2021 年 13 巻 3 号 p. 257-260
症例の概要:患者は50歳の女性.上顎フルアーチブリッジの動揺および疼痛による咀嚼困難と下顎義歯の審美不良を主訴に来院した.上顎に対し,保存不可能と判断した残存歯を抜歯後,即時荷重によるインプラント治療を選択した.下顎臼歯部はインプラントによる歯冠補綴を行い,下顎前歯部はオールセラミッククラウンによる審美的改善を行った.
考察:術前と術後の口腔関連QoLの評価では改善が認められたことから,今回の一連の治療によって,患者の主訴が改善されことが示唆された.
結論:咀嚼障害と審美障害に対し,インプラント補綴と歯冠補綴を行うことにより機能回復および審美回復を得ることができた.