本研究で筆者らは加工菓子の廃棄物であるクリ皮から得られるポリフェノールを用い,メタボリックシンドローム予防の可能性について検討した.クリ皮ポリフェノールの主成分は縮合型タンニンと推察され,4-MU oleate並びにトリオレインを基質に用いた反応系において,強い膵リパーゼ阻害効果を示した.また,ラットを用いた脂質吸収抑制試験においても,濃度依存的に抑制効果を示し,125mg/kgおよび500mg/kgの投与群において,有意に血中中性脂肪濃度は低下した(p<0.05).これらのことからクリ皮ポリフェノールは,抗メタボリックシンドローム素材として有用であると考えられた.