日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
フランジテクニックを用いて下顎全部床義歯を製作した症例
八木 まゆみ
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2009 年 1 巻 3 号 p. 335-338

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抄録
症例の概要:77歳の女性,3年前に上下顎全部床義歯を製作したが,装着時より下顎義歯の動揺による機能障害があると訴えた.そこで,フランジテクニックを用いて義歯を製作した.
考察:現有下顎義歯の粘膜面の適合は良好で,咬合にも異常は認められなかったが,下顎顎堤が高度に吸収しており,顎堤粘膜の複数個所に潰瘍を形成していた.筋圧の不均衡による機能時の義歯の動揺を考慮して,機能印象採得を利用して新義歯製作を行った.
結論:デンチャースペースの採得を行う事により,義歯の動揺が改善し患者・術者共に満足の得られる結果となり,3年経過した現在も経過は良好である.
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© 2009 社団法人日本補綴歯科学会
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