2018 年 10 巻 1 号 p. 83-86
症例の概要:患者は78歳女性.上顎前歯部の連結冠脱離および下顎左側臼歯部インプラント撤去に伴う咀嚼困難を主訴に初診来院した.下顎左側臼歯部の顎堤の吸収は高度であり,咬合支持域も減少していたことや侵襲の大きな治療は避けたいという患者の希望も考慮し,下顎に金属床義歯を,上顎にオーバーデンチャーを装着した.
考察:上顎はオーバーデンチャーとしたことで上顎前歯部は過重負担が抑えられ,下顎は金属床義歯により義歯の安定性が向上したため良好な予後を得られたと考えられる.
結論:下顎の高度な吸収を伴った症例に対して部分床義歯を,咬合支持域の減少した上顎にオーバーデンチャーを用いることで良好な治療結果を得た.