日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-60
会議情報

ポスタ-セッション
関節リウマチ患者の装具を用いた調理活動
*廣田 真由子中村 眞理子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに】関節リウマチ(以下RA)は多関節に炎症を生じ,疼痛,関節破壊,変形をきたす慢性炎症性疾患である.リハビリテーションでは,早期から関節破壊を予防し生活の質を維持する目的で筋力強化や関節可動域維持,日常生活動作指導などと共に,関節の機能の補助や物理的な負担を目的とし装具が処方される.一方,調理は家庭内で毎日繰り返され,家事の中でも重要度が高いとされ家庭内役割としても重要な位置を占める.そこで,装具の適応と効果を検討するため,握力の変化や日常生活の中で重要度の高い調理動作の変化を分析した.
【対象】研究の趣旨を説明し同意を得た女性60代RA患者1名Steinbrokerのclass分類II,変形は右示指に軽度スワンネック変形,右母指Z型変形あり.
【方法】熱可塑プラスチックを用い右示指,母指に関節保護用装具を作成した.握力の測定およびフライパンで物を炒める動作(IHクッキングヒーター使用)を行い,装具の未装着時および装着時それぞれでデジタルビデオで撮影し動作を分析し比較検討した.あわせて調理に対するイメージ,装具に対するイメージをSemantic Differential(以下SD)法にて調査した.
【結果と考察】装具および調理のイメージでは装具を使用した調理に対する抵抗感は認められず調理に対する前向きな意欲が伺われ,対象者にとっての調理活動の重要性が示唆された.握力については装着前/装着後13.3kg/14.1kgで装具の装着により向上が見られた.装具装着の有無による調理動作には動作ではわずかではあるが関節角度と動作パターンの変化が見られた.調理のような患者の意欲の高い活動の中で装具を利用することは,変形予防への意識を高めるとともに動作遂行の質を向上させる可能性があると思われた.
著者関連情報
© 2009日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top