日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 1P-28
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ポスター発表
凍結発酵乳エスプーマの物性と嗜好性
*冨永 美穂子中野 綾香冨永 眞美湯浅 正洋
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抄録

【目的】亜酸化窒素(NO2)や二酸化炭素(CO2)などのガスを使用し,食材を泡沫状にする「エスプーマ」法を使用し,摂取頻度が高く,料理への汎用性が高い牛乳,乳製品を用い新食感料理の開発を試みている。発酵乳エスプーマにおいて,N2Oを用いた場合,発酵乳と発酵乳エスプーマ間に総合評価や順位法による差は認められなかったが,家庭で調製可能なCO2を使用した場合はその刺激性により低評価であった。そこで,凍結発酵乳エスプーマを調製し,CO2エスプーマの嗜好性の改善方法について検討を試みた。

【方法】泡沫調製には生乳100%ヨーグルト(発酵乳)を使用した。試料200gに7%の砂糖を添加し,CO2およびN2Oガス注入による泡沫(エスプーマ)を調製した。直径60mm,高さ10mmのシャーレの蓋に充填し,−30℃で1,1.5,2時間冷凍したものを測定用試料とし,時間経過0〜5分後の最大荷重を測定した。また,20代女子学生をパネルにガスの違い(CO2およびN2O凍結発酵乳)およびガス注入の有無による違い(CO2凍結発酵乳および凍結発酵乳)の嗜好性を一対比較法(10項目)により評価した。

【結果および考察】最大荷重において,ガスを注入していない発酵乳では冷凍時間による差が認められたが,発酵乳エスプーマは注入ガスにかかわらず,冷凍時間による差はなく,発酵乳よりも有意に低値を示した。凍結発酵乳エスプーマは,凍結発酵乳よりも軟らかく,口溶けがよいと評価され,総合評価も有意に高かった。凍結させることで注入ガス間の差がなくなり,CO2独特の刺激を軽減できることが示唆された。

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