日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
高度な顎堤吸収を伴う無歯顎症例に対する補綴治療
小澤 宏亮
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 6 巻 1 号 p. 51-54

詳細
抄録
症例の概要:患者は81歳女性.下の入れ歯が痛くて咬めない,咀嚼困難を主訴に来院した.上顎顎堤はフラビーガムが存在し,上下顎ともに高度な顎堤吸収がみられた.新義歯製作時には,フラビーガム部を無圧印象し,ゴシックアーチを用いて水平的顎位の決定を行った.上顎義歯の安定を図るため大臼歯部を中心に咬合重心を設定し補綴治療を行った.
考察:義歯床の適正な大きさ,下顎位の安定,フラビーガムに対する咬合重心の設定を考慮することにより,義歯の維持・安定が得られたと考えられる.
結論:高度顎堤吸収の患者に対して,顎堤の状態,顎位,咬合重心を考慮した義歯を新製したことにより,患者の満足いく治療結果が得られた.
著者関連情報
© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top