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54,733件中 1-20の結果を表示しています
  • Mitsuru NISHIKAWA
    Memoirs of the Faculty of Science, Kyushu University. Series A, Mathematics
    1983年 37 巻 1 号 63-69
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/10/10
    ジャーナル フリー
  • 谷川 和美
    紙パ技協誌
    2024年 78 巻 4 号 288-291
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり

    ティシュー等の紙製品の手触り感,柔らかさは顧客が直接評価でき,その製品が選ばれる上で重要な因子であるが,手触り感評価は多くの場合,人が実際に触ったときの感触で評価し数値化している。しかし人による評価は主観的で個人や性別,国柄,天気や気分にさえ影響を与えるものであり,客観的に評価できる装置が望まれている。独国emtec社製のソフトネス測定装置 TSAは,手触り感を評価する装置である。音響と応力を測定することで,“本当の柔らかさ”,“滑らかさ/粗さ”,“剛性/柔軟性”の3つのパラメータを得ることができ,さらにこの数値から実際の手触り感と相関を持たせたアルゴリズムにより得られるハンドフィール値(HF値)を得ることができ季節や天気に左右されずに人の手の評価をシミュレーションすることができる。さらに不織布等をターゲットとした新しい測定法が開発された。従来の方式では細孔の大きなサンプルでは音響測定の感度が悪い問題があったが,プラスチックフィルムをサンプルの下に敷くことでサンプル間の細孔度の差の影響をなくし十分な感度で音響測定を行うことが可能となった。TSAを用いることで天気やパネリストの気分の差に左右されず客観的に手軽に評価でき,工程間にも取り入れることが可能なため品質改善,工程管理,開発にも役立つことが期待される。

