日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-7
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ポスター発表
米粉を用いたカスタードクリームの調製条件
*廣瀬 めぐみ市川 朝子
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抄録

<目的>我が国は古くから"瑞穂の国"といわれ、風土・気象条件共に稲作に適した地理的条件にあり、米は主食として栄養・嗜好両面からみても優れものである。しかし米の消費量は低迷を続け、平成20年農林水産省は食糧の安定供給体制を導入、米を米粉として活用する取り組みを本格化した。そこで、小麦粉を主材料とする焼き菓子の一つであるシュークリームの調製に米粉を用いることを試みた。今回はシューに加えるカスタードクリームの仕上がり性状に、米粉の濃度、調製条件が及ぼす影響について小麦粉と比較検討した。
<方法>カスタードクリームの基本配合は、小麦粉、米粉(ネオ・リファリーヌ)いずれも3,5,7,9,11%とし、砂糖10%、バター5%、卵黄5%、牛乳77∼69%で調整した。調製条件はIH調理器を用い、最終加熱生地温度85℃とし消火後バターを加える間接加熱と、混合ゾルを一定時間加熱後生地を撹拌し、さらに2∼3回繰り返し加熱後、生地温度85℃で刻んだバターを加えるレンジ加熱とした。調製試料は当日と翌日の試料についてテクスチャー測定した。併せて5点評点法による官能評価を行った。
<結果>カスタードクリームとして好ましい硬さは5∼9%の粉濃度であった。同濃度の小麦粉と米粉では、小麦粉の方が硬さは硬い傾向を示した。また、当日と翌日の物性値の違いは米粉の方が小さい傾向であった。米粉7%濃度でレンジ加熱した場合、2分×3回の加熱条件が、同濃度で間接加熱の試料と最も類似した物性値を示し、途中に撹拌操作を加えることで、短時間で良好な性状のものが調製可能であることが確認された。

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