●要　　約：下腿部大伏在静脈本幹へのフォーム硬化療法を併用した大腿ストリッピング手術のポリドカノール濃度別に治療成績，術前後の静脈機能を比較検討した．ポリドカノール濃度は1%(A群，36例，45肢)，0.5%(群，44例，56肢)および0.33%(群，44例，52肢)を対象とした．空気容積脈波法にて術前，術後1，6，12，24カ月のvenous filling index(VFI)，venous volume(VV)，residual volume fraction(RVF)を測定した．血栓性静脈炎はA群18.6%，群7.1%，群3.8%で，A群が有意に高率であった．累積無再発率は12カ月でA群.4%，群92.%，群.5%であり，A群と群の間に有意差を認めた．VVの術前，術後12カ月値はA群116.7±40.6，.7±.4，群138.2±47.6，90.5±36.6，群130.5±45，.1±35.2であり，各群とも術後有意に低値であり，静脈うっ滞の改善を認めた．治療成績，静脈機能の結果からポリドカノール濃度は0.5%が最適であると考えられた．

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Esters of volatile organic flavor compounds were recovered from dilute aqueous solutions by pervaporation; ethyl acetate (), propyl acetate (PA), and butyl acetate (BA). A surface-modified tube-type alumina membrane was used to evaluate the effects of the feed concentration (0.15–0.60 wt%) and feed temperature (30–50°) on the separation of , PA, and BA from dilute aqueous solutions. The permeation flux increased with the increasing feed ester concentration and operating temperature. The separation factors for the 0.15–0.60 wt% feed solutions of , PA, and BA at 40° were in the range of 66.–78., .0–89.0, and 117.1–.7, respectively. , PA, BA in the permeate were concentrated up to .13–32.26, 11.44–34., and 14.96–36.37 wt%, respectively. Due to the high selectivity, phase separation occurred in the permeate stream because the ester concentration in the permeate was above the saturation limit. The fluxes of , PA, and BA at 0.60 wt% feed concentration and 40° were 254, 296, and 318 g/m²·h, which are much higher than those obtained with polymer membranes. In the case of PDMS at feed concentrations of 90–4800 pp, and at 45°, it was reported that the permeate flux of was 1.1–58 g/m²·h. Compared to PDMS, the surface-modified membrane investigated in this study showed a much higher flux of esters.

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両性イオン型高分子をレーヨンに混合紡糸した臭気物質のための新規な繊維状吸着材を試作し，水溶性臭気物質に対する吸着・除去特性を調べた．アンモニアに対する吸着特性を調べたところ，本繊維状吸着材は，繊維母材であるレーヨンと比較して明らかに大きい吸着量と吸着速度を示した．また，消臭加工繊維製品認証試験に従った減少率評価試験を行ったところ，本繊維状吸着材は酸やアミンに対して高い減少率を示したが，アルデヒドや硫化水素に対しては低い値であった．これらの結果から，本繊維状吸着材の吸着機構は，吸着材表面に形成される水和層への分配と両性イオン型官能基への静電的相互作用であることが示唆された．さらに，本繊維状吸着材の再利用の可能性について調べたところ，酢酸に対しては水洗浄により再生可能であることが判った．本検討の結果，本繊維状吸着材は水溶性でかつイオン性を有する臭気物質の吸着・除去に適用可能であると考えられた．

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化粧に関する心理学的研究は，1980年代から盛んになってきた．化粧は慈しむ化粧（スキンケア）と飾る化粧（メーキャップ・フレグランス)に大別されるが，感情に及ぼす影響に関する研究は，そのいずれもが高揚と鎮静をめぐるものであった. 喩えるなら，メーキャップによって心を固く結んで「公」の顔をつくって社会に飛び出し，帰宅後にはメーキャップを落とし，スキンケアをすることで心の結び目を解いて「私」の顔に戻るのである．すなわち，化粧は日常生活に組み込まれた感情調節装置である．

