2003年3月29日に運転を終了した新型転換炉ふげん発電所は, 国のプロジェクトとして, 国産技術により設計, 建設および運転された重水減速-軽水冷却-圧力管型原子炉である。「ふげん」では, 約25年にわたる運転期間中に, その柔軟な炉心特性を生かして, 単一の熱中性子炉としては世界最高の装荷体数となる772体のウラン-プルトニウム混合酸化物 (
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)
燃料
を使用し, さらに国内で初めて実規模レベルでの核燃料サイクルの環を完結した。「ふげん」で得られた
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利用実績は今後,
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を利用する軽水炉および高速増殖炉開発推進のコーナーストーンとなるものと考える。本稿では, 「ふげん」における
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利用技術を中心として, 「ふげん」プロジェクトの意義および変遷, プラント概要, 炉心特性,
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使用実績等について紹介する。
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