日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-39
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ポスタ-セッション
京都産アカモクの体成分分析および調理への応用
*荒木 葉子笹原 麻希西岡 純上野 義栄
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抄録

【目的】京都府では、海水の富栄養化が進んでいるが、その中で海藻を育てることにより水質改善を試みている。それに伴ってアカモクの藻場が広がりを見せているため、その利用法が検討されるようになった。本研究室では、これまでに岩手産アカモクの多糖類やミネラルなどの成分含量を測定し、品質特性を調べて、食用としての応用を検討してきた。そこで、本研究では京都産アカモクのフコイダン、アルギン酸およびミネラルを測定し、岩手産のものと比較するとともに、アカモクを使用した料理の試作検討を行い、資源の有効活用に貢献しようと考えた。
【方法】フコイダンの抽出は希硫酸抽出とアルコール分別法により行った。試料に0.1mol/l硫酸溶液を加えて室温でろ過を行い、得られたろ液にエタノールを加え遠心分離を行い、沈殿物を乾燥したものを粗フコイダン画分とした。アルギン酸ではフコイダン抽出の残渣試料に1%炭酸ナトリウム溶液を加えて室温で遠心分離を行い、得られたろ液にエタノールを加え遠心分離を行い、沈殿物を乾燥したものを粗アルギン酸画分とした。ミネラルはプラズマ発光分光分析法により測定した。
【結果および考察】京都産アカモクのフコイダンとアルギン酸含量を調べた結果、フコイダンは、7.9g(乾燥物100gあたり、以下同様)、アルギン酸は29.1gとなった。ミネラルではCaが1230mg、Mgが1320mg、Kが2350mg、亜鉛が11.1mgとそれぞれ高値を示し、岩手産と比較して遜色ないことがわかった。アカモク料理として、お好み焼き・餃子・鍋・豚汁・炊き込みご飯・デザート白玉など12品目の試作を行った。各々の料理にはアカモクが元来有す自然な色調が出ていて、好ましかった。海藻独特のニオイもきつくなく、適度であった。試作品によってはアルギン酸の保水保湿効果によるためか、しっとりとした仕上がりとなり、他の素材や調味料とよくなじむ傾向が認められた。今後も様々な食材との相性を試しながら、メニューをさらに展開し、アカモクの応用の幅を広げていきたいと考えている。
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© 2009日本調理科学会
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