日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-33
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ポスタ-セッション
さやえんどうの茹で時間と色、味およびACE阻害活性について
*四十九院成子 成子吉田 恵子山岸 美穂青木 操代小川 涼子内藤 美紀
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抄録

【目的】さやえんどう(以下絹さやと略す)は多くの家庭でも使われる食材の一つで、色どりのよい野菜として扱われているが、味よりも色調を重視し、固く茹でたものが好まれる傾向にある。そこで茹で時間と色、甘味および生理活性物質としてアンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme)阻害活性(以下、ACE阻害活性と略す)を指標とし、おいしさと色、味、生理機能等との関連を検討した。
【方法】試料として,北海道産の市販さやえんどうを用いた。各20gを洗浄後、1000mlの沸騰水で1~10分間茹で加熱後氷水で冷却し、色差(日本電色工業ZE-2000)を測定した。また、各時間加熱した試料をホモジナイズし、冷却遠心分離した上澄液をACE阻害活性及び糖度測定用の試料とした。ACE阻害活性の測定はHipp-His-Leu(ペプチド研)を基質として、山本らの方法に準じて行った。糖度は(株)アタゴPR-101で測定した。
【結果】絹さやの加熱時間と色、糖度、ACE阻害活性の変化について検討した。色の変化について肉眼では、1~2分が最も鮮やかで、次いで3~4分であった。それ以上茹でると褪色し、黄色味を帯びて好ましくなかった。色差計では、a*の緑(-)の度合いが減少し、b*の黄色(+)の度合いが増えて、相関が見られた。一方、糖度は3~4分が高く、味覚テストでも好まれ、色のピークと美味しさのピークにずれがあることが認められた。色の良さを重視するならば、青臭みが残るが1~2分加熱が良く、美味しさを重視するならば、3~4分加熱が良いと考えられた。またACE阻害活性の変化に一定の傾向は認められなかった。
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© 2009日本調理科学会
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