本論文は,保護地域における政府と地域住民による資源をめぐる
紛争
の概念を整理し,第三者を含めた
紛争当事者間の紛争
管理のためのモデルを構築すること,インドネシアの国立公園の
紛争
管理の事例を分析することを目的とする。多くの保護地域での資源をめぐる対立は,アクター間でのパラダイムが異なることが原因となり引き起こされている。
紛争
解決が当事者間で困難な場合,第三者の介入が不可欠である。第三者と
紛争当事者の関係に着目した紛争
管理モデルは,
紛争
の状況を把握し,
紛争
解決のための方向性を提示するのに有効である。このモデルを参考にし,インドネシアの国立公園の事例を取り上げた。政府は,国立公園設定の歴史的プロセスにおいて,地域住民を排除する方策を打ち立ててきた。一方,地域住民は,国立公園の存在を認識しながらも,国立公園の内部や周辺の土地や資源に依存する生活を維持し続けてきた。このような資源をめぐる両者の行き詰まりの状況を改善するために,NGOがこの地域で活動を行っている。
紛争
解決に向けて,NGOが地域住民の意見を理解し,政府と如何に協力できるかが,今後の保護地域管理の大きな課題である。
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