2021 年 13 巻 4 号 p. 341-344
症例の概要:患者は72歳男性.下顎前歯部歯肉の自発痛を主訴とし,下顎臼歯部欠損補綴も希望して来院した.下顎臼歯部欠損と全顎的な咬耗に起因した低位咬合を呈していたため,歯周基本治療後に治療用義歯を用いて咬合挙上を行った.その後,咬合挙上した下顎位で調整を行ったプロビジョナルレストレーションの形態を再現した最終補綴装置を装着した.
考察:プロビジョナルレストレーションと治療用義歯を用いることで,適正な下顎位およびアンテリアガイダンスを最終補綴装置に反映させることができた.
結論:低位咬合を呈する患者に対して咬合挙上により適正な下顎位とアンテリアガイダンスを与えたことで,咀嚼機能や審美性が改善された.