日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-17
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ポスター発表
味噌漬カツオ肉および味噌漬後凍結カツオ肉のタンパク質の変化について
*山崎 歌織外西 壽鶴子御木 英昌
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キーワード: カツオ, 味噌, 味噌漬カツオ
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抄録

【目的】味噌漬カツオ肉の美味しさについて保持可能な期間において化学的・組織学的に検討した結果、味噌漬10日間のカツオ肉が最も美味しい事が分かり、味噌を外して7日間凍結保存できることを既に報告している。今回、旨味に関係のある遊離アミノ酸は味噌漬カツオ肉および味噌漬した味噌で変化があるか調べたところ、両者共遊離アミノ酸の変動が認められた。この結果は味噌漬の味噌中タンパク質の分解によるものか、もしくはカツオ肉タンパク質の分解によるのかSDS電気泳動法にて検討することにした。
【方法】凍結カツオ肉を解凍後切り身(20±1g)にし、同量の麦味噌で覆いラップで包み5℃で冷蔵して味噌漬かつお肉試料および凍結保存して凍結味噌漬かつお肉試料とした。それぞれの試料を3から20日保存後、試料の肉片をホモジナイズしSDS電気泳動法にて味噌漬の味噌および味噌漬カツオ肉のタンパク質の分解を調べた。
【結果】味噌漬に使用した味噌中遊離アミノ酸はほとんどのアミノ酸が一旦は減少するもののその後は増加傾向がみられた。一方、味噌漬カツオ肉中の遊離アミノ酸はほとんどのアミノ酸で生カツオ肉に比較して増加が認められた。特にグルタミン酸は味噌漬後カツオ肉中に急速に増加した。このアミノ酸の変動を解析するために、味噌漬した味噌および味噌漬カツオ肉のタンパク質の分解過程を電気泳動像で確認したところ、味噌漬10日のカツオ肉の高分子のタンパク質が分解しているようであった。味噌漬によりカツオ肉および味噌漬後凍結カツオ肉は両者とも軟化することがテクスチャー測定により判明している。現在さらに、味噌漬した味噌および味噌漬カツオ肉のプロテアーゼ活性の変動についても検討中である。

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