シバ (
Zoysia japonica Steud.) を主体する瀬戸内海地域の芝生畦畔の維持管理において, 5月, 7月, 9月の年3回の
草刈り
のうち, 7月の
草刈り
を抑草剤ビスピリバックナトリウム塩液剤の1回処理に代替することを検討した。2016年試験では, 6月上旬から7月下旬の剤一回処理と従来の7月
草刈り
では, 9月の
草刈り
前における乗算優占度の合計 (m
3/m
2), 群落高 (cm) およびシバ被度 (%) は同様の傾向であった。2016年試験と同一の芝生畦畔を用いた2017年試験では9月の
草刈り
前の対照区を含めた乗算優占度の合計はチガヤ [
Imperata cylindrica (L.) P. Beauv.] の優占によって, 2016年試験に比べて2.4倍に増加した。群落高は6月下旬から7月下旬の剤1回処理と7月
草刈り
で, ほぼ同様であったが, 6月上旬の剤1回処理では高くなり, 芝生畦畔の群落高として看過できなかった。また, 2017年試験では2016年試験に比べて対照区を含めたシバの被度は低下した。以上のことから, 抑草剤の処理時にチガヤの発生量が少ない場合には, 7月の
草刈り
を抑草剤に代替することが可能であることが示唆された。
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