日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-35
会議情報

ポスタ-セッション
アナアオサの食利用
*山本 淳子小出 あつみ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


【目的】 アオサの多くは、岩場に付着し生長するが、ちぎれてからも海面を漂いながら生長するため、海面を覆うグリーンタイドや、海岸にうちあげられ腐敗することから、不要にあつかわれてきた。また、食味が悪く繊維が硬いことなどから昆布やワカメのように利用されてこなかった。身近な海藻であるアオサの利用拡大は急務である。日本全国、北から沖縄までみられるのがアナアオサ(Ulva pertusa)である。アナアオサの基礎データを測定し、食品の利用へ結びつけることを目的とする。そこで、麺に加えることにより、アナアオサの成分変化を測定し、製品としての効果を検討した。
【方法】 アナアオサは、水産試験場より新鮮なものを入手した。基礎データとして、アスコルビン酸(AsA)とデヒドロアスコルビン酸(DHA)の定量、グルタチオンの定量および、クロロフィル、カロテン量の測定を行った。麺に加えた場合の成分についても同様の測定を行った。さらに、麺の物性、官能検査を行った。
【結果】 アナアオサのアスコルビン酸量は、17mg/100gと他の海藻に比べて高かった(他の海藻類:成分表比較)。麺への加工には、アナアオサをペースト状および、乾燥粉末で加えた。ペースト状のもので、小麦粉の20%加えても官能評価は好評であった。

著者関連情報
© 2009日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top