抄録
【目的】野菜類はビタミン類、ミネラル、食物繊維の供給源であるが、繊維質に富み、咀嚼・嚥下困難者には食べにくいとされている。本研究では、各野菜料理のテクスチャー特性について調べ、嚥下食レベルに対応した調理法の工夫と献立を検討した。
【方法】根菜類、葉菜類、果菜類等を用いてポタージュ類を調製し、市販の野菜ジュース等を比較試料とし、B型回転粘度計(VM-150F)を用い、12rpmで、2分間の粘度を測定した。テクスチャー特性値については、ピュレー、ゼリー、煮物、汁物、煮浸しおよび和え物を調製し、テクスチャー特性をRE2-33005S、TPU-2S(B)で、40mmφのステンレスシャーレに充填し、20mmφのプランジャーで測定した。統計解析はPearsonの係数で相関関係を調べた。
【結果・考察】野菜ジュースやネクター、ポタージュ類の粘度は、0.05~0.1、1.5、2.1~3.1×103(mPa・s)であった。テクスチャー特性値では、ゼリー、ピュレー状の根菜類(だいこん、にんじん、筍)、葉菜類(白菜、ふき、ほうれん草、小松菜)のかたさは0.1~1.8×104(N/m2)であり、いずれも2.0×104(N/m2)以下で、嚥下困難者用食品の許可基準に準拠していた。嚥下食献立の野菜料理のテクスチャー値を嚥下食レベルL0~L4に分類すると、にんじん、かぼちゃのゼリーはL0~L1であり、にんじんの軟らか煮はL2、だいこんのゼリー、ふきの青煮や小松菜の胡麻和えはL3で、筍の旨煮はL4に該当した。組織が硬く、繊維質に富んだ野菜はミキサーで磨り潰し、ゼリーや寄せ物とし、季節感溢れる献立への展開が可能となった。また、食材別におけるかたさと凝集性の関係には相関がみられ、L0~L4の各レベルに対応した嚥下食献立に分類された。以上のことから、野菜の種類や特性に対し、調理法やゲル化剤の添加を工夫して、同じ食材でも幅広い嚥下食レベルに対応できることが示唆された。