  • 池崎 満里子, 中江 俊喜
    紙パ技協誌
    2024年 78 巻 2 号 151-155
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル 認証あり
    業界の効率化が進むに際し,品質管理や不具合解析のニーズは多様化,高度化している。それらの要求に応える評価,分析技術も日々向上しているものの,既に確立された分析手法への信頼と日常のルーチン業務の中で,他の業界では既に積極的に採用されて久しいような分析技術であってもその技術を評価し,自業務での活用を検討するということは簡単なことではない。今回そのような技術について製紙業界で適用評価を行う参考として,最新の画像解析ソフトウェアを用いた製紙表面の異物含有率評価,繊維片の幅の分散評価に加え,レーザー誘起ブレークダウン分光分析(LIBS)法を用いて染色紙を例とした塗料や添加剤の異同識別や品質評価を目的とした水素―炭素比解析と,塗料や添加剤の分散評価を目的とし主に有機元素を対象とした2D/3Dの多元素分散解析を行い,アプリケーション利用の可能性が示唆される結果を得られたので報告する。
  • ―今,最もホットな見える化=パルプ繊維の形態把握―
    渡邉 竜平, 松野 博政, 和田 望, 尹 国珍
    紙パ技協誌
    2023年 77 巻 8 号 742-748
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/01
    ジャーナル 認証あり
    ティッシュペーパーや段ボール・包装用紙・印刷情報用紙といった紙は,現代社会においてなくてはならない生活必需品であると同時に,私たちの生活や産業・文化を側面から支えている。SDGsが重視される世の中において,『森林』『エネルギー』『二酸化炭素』『製品(紙)』を上手く循環させている製紙産業は,資源循環型産業の優等生としてその価値が近年見直されている。脱プラスチック化はその代表例である。
    日本の古紙回収率は80%を超え,古紙利用率も70%近くに達し,世界でもトップクラスの循環型産業を実現している。一方で,新型コロナウィルスの感染拡大後に広がったリモートワーク化の影響により,木材パルプを主原料とする印刷情報用紙の需要減は一層進み,良質な古紙の確保が顕著に難しくなってきている。木材パルプにおいても,一般的に紙力が出にくいとされる安価チップへの切り替えに取り組んでいる製紙工場が多く,これらのことは製造現場において,安定した品質や操業を達成するための大きな障害となっている。
    紙ボディーの80%以上を占めるもの,紙製造に掛かるコストの約半分を占めるもの,それはパルプ繊維である。パルプ繊維は,例えば,樹種や蒸解方法によって,リファイニングのやり方によって,或いは再利用回数によって,その長さや幅・フィブリル化の度合いが異なる。
    パルプ繊維の形態は,例えばティッシュペーパーにおける手触り,段ボールにおける強度,印刷情報用紙の印刷適性といった重要な品質指標と密接な関係がある。このパルプ繊維の形態を把握するための方法として,製造現場では長らくフリーネス測定が用いられてきた。一方で濾水性のみで繊維の形態を把握するには限界があり,近年の急激な環境の変化がもたらす繊維形態の変貌をフリーネス測定で捉えることは困難であると言える。
    本報では,『ファイバー・モルフォロジー=繊維形態』を測定できるインライン型繊維分析計SPM-5550と,これを活用した重要品質のリアルタイム予測モデルについて紹介する。製造現場が直面する課題の解決に真正面から取り組んできた弊社が提供する『ソリューション』であり,今まさに一番ホットな『見える化』と言える。
  • 野村 和広
    紙パ技協誌
    2023年 77 巻 4 号 334-338
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル 認証あり
    当社が製造・販売する地合測定器FMTの新機種“FMT-4”を開発し,販売を開始する。FMTは透過光を利用する地合測定器であり,FMTにより描画される二値化像が目視との相関が高いこと,数値データでの管理を可能とすることが特長である。新機種のFMT-4ではそれらの特長を踏襲しつつ,透過光の光源をLED化したことによる測定サンプルの対応坪量の拡大,カメラ・ソフトウェアの改良による分析データの精緻化により,より多くのお客様に活用いただけるよう進化させた。具体的には従来モデルにおいても測定可能であった,洋紙,不織布,坪量200 g程度(サンプルの光学的特性により異なる)までの板紙に加えて,坪量300g程度(同左)の板紙の測定を可能とし,一般的なライナー(坪量270 g)を測定対象に加えることができた。また,光源のLEDユニットは従来型のハロゲンランプとは異なり照度(光量)の調整が可能であることから,ティッシュ等の光の透過率が高いサンプルも測定・分析が可能である。FMTは初代の販売開始より30年以上が経過するロングセラーであり,国内外で70台以上をご利用いただいているが,今後も改良を重ねこれまで以上に製紙,不織布業界に貢献していく所存である。
  • 谷川 和美
    紙パ技協誌
    2023年 77 巻 2 号 111-113
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル 認証あり
    CNFは一般的に湿式条件下で機械的処理によって微細化され,物性制御や有効活用する上で分散性の評価,とりわけ粒子径分布評価は重要である。粒子径分布計測には様々な原理,手法があるが幅広い分布を持つ粒子や異形粒子の測定は困難であり正確な分布が得られない課題がある。解繊の過程において様々な粒子径が同時に存在していることが多いCNFの評価においては,分解能の高い計測法が必要となる。
    ディスク遠心沈降方式粒子径分布測定法は,多くの計測法で用いられるフィッティングアルゴリズムを用いずに直接的に粒子を観測しており,さらに一旦各サイズごとに分級してから粒子を検出する方式のため分解能が非常に高い方式である。このディスク遠心沈降方式粒子径分布測定法を用いて処理回数の異なる6種類のCNF試料の粒子径分布の測定を行った。処理回数の少ない試料では,数十nmから数µmにかけて3つのピークをもつ分布が得られた。処理回数の増加につれて数µmのピークは消失し,数百nmのピークの減少が見られると同時に数十nmのピークは増加した。再現性もおおむね良好であった。ディスク遠心沈降方式粒子径分布測定法を用いることでCNFの物性制御や有効活用への利用が期待できる。
  • 武井 俊達, 唐 晨瑩
    紙パ技協誌
    2022年 76 巻 4 号 341-345
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル 認証あり

    材料表面に関するさまざまな問題を解明するには,材料表面の化学結合状態を明らかにすることが重要である。紙の表面物性が経時,製造条件で変化する現象に対し,蛍光X線分析装置で紙全体を測定しても原因は判然としない。滑り,摩擦係数など木材樹脂成分が紙表面へブリードしている可能性が考えられ,ブリード現象を調査するためには,紙の極表面を分析する必要がある。X線光電子分光法(XPS),飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF-SIMS)は,物質の数ナノメーターの深さ領域を分析できる表面分析装置である。ブリード現象というのは紙分野でも知られている。ライナー表面にブリードする木材樹脂成分と摩擦係数が相関していることが確認できたので分析事例を報告する。

    更に,これら表面分析装置には,深さ方向分析が可能なスパッタリング機能があり,従来のAr単原子イオンに加え,Arガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)が搭載されたものが増えている。Ar-GCIBは,有機物質でも低ダメージのスパッタリングを行うことができるため高分子材料の表面改質評価についてあわせて紹介する。

