2023 年 15 巻 3 号 p. 409-412
症例の概要:66歳女性.上顎前歯部補綴装置の審美不良を主訴に来院した.上下顎の大きさの差異が顕著であり,前歯部反対咬合の対向関係を示す上顎前歯部欠損症例に対し,上顎テレスコープ義歯および下顎歯冠補綴装置を新製した.
考察:治療用義歯を含むプロビジョナルレストレーションにより咬合平面を改善し,装着感と審美性について十分に検討した後に最終補綴装置へ移行したことにより,患者の十分な満足を得ることができた.
結論:リジッドサポートの概念に基づく可撤性義歯の装着により,審美性を改善し,患者の十分な満足を得ることができ,良好な経過が得られた.