アジア民族造形学会誌
Online ISSN : 2759-0798
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水野 通雄
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2022 年 18 巻 01 号 p. 64-65

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抄録
<研究ノート> 一見して、インカ・アステカの戦士のように見えるこの人物像は調べていくと、なんと東洋の遺物であり、お隣の朝鮮半島の出土物であることを知らされた。朝鮮の三国時代5世紀にさかのぼり、同様の遺物が半島東部の新羅の古墳から多く出土されている。668年、大国であった高句麗は唐と新羅の連合軍によって滅亡し、新羅が半島を統一した。 この収蔵品は統一新羅の頃とされ、祈祷の際の水差しとして使われたとされる。同様の遺物が韓国の国立中央博物館、慶州博物館に所蔵されており、前者は国宝91号に指定されている。 収蔵品は馬の頭部に一角獣のような角があり、鞍に跨った戦士が鐙に足をかけている。ハーネスがめぐらされた馬体の胸のあたりには水を注ぐ長いくちばしがあり、左右に馬鈴がある。人物の後ろに漏斗があり、そこから水を注ぐと、長いくちばしから水が出るようになっている。祈祷の際、死者があの世へ導くために水かけをしていたのであろう。
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2022 アジア民族造形学会
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