  • 小島 鋭士
    紙パ技協誌
    2022年 76 巻 2 号 148-162
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル 認証あり

    ナノセルロースの規格化に関する具体的な議論は,ISOの中で新しいTC(TC229:Nanotechnologies)が活動を開始した2005年から始まった。特に,米国紙パルプ技術協会(TAPPI)の役割は大きく,必要と思われる規格の種類や発行スケジュールなどを議論する関連ワークショップを重ね,2011年に発行された「ナノセルロースの国際規格策定のためのロードマップ(TAPPI-roadmap)」という形で基本方針がまとめられた。その後,TAPPI-roadmapの方針を踏まえて,ISO/TC229とISO/TC6(Paper,Board and Pulps)の2つのシステムで規格開発が進められてきている。本稿では,TC229とTC6で議論されている規格の全体像と各論を解説した。また,ナノセルロース関連規格の理解を深めるために必要なISO情報をまとめた。最後に,今後この分野における規格策定活動の参考になることを期待し,日本主導で行われたISO/TS 21346開発プロセスの概要を紹介した。

  • 小泉 博比古, 渕瀬(福岡) 萌, 乙幡 隆範, 後藤 至誠
    紙パ技協誌
    2021年 75 巻 5 号 461-468
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/01
    ジャーナル フリー

    近年,印刷物の多様化が進み,系内へのUVインキ印刷物等のリサイクル性の低い印刷物混入によるダートトラブルが増えてきている。そこで,それら難リサイクル性印刷物の系内持込み低減のため,リサイクル性の簡易的な判別法(ATR-IR法)の開発及び工場での運用を行った。はじめに,各種上物系古紙サンプル(UVインキ,ポリスチレンコート,油性インキなど)についてIRスペクトル測定,及びそれら印刷物のラボリサイクル性(ダートの発生しやすさ)評価を行った。次に古紙サンプルのIRスペクトルとリサイクル性評価結果とを関連付け,対象印刷物を測定することで従来法よりも精度よくリサイクル性を予測できるATR-IR法を開発した。本法は,これまで工場で行っていたUVインキ印刷物の判別法よりも精度の高いものであり,工場の品質管理に貢献できるものと考える。当社2工場にて本法を用いた調査を行ったところ,工場で使用不可と判定されたベールのうち,7割以上がUVインキ印刷物であった。古紙発生量が減少していく中,古紙の適切な使用はますます重要となっている。本法の活用も含めて,現場の判別精度を高めることも重要だが,易リサイクル性UVインキの開発,UVインキを効率的に除去できる工程の技術開発を含め業界を挙げて取り組んでいくことが,今後も重要となると考える。

  • 武井 俊達, 友田 生織, 田原 江利子, 近藤 光隆
    紙パ技協誌
    2019年 73 巻 10 号 998-1002
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/01/01
    ジャーナル 認証あり

    当社分析センターには,王子グループ全体から,製品中のイオン分析に関する相談や依頼が寄せられる。その内容は,日本工業規格(JIS)に準拠した公定法による測定から,製品中の微量イオンが問題となった場合の原因調査の分析まで多岐にわたる。紙製品中のイオン種とその濃度は様々な製品品質に影響を与えるため,定性及び,定量分析することは品質管理をする上で非常に重要なことである。また,イオン濃度を正確に知るためには,十分な感度を有する方法が必要となる。その一つとして,クロマトグラフ法による液体中のイオンを測定する手法としてH. Smallらによってイオンクロマトグラフィーが1975年に発表された。イオンクロマトグラフィーは,イオン種成分を分離し選択的に検出する分析器機を用いた方法で,JIS K0127イオンクロマトグラフィー通則,上水試験法に採用され,環境,化学工業,食品,製薬・医薬など,さまざまな分野で応用されている。今回,低イオン量サンプルの高感度分析に取り組み,水,試薬,実験器具に起因する汚染物質を少なくし,新たにカラム種類,試料導入量等の装置条件を検討した。今まで微小なクロマトグラムとして検出していた炭酸イオン(CO32-)が増大し検出した。このため一部のイオン種で分離精度の低下が発生したため,更に分離条件を検討した。