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Potassic-ferropargasite, ideally KCa₂(Fe₄²⁺Al)(OH)₂, is a new member of the amphibole group occurring in a schistose calcareous hornfels from Kabutoichiba, Kameyama, Mie Prefecture, central Japan. The amphibole occurs as black subhedral to anhedral crystals, up to about 700 μm long, associated with calcite, biotite, K-feldspar, plagioclase, scapolite, chlorite and titanite. Potassic-ferropargasite is optically biaxial negative with α = 1.680(2), β = 1.690 (calc.), γ = 1.698(2) and 2V = -90°. The mineral is monoclinic, space group /m, with refined unit-cell parameters a = .937(5), = 18.108(5), = 5.335(4) Å, β = 105.30(3)°, V = 926.0() ų, Z = 2. The three strongest lines in the X-ray powder-diffraction pattern [d in Å (I) hkl] are 2.72 (100) 151, 8.48 (81) 110 and 2.61 (59) 061. Electron-microprobe gave SiO₂ 38.08, TiO₂ 1.92, Al₂O₃ 15.12, Cr₂O₃ 0.44, FeO 19.96, MnO 0., MgO 6., CaO 11.73, Na₂O 1.57, K₂O 2.74, F 0.13, Cl not detected, O = F + Cl -0.05, total 98.08 wt%, corresponding to (K_0.54Na_0.42)_Σ0.96()_Σ2.00(Fe²⁺

2.59Mg_1.44Al_0.67Ti_0.22Cr_0.05Mn_0.03

)_Σ5.00(Si_5.91Al_2.09)

Σ8.00O₂₂

(

OH_1.94F_0.06

)_Σ2.00 on the basis of O = 23, assuming OH + F + Cl = 2. The crystal structure of the clinoamphibole type was refined to an R of 6.5%.

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本研究では，色と香りの印象的次元における調和性を検討した．まず，色や香りの印象的次元の抽出と調和関係を検討した．その結果，印象的次元としてMILD，CLEARの2次元が得られ，これらを変数として調和予測式を構成した．次に，色と香りの調和，不調和ぺアを用いて組み合わせによる効果を検討した．そこから，調和ぺアでは，色，香りの本来の印象が強調されること，調和ぺアの方がストレス緩和効果が高いことが分かった．以上を踏まえ，調和予測式を可逆的に確かめた上で，色と香りの調和モデルを提案した．

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人は自らの情動を表出したいという願望を持っているが、その実施は困難であったり、社会的な問題を引き起こすことも多い。表出筆記とは、自らの感情を包み隠さず自由に書き表すことを指し、これは、制約下がある多くの状況においても行なうことができる。本論文は、筆記開示とその心身の健康に及ぼす効用についてこれまでの研究を概観していく。自らの感情を筆記することは、健常群でも臨床群でも心身の健康に効果をもたらすことが示されている。この効果は、文化を超えて、また幅広い参加者において繰り返し報告されている。本論文後半では、効果が生じるメカニズムと開示の弊害、そして新たな試みについて論じる。開示を行なうと、一般に短期的なストレス反応が生じた後、長期的な改善効果が見られる。このような開示の効果のメカニズムについては、現在までに、複数の見解が提案され研究が進められている。近年では、筆記開示は新たなテクノロジーと組み合わされて、様々な場面に適用され始めている。

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症例は75歳，女性。1997年7月に甲状腺原発非ホジキンリンパ腫の診断を受け，CHOP類似治療を5回受けたが完全寛解が得られず，甲状腺摘出術とetoposideの投与が行われた（1998年2月∼2000年5月，総量16775mg）。2000年6月汎血球減少のため当科に紹介，典型的な骨髄像より治療関連急性前骨髄球性白血病(t-APL)と診断した。染色体分析では20細胞すべてがt(15:17)をもち，さらに4細胞はt(;)を伴っていた。All-trans retinoic acidを中心とした治療により完全寛解が得られ，染色体異常も消失した。10ヵ月後再発したが，染色体異常はt(15:17)のみであった。遺伝子検査をおこなっておらず，t(;)の病状への関与については充分に検討し得ないが，これまでにt(15:17)とt(;)を同時に持つt-APLクローンの報告例はなく，きわめてまれな症例である。

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In this study, we successfully isolated two compounds, 17T223A (1,

O₁₀ ) and 17T223 (2, H₂₀ ), from a culture of Streptomyces sp. 17T223. Spectroscopic analyses revealed that these two compounds belong to the spiroximicin family. The chemical structure of 2 was consistent with that of the established antibiotic spiroximicin, whereas 1 was previously unknown. Furthermore, 1 exhibited moderate radical -scavenging activity, with an ₅₀ of 1000 μM, whereas 2 showed no radical -scavenging activity, even at an of 2000 μM. Significant antimicrobial activity was exhibited by 2 whereas 1 exhibited no antimicrobial activity, suggesting that the epoxide portion of 2 influences its antimicrobial activity.

