日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-14
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ポスタ-セッション
食品の出回りと学校給食における食材の利用の変化
*新澤 祥恵中安 章
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キーワード: 学校給食, 食育, 食生活
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抄録

【目的】食育の中で食に関する情報を与える教材としての意義が期待される学校給食の食材について、青果物を取り上げ、特に消費動向との関連で検討した。
【方法】金沢市立小学校における学校給食の実施献立より、使用食品などについて、『金沢市中央卸売市場年報』『家計調査年報』と比較検討した。調査年度は今回入手することができた最も古い5年間隔で1984~2004年の5時点に2005年と2006年を加えた。
【結果】 1)学校給食での野菜の使用数量や頻度で多いものは「たまねぎ」「じゃがいも」「にんじん」「キャベツ」である。これに対し、『市場年報』や『家計調査年報』では「だいこん」「玉ねぎ」「じゃがいも」「キャベツ」が上位を占めている。このうち、「玉ねぎ」については1990年頃まで増加傾向を示した市場動向と同じ動向であったが、「キャベツ」は生野菜の使用が制約されることから、減少していた。「にんじん」は市場動向では増加傾向であるが、学校給食では、従来多い食品であったが、近年は食材の多様化と相俟って、やや減少傾向である。この他、市場動向で増えている「トマト」「レタス」は少なくなっている 2)青菜類は「ほうれん草」に、きのこ類は「しいたけ(または干ししいたけ)」に特化していたが、学校給食、市場動向とも、「小松菜」「なのはな」「チンゲンツァイ」や「えのきたけ」「しめじ」「なめこ」などにと使用食品の多様化傾向がみられた。 3)地場農産物の利用が課題となっている。今回の資料で産地の特定は出来ないが、「たけのこ」は年に一回、5月に使用されていたが、2004年では4月に使用されており、県内産の最多入荷月の変化と合致していた。
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© 2009日本調理科学会
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