日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1D-a6
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口頭発表
チーズ由来の乳清ミネラル画分の塩味増強効果
― ハエ味細胞を用いた電気生理学実験による評価 ―
*白杉(片岡) 直子南 有紗鈴木 啓介村上 泰崇田宮 哲池田 憲司小松 耕平山下 敦史尼川 大作
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抄録

【目的】高血圧や胃がんなどのリスク要因である塩分過剰摂取を防ぐために、塩味代替・増強物質の開発が必要とされている。われわれはヒトの官能評価により、チーズホエイより調製した乳清ミネラル画分(WM)に、食塩に対する塩味増強効果を見出した。より客観的評価を得るために、ハエの塩受容細胞をモデルとした電気生理学実験によって、WMに塩応答の増強が見られるかを調べた。さらに、増強の度合いの定量化を試みた。WMのどの成分が塩応答増強効果を持つかについても関心を持ち、有機酸のうち最も含量の高い乳酸に着目し、乳酸ならびに乳酸塩のNaClに対する塩応答増強効果の有無について検討した。
【方法】各試料溶液でクロキンバエ(羽化後5~7日)味細胞を刺激し、味細胞からの塩応答をチップレコーディング法により電気的に記録、測定した。刺激後、0.15~0.35秒の活動電位(インパルス)の発生頻度を塩応答の大きさとした。0.1~2MのNaCl水溶液と1%(対NaCl濃度)WM添加NaCl水溶液について、同一ハエ個体を用いて塩応答頻度を測定、比較した。L‐乳酸、L‐乳酸ナトリウムは2.5mMになるようにNaCl水溶液に添加した。
【結果と考察】各種濃度NaCl水溶液ならびに1%(対NaCl濃度)WM添加NaCl水溶液に対するそれぞれの濃度-応答曲線を得た。WM添加は、0.25M NaCl水溶液を境に高濃度側で増強した。濃度-応答関係式であるBeidlerの味覚方程式より、WMの塩応答増強効果を具体的に相当するNaCl濃度で定量化できた。NaCl水溶液に対して、酢酸等と同様1)、低濃度L-乳酸にハエ味細胞の塩応答増強効果が見られた。ただし、WMの塩応答増強にはさらに複合的な要因があると推察された。文献1) Murata,Y., Kataoka-Shirasugi,N. and Amakawa,T.: Electrophysiological Studies of Salty Taste Modification by Organic Acids in the Labellar Taste Cell of the Blowfly. Chem. Senses ,27, 57-65(2002) 
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© 2009日本調理科学会
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