    本稿では,測定条件の検討を行い,紙試料及び,フィルム試料への適用を試みたので,報告する。

  • Naoki Hashimoto
    Kodai Mathematical Journal
    1988年 11 巻 1 号 64-69
    発行日: 1988年
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 文人, 久徳 茂雄, 小川 豊
    Oncologyの進歩
    1996年 6 巻 1 号 36-40
    発行日: 1996年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    乳癌により乳房切断を行った女性はその後の社会生活において大きなハンディキャップを背負うことになる。乳房欠損患者のQOLの向上のため, 形成外科において乳房の再建を行っている。再建方法, 材料にはさまざまなものがある。代表的な症例を供覧し, 我々の行っている乳房再建術について文献的考察を加え報告する。
  • 高田 秀樹, 田村 善博
    紙パ技協誌
    2018年 72 巻 12 号 1385-1392
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/01
    ジャーナル フリー

    枚葉オフセット印刷特有の印刷トラブルとしてグロスゴーストがある。これは後刷り面において,先刷り画面像に起因する光沢ムラの様な模様が現れる現象である。グロスゴーストは印刷物の美観を著しく損ない,商品価値を低下させてしまう。グロスゴーストが発生した場合には刷り直しをする場合が多く,ベタ画像部面積の大きい方を先に印刷したり,先刷りしてから後刷りまでの時間を出来るだけとるなどの対応をしているのが現状である。

    グロスゴーストに関しては,その発生要因と併せ,何故ゴースト部がグロス調になったりマット調になったりするのかなど,詳細なメカニズムは不明な点が多い。本研究では,先刷り及び後刷りした印刷面でそれぞれ何が起きているのか調査し,また,そこに用紙がどのように影響しているのか検討を行った。

    本研究により,グロスゴースト発生に関しては,先刷り面と後刷り面が接触する時の環境が重要であることが確認された。先刷りしてから後刷りを実施するまでの時間が大きく影響し,これは先刷り面から発生するアルデヒド類中心のガス発生量と相関する,という知見が得られた。また,後刷り面の経時Ra値変動の挙動から,グロスゴーストが目立つ/目立たない(発生しない),あるいは発生する際にグロス調/マット調になるという機構を推定することが出来た。結論として,印刷面の経時Ra値変動が小さい印刷用紙がグロスゴースト発生抑制に有利であることが確認された。今後はこのような用紙設計のノウハウ構築が課題となる。さらにSCE方式による分光測色により,グロスゴースト発生強度の数値化が可能という結果も得られ,今後の検討に対して有効な評価方法が確立出来た。

  • 山越 学, 田中 純一, 松本 勉
    紙パ技協誌
    2012年 66 巻 4 号 412-418
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/01
    ジャーナル フリー
    人工物メトリクスとは,人工物の製造過程に由来する固有の微視的な特徴を用いて人工物を認証する技術のことである。この固有の特徴は,正当な製造者でさえも複製やコントロールが極めて難しいとされるため,人工物の偽造防止技術として利用可能である。
    紙の繊維分布はランダムであるため,その透過光画像を人工物メトリクスに利用可能である。人工物メトリクスで用いる固有の特徴に求められる要件として個別性がある。個別性とは各人工物における固有の特徴が互いに十分に異なっている性質のことである。ブルートフォース攻撃(力ずくの,総当たりの)に対する耐性を高めるためには,十分な個別性を有することが求められる。
    本稿では,紙の赤外透過光画像を用いた人工物メトリクスにおける個別性の評価を行う。スキャナを使用して再生紙,上質紙および塗工紙の赤外透過光画像を採取し,照合領域のデータサイズや紙品種を変更したときの認証精度をFMR/FNMR曲線によって評価した。その結果,FMR(誤一致率)の値は,再生紙>上質紙>塗工紙の順となり,FNMR(誤不一致率)は塗工紙>上質紙>再生紙の順となった。また,紙検体のスキャナ提示時に発生する回転ずれによる精度低下の対策として領域分割による照合方法を提案し,その有効性を示すとともに,統計的手法を用いて再生紙のEER(等誤り率)の推定を行った。その結果,データサイズ2,048pixあたりのEERは10-20以下となり,再生紙の十分な個別性を確認することができた。
  • 石川 卓, 矢田 紀子, 長尾 智晴
    紙パ技協誌
    2011年 65 巻 6 号 585-594
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    紙幣や諸証券等のセキュリティ印刷物において,偽造品との差別化は重要な課題である。しかしながら,セキュリティ印刷物に新たな特徴的な要素を追加することは,コストの増加に繋がるため容易ではない。そこで,印刷物の基材となる「紙」がもつ情報を利用する分類手法に注目した。材料や製造条件等が異なることによって生まれる紙の特徴の違いを利用することが紙の分類において有効であると考えられる。
    現在までに,紙の分類方法として,紙の画像に現れる周期的な特徴の違いに注目した手法が提案され,その有効性が示されているが,より多様な紙の特徴の変化にも対応した分類方法として,紙の画像から算出可能な複数種類の特徴量を組み合せる方法が有効と考えられる。
    本報では,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)とサポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)を組合せた分類器作成手法である特徴量選択型SVMを用いて,撮像された紙の画像から算出可能な複数種類の特徴量を基に学習を行い,材料や製造条件等が異なる紙の分類を行う分類器を自動的に構成する方法を提案する。分類器の構成に用いる画像特徴量は,階調値を用いた特徴量,2値画像から得られる特徴量,分割した画像から得られる特徴量及びGray Level Co―occurrence Matrix(GLCM)から得られる特徴量を用いた。提案手法の能力を確認するために,メーカーの異なる紙及び作製条件の異なる手すきシートを用いて分類器を構成する実験を行った。その結果,材料や制作方法の違い等,様々な条件が異なる紙に対応した高精度な分類器を自動的に構成することができ,提案手法の汎化性と有効性を確認することができた。
  • 武井 俊達, 清水 文彦, 森下 敬士, 近藤 光隆
    紙パ技協誌
    2020年 74 巻 7 号 731-736
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル フリー

