日本食品科学工学会誌
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画像解析による炊飯米の外観評価
柳原 哲司
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2000 年 47 巻 7 号 p. 516-522

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抄録

炊飯米の外観を少量の試料で迅速に客観評価する方法を開発するために,画像解析装置の応用を試みた.炊飯米の外観を測定するための測定パラメーターの設定をおこない,少量炊飯条件および画像取り込み時のばらつきについても検討を加えた.また,画像解析測定値と官能評価との関連性を検討して,炊飯米の外観を評価する方法としての有効性について検討した.得られた結果は次の通りである.
1.炊飯米の白さを画像解析により測定するためのパラメーターとして,画像の平均輝度値を設定し計測したところ,官能評価値と有意な相関関係が認められた.
2.炊飯米のつやを画像解析により測定するためのパラメーターとして,画像中の高輝度部分を抽出し,累積画素数を計測したところ,官能評価値と有意な相関関係が認められた.また,この閾値として輝度値185を設定した.
3.これらの測定パラメータを用いて,画像解析をおこなうことにより,炊飯米の外観を客観的に機器測定することが可能になると考えられた.
4.炊飯時の加水条件について検討し,白米重量比1.5倍に統一した.
5.画像取り込み時のばらつきおよび炊飯ロットによる測定値のばらつきは小さく,十分な再現性が得られた.
6.設定した測定スキームに従えば,25gの白米試料で,1日に約100点程度の測定が可能である.

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