抄録
【目的】 新潟県の「のっぺい」は、昔(昭和後半期)から現代まで、新潟の伝統的な郷土料理として受け継がれてきた。社会情勢の変容に伴ってスローフード運動や食育の視点から、その伝承料理が廃れていないことを確認する目的で、女子短大生にアンケート調査を行った結果について報告する。
【方法】 県立新潟女子短大生活科学科食物栄養専攻2年生(41名)を対象とした調理学実習(応用編)において「のっぺい」のアンケート調査を実施した。学生達の出身地区は下越63%、中越8%、上越13%、佐渡3%、県外13%であり、下越地区が最も多かった。
【結果】 新潟県内において「のっぺい」の呼び方は、「のっぺ」が圧倒的に多かった。下越の新発田市では「こにも」、村上市では「大海」、中越の古志では「こくしょう」、上越市では「いとこ煮」と呼ぶ。「のっぺい」は下越でよく食され、次に、概して中越よりも上越の方が比較的多く食されている。喫食時期は、正月に食べる人が圧倒的に多く、日常食または法事などに幅広く食される。喫食環境は、「家で作る」が圧倒的に多く、作る人は母または祖母であり、食材は、さといも、人参、こんにゃく、蒲鉾、鶏肉、鮭、イクラ、貝柱、しいたけ、タケノコ、銀杏などが多く利用されている。さといもの調理法については、下越地方では「さといものぬめりを残す」が多く、中越地方では「ぬめりを残す」が少なく、上越地方では「ぬめりをとる」または「残す」であった。「のっぺい」を好きな理由には、「新潟の伝統料理である」、「お袋の味」、「さといものぬめりと食感」等をあげていた。新潟では、現在も我が家の「のっぺい」作りに腕をふるわせている光景を知ることができた。