抄録
【目的】近年、社会環境の変化に伴い、食に関する教育の場が家庭から今まで以上に学校・地域へと期待されるようなってきた。全児童が食する学校給食を通して学校の現場における教諭の指導方法の実態を調査し、今後の望ましい食教育の指導方法を検討することを目的とした。
【方法】学校給食における小学校給食時間の観察(教諭の行動、発話、子どもの反応)を行うとともに、各市町村で作成される給食便り、給食時の放送で流れる給食一口メモの分析と子どもに身に付けさせたい力の給食における教育目標のカテゴリー分類を試みた。
【結果】(1)子どもに身に付けさせたい力の教育目標を学習指導要領、学校給食法、食育基本法等を参考に摂食行動、社会性、健康、食品、自然恩恵・感謝、食文化に分類した。(2)給食中の児童観察の結果、クラスにより相違はあるが、残滓ゼロ、時間を意識した「食べなさい」という摂食促し行動が最も多く、当番への指導、静かに食べるよう促す学校生活上での社会性の指導が次いで多かった。(3)給食便りの内容は、栄養、体との関係を取り上げた健康の割合が高く、次に食品に関する内容が高かった。給食一口メモでは健康が最も多く、次いで食文化であった。(4)カテゴリー化した給食における教育目標を教諭の指導、給食便り、給食一口メモの内容を合わせることで、子どもに身に付けさせたい力のバランスが良くなることが明らかになった。教諭の給食指導においては、摂食行動、社会性に偏りがあることからも、給食便り、給食一口メモ等の活用を加えると効果的であると考えられた。