of Japan was refereed. Ways of thinking in statistics and industrial and applied mathematics, which attempt to resolve problems based on real phenomena and data, were captured as mathematical scientific problem solving. Then, educational significance of the mathematical scientific methods such as problem solving and mathematics curriculum based on problem solving of Japan were discussed and several mathematical classroom lessons based on problem solving of Japan were investigated. Thereafter, key points for fostering competencies on the mathematical scientific problem solving were considered.

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科教育内容に対する児童の意識をアンケートによって調査した。この結果．子ども一人一人の学習歴をふまえた．科教材に対する子どもの苦手意識の傾向が明らかとなった。

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三角ブロックが提案され、それに基づいたシステムが開発された。三角ブロックを用いた外化表現には典型的な３つの構造が存在すると考えられ、その３つの構造の診断が可能ならば外化支援につながると考えられる。そこでその診断機能の設計・開発を行い、実践を通して結果を分析する。

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仙台市科学館の自然観察園並びにエントランスホールにて，と理科のクロスカリキュラム学習活動「ドングリをひろって考えよう」プログラムを展開した。その結果，で学習した「平均」という考え方と，理科で学習した「身近な自然の観察」の両方の知識を使って，ドングリの木（コナラ）の生活史を理解させる上で一定の効果が得られた。プログラムの実践例とと理科のクロスカリキュラム学習活動の意義を報告した。

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小中学校の通常学級に発達障害等の児童生徒が約6.5%在籍している。しかし，実際には6.5% には入らないが学習面等に困難をもつ児童生徒がその周辺にも存在し，学習においても彼らへの指導の在り方は喫緊の検討課題である。そこで，本研究では，学習におけるつまずきに関する先行研究をもとにつまずきとその支援を分析・整理し，学習につまずきのある児童への指導の在り方を検討するための基礎的な資料を得る。分析の結果，学習におけるつまずきを，①学習活動に関するつまずきと②学習内容に関するつまずき，③その他のつまずきに整理した。また，数学教育研究でのつまずきは学習内容に関するものが多く，学習活動に関するものが採り上げられていない。一方，特別支援教育研究でのつまずきは学習活動に関するものを含んでおり，学習内容に関するつまずきも数学教育研究のものとは異なるものが少なくない。これらのつまずきの関連を考慮して学習におけるつまずきを捉え直して，学習につまずきのある児童に対する指導を検討してくことが必要であることが示唆された。

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本研究では、神経心理学的視点での、成人の失算および計算障害、ゲルストマン症侯群、発達性計算障害に関する従来の研究を概観し、子どものの問題がどのように捉らえられてきたか、さらに認知神経心理学的枠組みではどのように捉らえられているかを検討し、子供のの問題を捉らえる枠組みである障害の概念を明確にすることを目的とした。その結果、子どもの障害の概念が成人の計算障害の症状から援用されていること、障害の分類が成人の症状にもとづいた下位分類のため、数の概念形成の問題が含まれない場合があること、下位分類が有機的に捉らえられていないことが明らかとなった。障害の分類には、子どもの発達的要素を考慮した上で、認知神経心理学の分野の研究から得られたMcCloskeyらの認知モデルのような情報処理的観点が必要であることが示唆された。

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本稿では，教師の「数学することを知る」の枠組みを開発し，教師2 名を対象にしたケーススタディからの検証により，その有効性と妥当性を明らかにすることを目的とする。まず，先行研究をもとに「数学することを知る」を「絶対的固定的な見方・考え方」と「可謬的可変的な見方・考え方」に整理し，授業の「構想時」と「実践時」において特徴が表出されると想定して枠組みを開発した。次に，枠組みをもとに特定した因子を用いて，小学校教師，中学校数学教師の2 名のアンケートや授業実践の分析を行い，枠組みを検証した。その結果，構想時は「可謬的可変的な見方・考え方」であっても，実践時は「絶対的固定的な見方・考え方」となる傾向があり，教師の特徴を捉えるのに有効であることが見えた。また，教師が「可謬的可変的な見方・考え方」へと変容していく様相から，観点「数学することを知る」の基準は，「十分知っている：想定外受容」，「知っている：想定内受容」と解釈するに至った。

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