日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2C-4
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口頭発表
しょうゆと郷土料理の相性に関する研究(第一報)-北海道-
三田村 理恵子*宮田 信吾*牛尼 翔太今村 美穂
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抄録
【目的】地域において良く使用されるしょうゆと郷土料理に相性があるか、あるとするとどのくらいの年齢からかを調べることを目的として、調査を行った。
【方法】各地域のしょうゆは、昆布由来のうまみを特徴とした昆布しょうゆ(北海道A)、塩味がやや強めの本醸造しょうゆ(関東A)、甘みの強いうまくちしょうゆ(九州A)の3種類を使用した。被験者は全て女性で、5歳以上の幼児42名、小学生52名、中学生52名、大学生50名、大学生以外で20歳以上の成人48名、60歳以上の高齢者45名の計289名とした。北海道の郷土料理として市販の「いももち」を使用した。3種類のしょうゆは同容積として調味料を加え食品用パウチに入れて加熱し「いももち」のタレを作成した。また、全国共通の料理としてとうふを使用した。サンプルの評価は、香り、色、味等について行い、サンプルの提供順序は被験者間でランダム化した。得られたデータは、数値尺度を用いて解析した。なお、本研究は藤女子大学倫理審査委員会の承諾を得て行った。
【結果】「いももち」の調査より大学生、成人、高齢者では、しょうゆの種類による嗜好の違いが認められた。大学生では、北海道Aと九州Aを使用した「いももち」が好まれた。成人と高齢者では、北海道Aが最も好まれた。一方、とうふの調査では、中学生以上でしょうゆの種類による嗜好の違いが認められ、好まれるしょうゆに北海道Aが含まれていた。以上の結果より、北海道では、しょうゆと郷土料理には相性があり、その地域で良く使用されているしょうゆで作った「いももち」が好まれることが示された。
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