日本食品科学工学会誌
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技術論文
凍結解凍処理による豆乳中7S・11Sグロブリンの簡易分画技術
守田 和弘横井 健二
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2011 年 58 巻 8 号 p. 392-397

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抄録

凍結解凍を用いて豆乳中の7Sグロブリンと11Sグロブリンを簡易に粗分画する方法を開発した.非加熱豆乳(生豆乳)を-30℃で凍結し,10℃で24時間静置解凍した.凍結解凍処理した豆乳は2層に分かれ,その重量比は上層 : 下層=3 : 2であった.SDS-PAGE解析の結果,7Sと11Sの量比は上層では1 : 0.14であったが,下層では1 : 1.7であった.上層と下層を種々の割合で混合し,豆腐カードを試作して破断応力を調べたところ,下層の割合が増えるにつれ,破断応力は高まった.上層から調製したカードは柔らかくなめらかであり,これを用いてユズ果汁により酸凝固させ,新規デザート様製品を試作した.生豆乳から同様に調製した対照品と比較して官能検査を行ったところ,新規デザート様製品は,なめらかで口当たりが良いと判断された.これらの結果は,簡易で実用的な凍結解凍処理により,豆乳中の7Sと11Sが粗分画でき,この方法が新製品の開発につながることを示唆した.

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