抄録
【目的】未利用資源であるおからとゴマ脱脂粕を複合化素材とし、テンペ菌で発酵させることにより、たんぱく質の分解によるアミノ酸・ペプチド類の増加、アミノ酸の捕捉効果および抗酸化成分の相乗効果が期待できる。本研究では、日常的に利用できる機能性発酵食品であるテンペの開発をめざし、製造条件および製品の検討を行なった。
【方法】乾燥おから(株式会社みすずコーポレーション)とゴマ脱脂粕(かどや製油株式会社)を用いてテンペ製造条件を検討した。配合割合は乾燥おから:ゴマ脱脂粕=100:0、75:25、50:50、25:75、0:100の5条件、加水量は同量とし、テンペ菌を加え、32℃ 24時間発酵させた。出来上がったテンペの総ポリフェノール量、遊離アミノ酸量、破断特性およびテクスチャー特性を測定した。
【結果】乾燥おからとゴマ脱脂粕による複合化素材でテンペを製造することができた。総ポリフェノール量は原料に比べテンペにすることで増加した。これは、おから中のイソフラボン配糖体やゴマ脱脂粕中のリグナン配糖体がテンペ菌に含まれるβ-グルコシダーゼの作用で分解したことに由来するものと考えられる。遊離アミノ酸量は,いずれの配合割合においても、テンペ菌発酵により増加が認められ、うまみ成分やギャバの増加が観察された。テンペの破断応力は、ゴマ脱脂粕の割合の増加に伴い低下し、軟らかいテンペとなった。ゴマ脱脂粕テンペの付着性は乾燥おからテンペに比べ、著しく高い値を示し(p<0.01)、口の中でまとわりついた。テンペ菌発酵により総ポリフェノール量が増加しており、抗酸化性の向上も期待できるため、その点について今後の検討が必要である。