抄録
症例の概要:初診時55歳男性.右側頬粘膜癌に対し下顎骨辺縁切除術,上下顎腹直筋皮弁再建術を施行した.術後に上下顎顎義歯を装着し,さらに下顎顎義歯にリッププランパーを付与して顔貌の回復を図った.
考察:装着後5年,維持・安定は良好で,咀嚼・嚥下・審美障害の回復が得られ,QOLの向上に寄与していた.しかし術後5年目頃より腹直筋皮弁の増殖・肥大を認め,顎義歯による咬傷が生じたため,口腔外科にて皮弁減縮術を行い,顎義歯を再製作した.術前・術後を通して口腔外科と協力してフォローアップすることが,頭頸部腫瘍患者のQOLの向上にきわめて重要である.
結論:頬粘膜癌腹直筋皮弁再建患者に対して顎義歯により機能回復を図り,良好な結果を得た.