安全な代替溶剤である水/エタノール洗浄廃液の浄化に関し, ピッチ系繊維状活性炭を用いて検討した.衣類から脱落する水溶'性色素として酸性染料のAcid Orange7, Acid Red 27, Acid Red 88, Acid Red 112およびモデル油性色素汚れとして油'性染料の Sudan Iを用いて, 0~100%の各エタノール水溶液中における活性炭繊維への吸着挙動を吸着平衡実験から検討し, 次の結論を得た.
1) 各酸性染料および油'性染料の吸着等温図は, いずれのエタノール濃度においてもフロインドリッヒ型吸着(log
Df=(1/
n)10g
Ds+log
Kを示し, エタノール濃度・染料に特定された1/
n,
K値を示した.
2) 酸性染料における0~100%の各エタノール濃度に対する染料吸着率変化は, 染料の種類により異なるがエタノール50~75%において吸着率の最小値を示した.
3) 油性染料 (Sudan I) における50~100%のエタノール濃度に対する染料吸着率は, エタノール濃度の増加に伴い吸着率は低下し, 50%において最も吸着率が高かった.
4) エタノール50%水溶液における繊維状活性炭に対する吸着は, SO
3Na基数を多く有する染料ほど溶剤中への溶解性が良いため, 疎水性である活性炭への吸着は抑制された.
5) 25, 40, 50℃における吸着平衡実験において, 高温ほど吸着量は低下し, 活性炭への染料の吸着は, 発熱反応系であることが確認された.
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