    これまで環境試料及び紙パルプ工場より発生する工程水の元素分析は,複数の元素を同時に測定する必要があることから,微量分析になることも多く,様々な装置が利用されてきた。なかでも微量金属の測定は,一般に誘導結合プラズマ発光分光分析のような高感度で広いダイナミックレンジをもつ,多元素同時分析が求められ,海水,河川水,排水など,さまざまな試料に応用されている。しかし,海水など環境試料中のマトリックス成分(目的元素以外の成分)は濃度範囲が広く,高濃度のマトリックスを含む試料を装置に導入すると,イオン化干渉(イオン化平衡がずれて測定波長の発光強度が変化)による,目的元素の検出感度低下,ベースラインの上昇を引き起こし分析精度が低下する。そこでマトリックス成分の干渉を抑制する手法としてイオン化干渉抑制剤及び簡易的な前処理方法である固相抽出法を検討した。

    本研究では,一般的にマトリックス濃度が高い海水及び白液(KP製造の苛性化工程で製造された液)であっても精度が高く,信頼性の高い分析値が得られるように固相抽出法などを検討し,あわせて迅速で簡便的な手法である蛍光X 線分析法による,高感度分析法も確立できたので報告する。

  • ─最新のラボ,オンライン電荷測定について─
    ダニエル オーンドルフ, 宮岡 博之
    紙パ技協誌
    2019年 73 巻 4 号 319-323
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/01
    ジャーナル 認証あり

    紙生産工程のパルプスラリー中には,繊維,フィラー,アニオントラッシュなどで構成されている。パルプ繊維の電荷は,アニオン(負電荷)でありトラッシュの電荷もアニオンである。プロセス用薬品や添加剤の多くはカチオン(正電荷)である。薬品やアニオントラッシュ,繊維の電荷を把握することで電荷を持つ化学物質の効率的な添加を可能とする。そのため,紙パルプスラリーの電荷量,特にアニオントラッシュの電荷,そして繊維自身の電荷は,何らかの方法で測定されなくてはならないことは明白である。

    本内容では,電荷測定装置として,リニューアルされた最新の2つのラボ用の装置,CAS touch! コロイド粒子電荷量計とFPA touch! パルプ繊維ゼータ電位計の特徴とその利用例を紹介する。両機種ともタッチパネルで簡便に測定ができ,小型かつ軽量で持ち運びも容易な設計になっている。電荷量計ではパルプスラリー中のアニオントラッシュの量をゼータ電位計では,繊維表面の電荷情報(ゼータ電位)を得ることができる。測定例として,テストライナー生産で目標とする紙力が得られず問題となっているケースを挙げる。電荷量計とゼータ電位計を使用することで,スターチが繊維に適切に吸着していないことがわかり,固着剤を添加してからスターチを添加することで,スターチが繊維に適切に吸着することが分かり,目標値の紙力を得ることができた。

    電荷測定をすることで,アニオントラッシュの電荷中和のための添加剤量の最適化や繊維へ添加剤が効率よく反応するための最適化ができ,適切な添加剤の選択や,過剰添加を避けられることが期待される。そのため,コスト削減,エネルギー消費削減が可能となり持続可能な社会への貢献にも繋がる。