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日本人は昔から毎日の入浴習慣があり， 体臭も比較的少なく，香りは控えめのものを好む傾向があった．しかし近年，香水や様々な海外製品に触れる機会が多くなったことや食べ物も欧米化したことなどから，香りの嗜好が多様化していることがうかがえる．香りを嗅いでリラックスやリフレッシュをしたい，香りで楽しく幸せな気分で家事をしたいなどのニーズがあらわれてきている．本稿では，重要な役割を占めるようになってきたトイレタリー製品の香り開発事例について報告する．

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においに対するヒトの感覚強度は，加齢とともに変化することが確認されており，高齢者では徐々に感度が低下する．一方，においの質の違いを嗅ぎ分けるような識別力は，においの種類によって結果に違いが生じる．例えば，食品は身近で日常的に慣れ親しんでいるものであり，そのにおいとそうでないにおいとでは，馴染みのあるにおいのほうが識別率は高い．また，においに対する嗜好には，生活環境や習慣が関与する．ここでは，においに対する識別や嗜好の様子から，においがヒトの認知機能にどのような関わり方をしているのか考えてみたい．

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本研究では，都市ガスの臭質カテゴリーを用い，現行の付臭剤および付臭剤候補の臭気の反復提示が臭質カテゴリーへの適合度評定に用いられるテンプレートの様相に及ぼす影響について検討した．実験協力者は，異なる提示スケジュールで臭気の反復提示を経験した後に各臭気における「都市ガスのニオイ」という臭質カテゴリー名に対する違和感評定課題を実施する2つの反復提示あり群，もしくは違和感評定課題のみに参加する反復提示なし群のいずれかに振り分けられた．違和感評定値に基づいて，群ごとに実験協力者を更に新規付臭剤敬遠群（以後，敬遠群）と新規付臭剤受容群（以後，受容群）に分割し， 3群間で敬遠群と受容群の人数分布を比較したところ，臭気の反復提示により両群の人数分布は変化し，敬遠群が受容群に変容する可能性が示唆された．従って，臭気の反復提示後には臭質カテゴリーへの適合度評定に新たなテンプレートが用いられる可能性が示された．

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麻酔の血清クレアチンフォスフォキナーゼ(CK)レベルに及ぼす影響を調べた. 39人の患者を麻酔法, 年齢によりA群, n=15, 全麻(N₂O-O₂-エンフルレン), 10歳以下(6.±2.1歳); 群, n=15, 全麻, 10歳以上 (27.7±16.5歳); 群, n=, 局麻, 成人 (40.2±15.6歳) の3群に分けた. A, 群では扁摘術を, 群では副鼻腔炎手術を行った.
A, , 群およびA+群 (全麻群) の術前、術中、術後のCK値 (mU/ml) はそれぞれ, (A群), 59.20±4.34, 163.±41.70, 254.73±60.20; (群), 63.±7.83, 72.00±.05, 111.67±30.46; (群), 43.11±2.53, 45.00±.08, 50.±.75; (A+群), 61.50±4.42, 123.00±28.73, 183.20±35.71 (mean±SE) であった. A群の前後値間, A+群の前中後値間, および全群の後値間に有意差が認められた. CKのサブタイプはMM型が%以上を占め, 術後5日以内に正常化した.
以上より, 全身麻酔は骨格筋細胞膜の安定性を障害し, その障害性は小児においてより高度であると結論した.

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Initial processing of facial expressions of emotions has been shown to occur very fast, even without awareness. In order to determine whether the fast initial processing of facial expressions is categorical, we investigated temporal characteristics of categorical perception (CP) of facial expressions. We examined the effects of shortening stimulus duration on participant performance with respect to identifying (Experiment 1) and discriminating (Experiment 2) morphed facial expressions. Results of the two experiments suggested that CP was attenuated or even disappeared when facial stimuli were presented for as briefly as 50-75 milliseconds. These findings suggest that CP may be irrelevant in the fast initial processing of facial expressions.

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症例は50歳男性。汎血球減少の精査目的で入院。骨髄検査では芽球38%, 前骨髄球20%, Faggot細胞陽性。染色体検査で46, XY, t(15;17)(q;q12)[]/46, XY, del(6)(q?), t(;)(q34;q11.2)[1]/46, XY[10], RT-PCR法でPML-RARA 5.2×10⁴ copies/μgRNA, minor BCR-ABL 6.5×10² copies/μgRNAが検出された。急性前骨髄球性白血病としてall-trans retinoic acidで治療し，51日目に血液学的寛解に到達した。寛解時の染色体は46, XY[20]であり，PML-RARA 2.4×10² copies/μgRNA, minor BCR-ABLは検出感度以下であった。本例のt(15;17)とt(;)は別クローン由来と考えられ，転座に対応するキメラ遺伝子も証明された。同様の報告はこれまでなく，貴重な症例と考える。

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