本研究の目的は, 咀嚼筋活動や顎位など
管楽器
演奏時の顎機能の特徴を明らかにし,
管楽器
演奏により顎関節や咀嚼筋へかかる負荷を検討することである, 被験者として金
管楽器
奏者18名, 木
管楽器
奏者12名を対象に
管楽器
演奏時の咬筋, 側頭筋, 口輪筋, 顎二腹筋の筋電図測定, および下顎切歯点の移動距離の測定を行い, 以下の結果を得た.
1.口輪筋, 顎二腹筋の筋活動量は比較的大きかったが, 咬筋, 側頭筋の活動量は最大咬みしめ時に比較すると極めて小さかった.
2.音量の大小で各筋の活動量に明らかな変化はなかった.
3.金管群と木管群の楽器群間では咬筋, 側頭筋, 顎二腹筋の筋活動量に明らかな差はなかったが, 金管群の方が咬筋活動量の個人間のばらつきが大きかった,
4.下顎切歯点については, 木管群の方が下方への移動量が大きかったが, 移動方向の個人間のばらつきは金管群の方が大きかった.
以上より, 一般的な楽器演奏では閉口筋の緊張は僅かであり, 顎関節への圧縮方向の力の負荷は少ない可能性が示唆されたが, 個人差の影響についての今後の検討が必要と考えられた.
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