  • 松島 理, 松島 成夫
    紙パ技協誌
    2005年 59 巻 5 号 730-739
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/25
    ジャーナル フリー
    ―様圧縮荷重を受ける段ボール箱型容器 (異方性 : 幅L, 高さh) の弾性ひずみ, 変形の表示を導出し, それらの挙動, 特性を議論した。
    幅方向垂直ひずみ, 高さ方向全変位の絶対値の最大値εx max, uy maxはLの増加によらず一定となり, Lの増加に伴い, 高さ方向垂直ひずみ, 主ひずみ, 主せん断ひずみの絶対値の最大値εymax, ε1 max, γ1maxは僅か増加し, せん断ひずみの絶対値の最大値γxy maxは顕著に増加, 減少し, 幅方向全変位のの絶対値の最大値ux maxは顕著に増加する。εx max, uy max, γ1 maxはExの増加によらず一定となり, Exの増加に伴い, εy max, ε1maxは僅か, ux maxは大きく増加する。Eyの増加に伴い, εxmax, εy max, γx ymax, ε1max, γ1 max, ux max, uy maxは大きく増加する。νxyyの増加に伴い, εx max, γxy max, γ1max, ux maxは大きく, εy max, ε1max, uy maxは僅か増加する。比εy maxx max, γxy maxx max, ε1 maxx max, γ1maxx max, uy max/ux maxは約10, 1.510, 10, 1, 12である。
  • Takayuki Takahashi, Yukitoshi Mine, Tadashi Okamoto
    Biological and Pharmaceutical Bulletin
    2018年 41 巻 12 号 1809-1817
    発行日: 2018/12/01
    公開日: 2018/12/01
    ジャーナル フリー HTML
    電子付録

    2,3-Dimethoxy-5-methyl-p-benzoquinone is a common chemical structure of coenzyme Q (CoQ) that conjugates different lengths of an isoprenoid side chain at the 6-position of the p-benzoquinone ring. In a series of studies to explore the cytotoxic mechanism of CoQ homologues with a short isoprenoid side chain, we found that a CoQ analogue without an isoprenoid side chain, CoQ0, showed marked toxicity against HeLa cells in comparison with cytotoxic homologues. Therefore, we examined the cytotoxic mechanism of CoQ0. Different from the cytotoxic CoQ homologues that induced apoptosis, 100 µM CoQ0 induced necrosis of HeLa cells. The CoQ0-induced cell death was accompanied by a decrease in endogenous non-protein and protein-associated sulfhydryl (SH)-groups, but this improved with the concomitant addition of compounds with SH-groups but not antioxidants without SH-groups. In addition, UV-spectrum analysis suggested that CoQ0 could rapidly form S-conjugated adducts with compounds with SH-groups by Michael addition. On the other hand, enzyme activities of both glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, which has a Cys residue in the active site, and α-ketoglutarate dehydrogenase complex, which requires cofactors with SH-groups, CoA and protein-bound α-lipoic acid, and CoA and ATP contents in the cells were significantly decreased by the addition of CoQ0 but not CoQ1. Furthermore, the decrease of an endogenous antioxidant, glutathione (GSH), by CoQ0 treatment was much greater than the predicted increase of endogenous GSH disulfide. These results suggest that CoQ0 rapidly forms S-conjugate adducts with these endogenous non-protein and protein-associated SH-groups of HeLa cells, which disrupts carbohydrate metabolism followed by intracellular ATP depletion and necrotic cell death.

  • 福原 宏之
    紙パ技協誌
    2023年 77 巻 3 号 251-254
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル 認証あり
    昨今の工業製品の色管理は非常に厳密に行われ,製紙業界も同様に高い品質管理が求められる。
    ライン内で紙の色を計測する事に加えて,ターゲット値とのズレ幅を補正するフィードバックを導入されているケースも増えてきている。一方で,その方法が充分に議論がされたものかどうかとなると話は別で,紙の特性や,測色機の特性によっては「一応」測色をしてフィードバックを掛けているに留まっているケースも少なくない。
    そこで抄紙機のシステム内で色を出来るだけターゲットに安定的に近づけるために何が必要かを分解して検討していくと,紙のどの位置で計測を行い,どの様な性能を持った測色機が理想的かが見えてくる。
    具体的な方法と仕様を例に挙げながら,高次元での色の自動管理の方法を提示する。
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