日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-a5
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口頭発表
電子レンジ加熱におけるスクロースによる抗酸化能保護効果
*安藤 真美北尾 悟
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抄録


【目的】砂糖は一般調理で最も使用頻度の高い甘味料であるが、調理過程における抗酸化能への関与については不明な部分が多い。今までに演者らは外部加熱法によるモデル系として、加熱時間および加熱温度を変化させた場合において、スクロースはアスコルビン酸溶液に対する抗酸化能減少抑制効果を有することを明らかとしている。一方、電子レンジ加熱(誘電加熱)は、マイクロ波照射により食品そのものが発熱する内部加熱法である。そのため、単時間で高温加熱が可能な調理法として一般調理に多く用いられている。そこで今回は、電子レンジ加熱におけるスクロースによる抗酸化能保護効果について検討した。
【方法】電子レンジ(Sharp AX-HC4)を用いて、モデル系としてアスコルビン酸添加(最終濃度:0.0033%)の有無、スクロース濃度(0、30、0%)、加熱時間(0秒、30秒、60秒、90秒)の組み合わせを変化させた。各組み合わせのペルオキシルラジカル捕捉活性能(AAPH-CL法)を、ルミネッセンスリーダー(ALOKA AccuFLEX Lumi400)を用いて測定した。また、アスコルビン酸量はヒドラジン法(HPLC L-7000,Hitachi)にて測定した。
【結果】アスコルビン酸単独溶液は、加熱時間の延長とともに顕著に抗酸化能の減少が見られたが、同濃度のアスコルビン酸にスクロースが共存すると、抗酸化能の減少が有意に抑制された。このスクロースによる抗酸化能の減少抑制効果は、加熱時間が長くなるほどスクロース濃度依存的であり、スクロース濃度30%の場合は90秒加熱で抗酸化能減少抑制効果が低下したが、スクロース濃度60%の場合は有意に維持されていた。
 以上の結果、スクロースは電子レンジ加熱においても加熱により影響を受けやすい抗酸化成分に対してその保護効果を有することが示唆された。

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